ポかリン記憶舎 TROOP6「カミン」
＠代々木 FUJITA VENTE(1999/10/8-10 5ステージ) 全自由前売り2300 当日2500
作・演出：明神慈 音楽：木並和彦 舞台監督：海老沢栄 舞台監督補：高味真織、
米野直樹 照明P：木藤歩 照明OP：野上美智子 音響：土井瑞穂（劇団1mg）
衣裳管理：神田真里 AD：篠永洋(taketomo) 制作：PRT、杉本其紀子、木下哲、サクラ
出演：
篠永洋 ：峰岸（眠る男）
佐々木陽子 ：園子（従業員）
永田京子 ：津田（〃）
田山智那[指輪ホテル] ：仁美（温泉好きな女達）
松田恵子 ：章子（〃）
高橋由希[tsumazuki no ishi] ：麻紀（〃）
野田宗司[青空美人] ：徳永（相原水質研究所）
田中邦昭 ：坂本（〃）
池川真人 ：武田（〃）
井原なおよし[ザ・パンヌ] ：兄・実（亀を飼う兄妹）
柴田暦 ：妹・棯（〃）
後藤文一郎[ちゃんちゃこりん]：石川（青年団）
村田暁彦 ：松井（〃）
西手勝秋 ：浩一（甘いカップル）
秋山京子 ：由美（〃）
坂井珠真 ：若穂（舞姫）
1999/10/10(日)晴れ 6:10-7:20PM(1'10) 中段より 客席満員(160?人)
客層：20-30代中心。若い客席。男女半々。
客入れ：整理券発行あり？、並んだ順入場。15ほどして増え始めた客でみるみる
満員。早め入場が○。ＣＤ、グッズ（ぬいぐるみほか）物販。受付、場内整理係員は
いつものように本格着付けの和服美人ぞろい。だれも小劇場演劇が行われてるとは
思うまいて。
高水準の舞台に独特の浮遊感を醸す、若手カンパニー新作。
舞台。青畳１２畳。温泉休憩所、渓流に面したな設定。中央に男が午睡中（客入れ
から終演直前まで寝ている）。周囲はぐるりと細い白木の縁側、廊下。将棋台あったり。
上手奥に和風なオブジェ。島舞台の脇に和紙を張った菱形を連ね下げた雨樋みたいな
下に受皿なガラス花瓶。手前に敷石。舞台後方は往来廊下。ごろごろ、畳で丸くなりたい
装置ねこ。
お話。温泉場ってしょうもないことしたり、暇なんでごろごろしますよね。と仕事帰りの
男達、旅行のＯＬは間抜けな位無駄話、のんびり呑気。ラブラブカップルに呆れたり、
裸になりたがり男を諌めたりと。と、とある1人が自然に転がってしまう場所を発見。
なんで、と従業員の子に聞けば、大昔心中で死にきれなかった男を、怨念で追った
女の首が転がってた場所とか。うひー。大丈夫ですよ、という従業員声を聞いてる内に
なぜかみな寝入ってしまう。と和服美人な「舞姫」登場。寝てる人達をマリオネットよろしく
操り、転がして遊びん。地元の人達と「舞姫」は馴染みらしく、遭魔ヶ時の事だからねと
なんでもなげ。その内、みなもなんでもなげに目覚め、三々五々。幼なじみ男女の
再会と苛め？を巡る確執でひともめ、行方不明の亀と兄が見つかって妹喜び、とか
小事件ありつつ、ゆるく時間は過ぎていって。
カミン＝夏眠。劇中、ナマコは夏眠るんだよ、ナマコなんか生意気〜。とやり取りあり。
そうする動物はほかにもあるみたいね。
そこはか摩訶不思議。醒めきってない半睡の浮遊感が面白い。おばけがしらっと顔
で悪戯。人間みたいなおばけが日常に登場させ、遊んじゃうパノラマ歓喜団を思い
だし。スズナリを全畳の温泉宴会場に改装した公演とか、学生気分が抜けない呑気な
遊び心を共通に感じるねこ。日常と不条理、お間抜けさと怖さ（男女の因縁関係）
が同居し、形に囚われない。温泉場で暇してる人のありげな瑣末な行い、やり取りの
絡ませ方も、巧みで可笑しい。傷心は血の中で遺伝する、どうし様もない永遠に・・、
なんて業深い挿話もあったりで、奥深くぞくぞく。盛り混みながらもさらりとして
全体エンゲキで遊ぶな、お茶目さがあり。70分つう、足りない位で丁度いい上演時間
も◎。お気に入りねこ。
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