弘前劇場「香水 kousui（二文字の間に返り点レあり）」
＠下北座 ザ・スズナリ(2001/8/9-12 5ステージ)
http://www.honda-geki.com/
＠弘前・スタジオ･デネガ7/27-29 ＠札幌・アトリエシアターZOO 8/4-5
全自由 前売2800円 当日3000円 学生2000円 高校生以下1500 (共に前売のみ)
作：長谷川孝治 演出：松本修［MODE］ 舞台監督：野村眞仁 照明：中村昭一郎
音響：原島正治［舞台音響 囃組] 装置：鈴木徳人
宣伝美術：Design Art Work ESPACE 制作：佐藤誠（有）弘前劇場
出演：
福士賢治：磯部健太郎(46才 磯部組組長)
後藤伸也：畑中雄三 (35才 磯部組若頭)
山田竜大：大川俊一 (22才 磯部の舎弟)
佐藤てるみ ：磯部松子(38才 磯部の妹(事務員募集に来る女))
木場勝己 客演 ：阿部秀次(55才 磯部の旧友)
小嶋尚樹［元MODE］：耳塚はじめ(46才 阿倍の付き人)
佐藤 誠 ：マキ(26才 阿倍の付き人)
畑澤聖悟 ：波照間了(38才 畑中の友人)
斎藤 歩［TPS］：園田庄一(35才 畑中の友人)
濱野有希：畑中律子(24才 畑中の妻)
石橋彩子：梶谷幸 (22才 大川の恋人)
長谷川等［浪岡演劇研究会］：殿山光夫(55才 畑中の計画のため雇われている男)
永井浩仁 ：山下貢 (38才 近所の出前持ち)
佐藤潤平 ：座敷わらし(300才 妖怪)
2001/8/12(日)雷雨/曇 2:05-3:45PM(1'40) 前方より 客席(160人)
客層：老若男女、20才代〜5,60才代。おじさん、おばさんも多めに大人客席。
客入れ：ゆったり、結局超満員の客席。荷物預かりあり。場内案内は黒木＠MODEさん。
誘導随時、奥詰めお願い２，３回。折り込みパンフ。演出から弘前劇場との関わりとか。
配役、予定掲載。次回公演は、11月＠世田谷パブリックシアター(トラムじゃないのね)
物販。戯曲(1000円)。今回もカット台詞結構で、ふーんねこ。
弘前に住んでたことあるんだ＠学生時代、ふーん、な松本修＠ＭＯＤＥ演出で。
舞台。土蔵設定？。つうか、がらんとしたプレハブ倉庫。えんじ色・Ｈ型鋼の柱が
等間隔に高く、間にコンパネな薄黄の壁。中央、事務机２、上にパソコンと電話。
前方、上手のテーブル（自動麻雀卓）はねぶた絵柄の風呂敷が掛けられ。
下手に黒いソファ（３人＋２人掛け）とテーブル。中央上方にメッシュの窓。西日が
射し込んだり。
お話。神田も近いか、東京。莫大な借金を抱え、青森から逃げてきたらしいヤクザ
一家。組長親子と若い舎弟。潜伏する仮住い事務所でそわそわ、組長は我慢たまん
ない？。殺されてもいいから帰郷する！、と自暴自棄ぎみ。諫める息子の若頭は
クール。と、いうのも怪しげな計画を準備がため。父親にはその覇気なく、それが
おやじは自身気にいらないようだが。男気な旧友「本家」関係のおやじと昔話に
慰め、そして嘆息。そんなおやじはさておき。事務所にはリストラ元リーマン、
土方あげりのおやじ、口の減らない女のひもやら、胡散臭い連中が出入り。どうも
計画というのは、地下からトンネル工事。向かうのは金のあるところ？。祭りの夜
、喧噪に紛れて決行、ということらしいのだが…。
ヴィジュアルで先攻したり、思わせぶりだったり、異色な今回。いつもの高水準
劇団員＋実力派客演役者、松本氏の平易で醸す雰囲気も○な演出。で魅力的な
手応えあれど、不明をまんま置き去りにされ、困ったりもするねこ。
ヴィジュアル指向。冒頭、映画なカットバック。短い場面を連続。暗転、スポット
ライトで男芝居。ハードボイルドにムーディ。べたに暗転転換するんでスピード感
低下するのがもどかしいねこ。ラスト、組長が射殺される場面（でもフェイクね）
にはちょっとびっくり。べたな殺人シーンは劇団初かも。透明感ある夕暮れ色とか
、この劇団らしい心しみる照明は変わらぬ魅力。
謎と不明多め。呑気な日常を偽っての場面、延々。表層のスケッチに焦燥、疎外感
、憤りとか種々感情ぽつぽつ。うん！？にとどまり、ふむふむな裏付け、つかみ所
が見えず。復讐するは我にありな、理由。「家」と「血族」の絡み程度。とか
お守りと持参？な本来家付の座敷わらし（見える人しか見えない）。組長母からの
一家の御しるし？。などは謎の置き去り。離れても、忘れ得ぬ、離れ得ぬしがらみ？、
なんだろうけど…。
新旧種々の世界を描き、隔絶感。封建制、ヤクザ、ネットワーク、リストラ横行
企業、とか。安住できぬ、グローバル化に組長一家の苦境を重ねる？。示される
情報量が足りないのはさておき、重層する種々を結び合わせる展開構成、決めな
言葉の冴えが△印象（従来比）。もうひとつな不足がもどかしいねこ。
役者。福士さん、木場さん。二大名優の駆け引きな会話とか、抑制の中もスリリング
な味わい。佐藤さんの逞しさ○。斉藤さんの切れる目線○。後藤さん、畑澤さん。
いつもの野蛮なほどの活気抑えめ。物足りず、欲求不満ですよ、ねこ。
［月間一覧］
|