花房徹の夫婦白書 Part10 「浮気な夜の次の朝」
＠渋谷 ジァン・ジァン(1999/12/17-18 3ステージ) 全自由前売り当日共2500
作・演出：花房徹 美術：志田原貴子 照明：田向澄男 音響：原島正治
舞台監督：小嶋次郎 制作：高見沢公子
出演：
花房徹（夫）、西山水木（妻）、沢木みな[岩松了「スターマン」など]（恋人？）
花房「せいや」：書き文字不明（子供）
1999/12/17(金)晴れ 7:05-8:20PM(1'15) 中段より 客席超満員(120人)
客層：ホンとに老若男女幅広く。20才〜60才代がともに楽しむ桃源郷な。
客入れ：開演15分ほど前に椅子席満席に。早め入場、予約（当日予約もジァン・
ジァンは可）が○。折込パンフ。4コママンガ、過去10回をちょっと懐古など
いろいろ掲載。ロビーでは歴代の舞台写真を展示。もっと前からみてればなあ
とちょっと残念ねこ。
舞台。素舞台にスツールと箱、壁なパネルから開始。夫婦の会話が進むにつれ、
調度は補完され、終幕ではリビングキッチンなセットに。
お話。ある朝、妻は夫に確認。私って変わった？。そりゃ変わった、いや同じだよ
と考え直して夫。同じって、私のことを見ていないんじゃ？と切り返す妻。夫あた
ふた。別の夜、夫の考えで家族も自分も動きたいと妻。１人ずつ独立対等と夫
（自分にそんな期待されるのはプレッシャーだし）。妻は夫に自分をみてもらい、
自分が自分でいる感触が得たいのだ。そんな夫婦の会話が始まった頃、夫はとある
風俗店にふらり。ちょっとかわった子に出会う。行為より言葉、そんな丁寧な出会
いで始まった関係に夫は新鮮な気持ちをいだく。でも、最近助けを呼んでるような
妻にばれたら・・。妄想？現実？、虚実ないまぜの会話は、とっても象徴的、本質的
に進んでいって。
話し合うことで始まる、夫婦のあり様。何かほしいのに見つからない、そんな日常
の不安やらを演劇的会話で面白く描く。いつもながら、お客さんをたのしませよう
な心意気があって○。妻と浮気相手の妄想会話や、浮気を問う妻と夫のやり取りに
夫だけが判る浮気相手が絡む会話設定とか。生活風景を徐々にみせていく装置も
演劇的。純粋な夫婦の会話を軸にちゃんとすえてみせて○。随所に大人な遊び。
台詞に、当人とお客は判る２重の意味があったり。浮気相手が男のぎっくり肩を揉む
場面では、情けないうめき声が暗転とともに行為を思わせる声になったり。
なにより達者な役者芝居。不安、不満足にも正直な女性らしい妻役・西山水木さん。
現実的でちゃきちゃきした中も、しっかり揺れる気持ちを演じ。反対に捉えどころ
ない中も一家言な、風俗嬢役・沢木みなさん。持ち前の浮遊感あるキャラで演じて
面白し。不倫もしたいかな、とカーテンコールで。おじさんを揺さぶるような挨拶
する小悪魔(笑）なり。小理屈も嘘がつけない正直さが隠せない、とほほなおじさん・
夫役・花房徹さん。不器用な愛すべきキャラを今回も好演。ちとロマンティックに
女性とのやり取りを描くとこは男っていつまでも子供なのね、と微笑みねこ。
カーテンコールで花房さん挨拶。２０年以上続けられたのもジァンジァンの、この
空間があったからと思う、など。
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