ポかリン記憶舎 茶室 白桃庵 「雫まで」
＠四谷 コア石響（2001/7/19-21 5ステージ)
会場ＨＰ：http://www.syakkyo.com
舞台写真：http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?key=379271&un=14627&m=2&s=0
全自由 前売り2500円 当日2800円
作・演出：明神慈 サウンドデザイン：木並和彦 照明：木藤歩
舞台監督・調光：桜井秀峰 音響：田中邦昭 写真：松本典子
グラフィックデザイン：森田麻由良 衣装：ＰＲＴ
制作：サクラ、佐々木陽子 製作：ＰＲＴ 協力：（株）竹内芸能企画、コア石響
出演：
山田靖朗：男
福士史麻［青年団］：女
佐々木リクウ［ク・ナウカ］：若い男
大和田 有［時々自動］：若い女
2001/7/20(金祝)晴れ 7:40-8:25pm('45) 上手より 客席ほぼ満員(45人)
客層：20−30才代中心、男女半々。お友達連れ多し。
客入れ：四谷駅・赤坂口改札から道路にでた所に、浴衣姿の案内お姉さんあり。
迎賓館に向かうＹ字路の右手まっすぐ、公園をすぎた路地を入ると、案内表示あり。
民家をリホームした趣あるホテルを横目に、駅から10分ほど。係員のお姉さんは全員
浴衣美人揃いで嬉しいところ。開場時は10人ほどで整列入場。荷物預かりの声あり
座布団桟敷2列、パイプ椅子2列、上下にも座席若干。60人分ほど準備も状況をみて
座布団を撤去。どこでみても舞台至近で○。開演中空調停止、コンサートホール並
の静穏状態。荷物を落として騒音をたてぬよう、椅子下に置くのは同様のマナー
なり。折り込みパンフ。作品に寄せる散文詩、配役キャスト、予定掲載。次回は9-10
月、長野、上野、駒場で新作。その前にreset-Nとの合同公演あり。物販。台本(800
円）ＣＤ1200円。
舞台。アンバーの明かりのもと、淡いグレーの床と白い布で囲われたモノトーン
空間（照明は展示会場の明かりのみ）。脱衣場らしく、プラスティックかご８個
のレモンイエローがアクセント。
お話。あれれ！？、出会った男女は当惑顔。入口は男湯、女湯と別れているのに
どうも混浴。先に入ることに固守する２人、とりわけ、女は譲れない。訳あり？。
諦めて、と男は懇願されて、それって結構、理不尽。コンタクトを外して見えない
ようにしてくれたらと譲歩も、景色をみたい男には意味がないし。
膠着状態に天真爛漫カップルがさっくり入ってしまい、互いのいいわけ、意地も
それまで。私たちって、ばかみたい。女、かごで２人の間にちょっとした壁を
つくる。三ツ矢サイダー、飲んでもいいよ。休戦の内にそれぞれの胸の内。
女。浮かびたいの、みんな忘れるから。男。強姦されても女は濡れるのかな。
女。そう、それは自分を守るため、異物から。泪が流れると見えなくなるのも…。
女。逃げてきた。男が自分を傷つけようとして追ってくる、脱がないのは、傷が
あるから。男。自分の彼女が強姦された。彼女のことが好きな男に。自分と寝る
とき、前よりも濡れるようになった。苦しむ彼女を抱きしめた、包みたいと思った
彼女は別の男と結婚した。女。(彼女は）リセットしたのね。私を追ってくる男と
出会ったら？。たぶん殺す、殺したくないけど…。男。みられたくないなら、自分
の後ろにくればいい。（電車のように）連なって歩けばいい。女。うなずき、
あずけるように背中に近く立ち、ボタンに手をかける。暗転。
永遠の中の刹那、醜い絶望の中の奇跡。演劇で見たいのはこれでしょ、な素敵。
ロマンティックではない現実、を描いて男には書けないな、な。ＳＥＸ＝異物挿入
とか、泪が隠す今の視界とか。そうして愚かさを繰り返す世界を覗かせつ、優しさ
に身をゆだねる。刹那の幸福を描くラストが優しく切なくて◎。
針が落ちる音も聞こえそうな、静謐な空間。男と女の２人だけ、その想いがすっと
浮かび上がる。平易な日常会話、理解できる言葉がしっかり胸におち、心揺すぶら
れる。よくできた脚本、身につきた役者演技、シンプルでいて微細な音楽と明かり
いつもながら◎。次回のreset-Nとの合同公演が待ち遠しいねこ。
役者。福士さん。気丈でいて危うい。その揺れ加減にはらはらねこ。山田さん。
男は戸惑うだけなのね、でも、優しいのね、を自然体で好演。
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