ポかリン記憶舎・茶室葛きり庵（二人芝居）
「スリヌケル 〜刺すか刺されるかどっちが楽かは知っている。」
＠代々木 フジタヴァンテ・シアター(1999/12/4-5 4ステージ)
全自由 前売当日共1500（限定５０人）
作・演出：明神慈 音楽：木並和彦 舞台監督・調光：村田暁彦 音響：石田篤央
制作：PRT
出演：篠永洋 ：三浦（患者） 田中邦昭：高橋（医師）
坂井珠真：女１（暖め女） 町田カナ[reset-N]：女２（暖め女）
1999/12/5(日)晴れ 1:05-1:45PM(40) 横前方より 客席満員(50人)
客層：20才代中心に幅広く。女性過半数。和服のお姉さんも幾人か。
客入れ：いつものように係員は全員和服美人。普段ギャラリーな会場の３方2列に
椅子席。椅子はやや柔軟でゴージャス。随時空席へ誘導あり。物販。音楽ＣＤ
木並和彦ＨＰ＞http://www.catnet.ne.jp/kinami/welcome.html
99-8「ピン・ポン」に続く二人芝居。昨年は「白玉」今年は「葛きり」。
舞台。黒の無機質なモノトーン部屋。は会場にあわせ調度設置。黒御影石の事務
机、ゆったり黒椅子。黄色砂の砂時計。机の右手に暗いグレーの2人掛けソファ。
客入れ時から、和服の女性。本を傍らに机に寝そべり（坂井）、ソファに座りまどろみ
（町田）ながら。生きた彩りがほのかにエロティック（部屋にはお香もかすかに漂い）。
野郎2人が来る直前に立ち去る2人。なんかとても残念。
お話し。病院、サラリーマン風の男は検診結果を聞きにきたもよう。主治医に代わ
り、高橋というやせぎすの医師が応対。なぜか、患者の夢まで知る医師を訝る男。
なにかへん。医師は人の弱点を見つける仕事、と男の弱点、母親の確執をずばり
指摘する医師。男の臥所に添い寝する職業・暖め女だった母親。不在ばかりの彼女
への思慕の念こそ、男の弱点と。身体的弱さをさておく医師は男を治療するつもり
があるのか？。主治医のカルテを奪っても到底読める文字でなく、内容自体アヤシイ
というし。
と立場の交換を提案する医師。白衣を着ると男はちと高飛車。医師が告白した弱点、
弱点などさほど拘らず、過ごすものだと聞いてなおさらに。白衣を返すことを拒む男
と医師は取っ組み合い。休憩。いい医師とはと医師。バランスを崩した患者達の中
をスリヌケルことができる、そのための品位をもった者だと。当の医師がスリヌケル
ための方法。勘違いに全裸になった患者・後同棲した女が彼のバランス。その一部
（爪）を飲み下す（と瓶から口に）ことが手段。今は、当該病院で植物人間の女性は
実は男の元恋人。それを知っての今までの医師の応対、男も感づいてはいたのだが
、だったのだ。目覚めることはないが、子供、男のを身ごもっていることが唯一救いと
言う医師。は机上の砂時計を立てる。時の刻み開始。男を伴い、2人のバランスたる
女のもとへと向かうのだった。
危うい平衡感覚、ゆらりゆらりと。淡々と普通顔で交される、微妙にずれた日常会話。
クールドライな医師、低めだが体温を感じさせる患者のすれ違い取り合せ。
不安と共におかしみを醸す、危うさすれすれ加減が面白い。淡々に収まらない衝動
とかも表現。ふふーんな。醒めた会話一転、取っ組み合いの肉弾芝居。スタイリッ
シュな男の鞄に「ミルフル（乳酸飲料）」びっしりとか。ラスト、女に帰着しちゃうのが
収まりよくて、逆に期待はずれ。医師役の役者がちとぎこちない。居心地の悪さに
うーんねこ。これは演出？演技力？。
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