古舘伊知郎 トｰキングブルｰス 第十二興行（こうこう）「お経」
＠渋谷 ＰＡＲＣＯ劇場（1999/11/27-12/3 7ステージ）
12/31京都（永観堂 禅林寺） 2000/2/1 静岡･メディアホール
2/2名古屋･ダイヤモンドホール 2/3大阪･ＩＭＰホール 2/5福岡･都久志会館
全指定 前売当日共6000（当日座布団席5000）
作：古舘伊知郎 作・構成：山本宏章、川野孝弘、冨永一郎、山名宏和
[古舘プロジェクト] 演出：堤幸彦[オフィスクレッシェンド]
演出補・舞台監督：長嶋太郎[MOMOX]
総合プロデュース：秋元康 音楽プロデュース：高見沢俊彦[THE ALFEE]
主催：フジテレビジョン（東京）(京都)ほか
企画制作：古舘プロジェクト フジテレビジョン 特別協賛：資生堂
協賛：日本自転車振興会
1999/11/27(土)晴れ 7:05-9:05pm(2'00) 後方より 客席超満員(480人)
客層：老若男女、とりどり。20才代女性を最多に、おじさんも結構数。
客入れ：当日券。開演1時間前・販売時で23人列。本席と補助席は数枚（当日券の
電話予約が確かできるので、そちらに割り当てられたのかも）座布団席（指定）は
結構数あり、余裕。開演まじかでも残席あった模様。座布団席の入場は開演10分前
から。荷物預かりあり。物販なし。折込パンフ(A4半分サイズ）は古館さん＋関係者
のコラム収録。客入れと客だし注意は、例年通り笑いを誘うお茶目なもの。
古館伊知郎の年一憂歌ライブ。今年のテーマ、仏教の世界、釈迦の説法。
舞台。水をおいたテーブル。それだけ素舞台。ここしばらくの簡素な演出を一層。
スポットライトが移動しながらのフェイドインとアウトだけ。劇中の音楽、照明変化
一切なし。身体ひとつ、しゃべり1本の気迫で迫り来る構成。
わからないことはわからないという釈迦。わけのわからない定説をつくる日本人。
悟り、自我がない、右脳を開放する、言葉より乗りのお経。言葉では真実は説明
できない（じゃあ自分のしていることはなんだ）。性と死。ヒトゲノム計画。
釈迦は一切が空と説法。人が人を作る。全てを知ったとき、滅びに向かうのか。
法華経は電通だね、すごいけど知られていない。と釈迦の説法、生涯を判りやすく
辿りながら、世紀末日本のどうしようもなさを斬る。２時間、本当にとまらない
マシンガントークは、今回も圧巻。毒舌、皮肉のうちにも、人の弱さを知る視点は
やさしい。それゆえ、憤りも寄せる波な激しさあり。どこまでが本音かわからない
とカーテンコールで素のあいさつ。その不明こそ、真実じゃ？と思ったねこ。
主な構成（ねたばれ注意。「シックスセンス」と同じでねたばれ禁止）
・客入れアナウンス。席を立つことは、ひいてはセゾングループへの挑戦と。自慢げ
にI-MODE、いまどきポケベルは禁止。BOSSの着信音を鳴らしたら公演は中止せざる
をえない。休憩はありません、帝劇じゃないんだから弁当食べる暇はなし。ロビー
にて、羽毛布団、英会話テープ、高枝切狭販売中。道産子旨いものフェア開催中。
ただいま、古館は楽屋にて華厳の瀧２号に打たれて精神集中中。やらせはありません
・暗闇にちーんと鐘。真っ黒上下の古館。眼前で手を合わせて、お経をとうとうと
読み上げる。難妙連翹〜。終わって。驚いた〜？。釈迦は〜と説明。法華経って
電通だね、すごいけど意外と知られていない。お経は大ファンタジー、すごいよ。
スターウォーズだね。１年前、荒行中のお坊さんが自分のためにお経をあげて
くれた。背中にぞくぞくと来た。究極のしゃべくり芸、今更だけど能の原点だし。
・釈迦は定説をいわない
宗教は人類最大の発明。日本後は母音言語。右脳は母音を雑音と捉える。雑音から
意味を探すんだから、すごいストレス。アナウンサーしてると、古館五月蝿と苦情
がきたりするのもそうか。お経は右脳の束縛を開放する。それでも仏教は抹香臭い
と考えるのか。釈迦は定説をいわない。日本人は定説ダイスキ。子供が殺された。
お受験がどうこうとこじつける、安心する。２歳の子供が殺される理由なんてある
ものか。2000年祭りは変。AD4にキリストが生まれたからもう過ぎてるし。カウント
ダウン向いていない日本人。まだいろはで唱えたほうがまし、ロケットも。
ハロウィンのかぼちゃ。かぼちゃはかぶるものじゃないだろ。煮るか炊く。日本人
なんだから。オーマイゴット！、ってなんだ。アジアンテイストで行こうよ。
以下、ＣＦの変なところあれこれ。
・日本人の社会意識
日本人に株式会社はだめ。社会的責任は似合わない。そもそも、社会意識なし。
世間も最近ない、あるのは近所だけ。警察の覚せい剤問題。身内を守るため、
そりゃそうだろ。反応がなくなるまで検査した＝更正させたんじゃない。癒しって
卑しい。商売になったとたん。癒されるってのは、風呂上りの麦酒の「ぷあ〜」と
いう感じだろ。野球選手なら松坂、原っぱに1人はいるタイプ。ケーキバイキングは
だめ。あんこじゃだめなのか。
・お経の音
お経のＣＤを研究所にもちこんで解析してもらった。そこはいろいろな音の研究を
している。例えば、電車の飛びこみ自殺の一押しとなる音がある。尻上で・・。
中央線のある踏切だけ、事故が多かった。音を解析したら、テンポ１３５の音だけ
高かった。掻き立てられる音は同時に疲れる。お経を読んでいると瞑想状態となる
右脳が起ってくる、言葉より乗りである。とここで読経しながら、いつのまにか
ラップ調、ドラゴンアッシュとシンクロ。いい気持ちは理解できない。言葉で
説明するのは×。あれこれとなんでないかを説明するだけで、真実は説明できない。
・仏教を身近に
今や日常語となっている、もともとは仏教用語をしりとりで連呼。説明は割愛。
キリスト教と仏教どっちがかっこいいか。そもそも修学旅行でお寺にいくのが×。
拝観を２０才以上とすると、ませたやつが忍び込んだりで関心をもってもらえる。
そんなませた奴が、最澄と空海。空海は天才。なんでも空海ゆかりの品もしかして
大泥棒か？。２０年掛かる留学を１．５年で済ませた。郷里への持ちかえりの増え
るはず。なんで奈良の大仏がでかいのか。仏像は緊急避難路のようなもの。生活の
知恵、地獄に落ちないように祈れとの脅しのようなもの。金箔の仏像や寺院には
金持ちの後ろめたさがある。究極の仏像が釈迦か。釈迦はすごいぞ。毛穴から光を
だしたりする。２５００年の間にいろいろと造りこまれてきてるから。
・日本はご先祖崇拝
今は人生が昔の半分。昔は来世を信じていた。だから死はいやなことじゃなく、
めでたいことだった。晴れてご先祖になれておめでとうという挨拶が交されていた
お経のリズムが葬式にはよかったのかもしれない。今はどうか。葬式は生きている
もののためにある。自分達の都合がいいように利用している。土葬は神道のもの。
死者は亡霊となった後、逝く。亡霊となっている時に祟らないように、死体をぐる
ぐる巻きにし、上に石＝墓石をおいた。火葬した上、土葬しているのは日本だけ。
イギリスは火葬の途中で遺族は帰ってしまう。灰は薔薇園にまいて肥料にする。
骨＝カルシウムに手を合わせてどうするのか。あの世なんか信じてもいないのに。
変な願いを添えたりしておかしい。仏壇も最近おかしい。イタリアモダンの・って
なんだ。おまけに名前は西洋人のだし。シュオーペンハウアーは言った、仏教は
衛生学であると（ちと前後の繋がり忘れねこ）。
・釈迦の生涯
釈迦の説法だけが残っている。経典や戒律はない。釈迦は何と言ったのか。全て
わからないといっている。王国の王子として生まれた釈迦。なんとわきの下から
生まれたからすごい。リンパから生まれた。幼い頃から天才ぶりを見せたが、
ふさぎ癖があり、いつも悩んでいた。一計を案じた王はハーレム状態としたが、
釈迦はすぐ飽きた。老病苦学（ちがうかも）。バラモン四つの教え。人生の歩み
方の最後は出家。釈迦は一足飛びにそこにいった。天才だから、自分のことしか
考えてなかった。生まれてくる子供の名前を問われて、ラーフラ（悪魔）とでも
つけるがいいと言い捨てて出家してしまう。ともかく、修行マニア。断食をした
ときは周囲は死んだと思ったほど。結局、苦行では悟れないとやめてしまう。
また修行の旅に出て、少女スジャータに出会い、牛乳をもらう。今のスジャータ
は豆乳だけどね。その地に留まり（だったかな）、ついに木木の下で瞑想に入る
いまでもインドにいくと木の下で、１人で修行する人が多い。集団で修行する
日本とここが違う。イギリスの大学がフィールドワークを行ったた。理由は暑い
から木の下で１人、だったそう。３５歳、６年で悟った。２１日法悦。信奉者が
教えを乞おうと集まる。しかし、釈迦は言葉ではいえないし、いってもわからない
と答えるばかり。そう、言葉では真実は語れない。これは椅子である（スニーカー
ではない）。とあるものであることは説明できるが、そのものの本質は説明でき
ない。釈迦は苦行をともにした仲間を訪ね、話す。不死の門は開かれた、信仰を
捨てよと。周囲はびっくり。頭のよい弟子が問う。宇宙は有限か、死後は（あと
一つはなんだっけ、ねこ？）。ここで古館、水をはじめて飲んで一泊。ホンとは
４０秒間を置いてからしゃべることにしてたけど、だめ。実は今回しゃべるのを
やめようと思っていたほどで・・。
・釈迦の説法
釈迦の重要な説法。「諸行無常」 みんな無情をすりかえている、おばさん達
とか。人間は自身仏教の教え、1/200の割合で細胞が生き死を繰り返している。
「一切が空」ネガティブ思想。死。自分の身体が思い通りにならない苦痛。死を
遠ざけるようとして、身体を隠す。ＴＶはモザイクが主人公。２４Ｈモザイクの
チャンネルがあってもいい。自分は想像してしまう。食事をしても、白子をみると
ホロコーストの文字が浮ぶほど。この辺が「一瞬の釈迦」と呼ばれる所以。
親子丼なんて、水子丼じゃ、とか。今、死を告知するインフラが日本にはない。
坊さんがくると縁起でもないことになっちゃう。大病院の屋上には寺と常駐の
坊さんを備えるべき。死に向かう、心構えができるから。今、生死を外にまかせ
ているのが不孝だ。
ミイラ状態となった子を背負った母親が、半狂乱で釈迦に救いを乞いに来た。
釈迦は一度も弔いをだしたことがない薬屋を探し出すことを教える。しかし、
そんな店はない。疲れ果てた母親はあきらめてしまう。そのとき、この世の中に
はどうしようもないことがあることを悟り、死を受け入れる。そんな話しもある。
「？？無我」我をなくす。自我がないから、宇宙と一緒、空である。
お経を読んで疲れ、まどろみを覚えたときが空の入り口である。今の日本人は
どうか。自我、自己愛のかたまり。自分で相づちをうつ若いアーティストとか。
落語家になれ！。ドナーカードに平気で○をくれる若者。自分なんか、なんか
ちょうだいと思っちゃう。ここで４つのパターンで選択可能ならとおちゃらけ。
あげないけど頂戴というやつが必ずいるはずとか。自分がいとおしい。受験、
学歴社会というけど、そうじゃない。コネ社会だ。縁。落石事故に遭ったこと
遭わなかったこと、いずれも縁があった。「ぞうちょう縁」＝おかげさまという
こと。遺伝子。ヒトゲノム計画。全てがわかるなんて信用できない。酒のみの
遺伝とかなら、自分でもわかるけど（研究するのはなんか変）。金型赤血球遺伝子
難病のルーツはアフリカ。マラリアに勝つために進化で赤血球を変えた。そんな
少数の人間がいることを考えないと。ライフスペースにしてもそれを必要とした
人がいたのかも。慈悲の心を。
・私達の行末
将来、人は人をデザインする。カーストになるね。人は人を造る時、客観的に
なる。全てがわかったら滅びるしかない。ＳＥＸも無くなる、釈迦の言う方向に
向かっていると思えてしょうがない。第一の矢が刺さったことはみな気づく、
悟った人間は第２の矢が刺さらない（第一の矢をなぜどこからと考えないから）。
釈迦は80歳で死んだ。死の前に旅で出た。人生はこの世は美しいといったそう。
１人の世界をきれいに完結させた。自分達はどうするのか。せめて死ぬとき位は
死ぬまえに笑って・・、はみんな嘘じゃないか。普段から死を意識して備える
ことがいるのじゃ。仏教は脳の準備をできあがらせる潜在的な教育。性をもった
時から、死は用意された。進化を選んだから。不死の大腸菌はつまらないだろう。
パソコンなど科学の恩恵にあずかっても、そのからくりはわからない。科学者達
は納得ずくの理屈をもっている。遺伝子を研究する科学者は、生死のカラクリを
知って死んでいけるのだろうか（羨ましい）。平和ボケした日本で、死の恐怖は
よくわからなくなっている。組したくはない。釈迦の最後の言葉。〜怠ることなく
修行をせよ。修行に自分は、しっかり生きよと当てはめたい。完全燃焼と。
・明かりを落し、古館氏にスポットしだいに収束。念仏。人の苦しみ絶えることなし
リストラは出家のチャンス。銀行１本化は消費者の悲願。平和ぼけ日本、歓迎
テポドン。核保有が増加するとなぜか削減の方向へ。これすなわち、援助交際の
おやじが自分の娘を思い出して説教するがごとし（といろいろパターンの世の
苦行、しがらみを念仏祈祷。人間しょせん、遺伝子運搬人。命はひとりのものじゃ
ない・・。とかとか。客席に向かい祈祷祈願。
・カーテンコール。燃え尽きた風にして。どこまでが虚実かわからなくなる。こう
いえば、お客を掴めるとか考えちゃうし。本音がよくわからないところも。初日は
リハーサルだと思ってます（場内笑い）。などなど。
・客だしアナウンス。アンケートに否定的感想はやめて、出演者が動揺。内容は
シックスセンスと同様に、誰にも内容は告げないように。などなど。
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