ポツドール「男の夢」
＠下北沢 駅前劇場(2002/11/13-15 9ステージ)
http://www.honda-geki.com/ekimae.html
指定 自由共 前売2800円 当日3000円
作・演出：三浦大輔 照明：伊藤孝 音響：中村嘉宏 舞台美術：田中敏恵
映像：♀ＧＵＣＣi♂（帝斗創像）衣装・小道具：福本朝子 舞台監督：松下清永
宣伝美術：上田大樹[i.w.] 制作：野平久志、荻野智子、高木若葉
出演：役柄別途掲載
小林康浩 ：浅野（帽子）
米村亮太郎 ：宮本（自称アート系）
仁志園泰博 ：山崎（歌いまくり）
宮崎吐夢 ［大人計画］ ：和田(最年長）
高多康一郎［RONNIE ROCKET］：西村（むっちり4年）
山本雅幸 ：石井（やり手）
安藤玉恵 ：野口（茶髪ロングヘアー）
井上記恵 ：田村（眼鏡っ子）
松浦絵里子 ：武田（黒髪）
加藤芙実子[カノン工務店] ：横山（茶髪ショート）
脇坂圭一郎：店員（元ヤンキー？）
2002/11/16（土）晴 2:32-4:23PM(1'50) 中段より 客席満員(130人)
客層：20歳代中心、男子過半数。中年男子もちらほら。
客入れ：下手よりの舞台にあわせて、斜に配置の自由桟敷4列。後方指定席６（７）
列。自由ともに！？千鳥配置、桟敷では珍しい。荷物預かりあり、大きなビニール袋
に入れる「大人計画」方式。指定席も狭めなので預けた方が○。場内誘導随時あり、
よいしょはなし。折り込みチラシはビニール袋にいれてまとめ。さらに、指定席番を
書いた大きな紙を表側に入れ置いてわかりやすい。他の劇団も見習ってほしい
やり方なり。きっちり客入れして、ほぼ定時開演。全体、制作の積極的な工夫努力が
行われてて○。
折り込みパンフ。Ａ４両面。挨拶、配役、スタッフ、たくさんの協力者名。次回公演
の情報はなし。次回よりＤＭを廃止し、メール配信に切り替えるとのことで合理的。
物販なし。
生本番なセミ・ドキュメントものでなく、脚本あり上演とか。
舞台。カラオケボックス室内。舞台装置！？、本物部屋にいるような錯覚を起こさせ
る造り込み。職人仕事に拍手ねこ。上手、対戦式カラオケ得点表示器、モニタやら
機械。上手奥にガラス戸の出入り口ドア、廊下を挟んで向かい側の部屋ドアものぞき
中央〜下手にコの字ソファ、持ち込みあれこれあるテーブル。下手壁際に荷物が
おけるスペースあり。壁はおすすめメニュー、ちなみ生ビールは400円(小ジョッキ）
、夜の持ち込みとか禁止、ビール会社の水着モデルポスターとかべたべた。エアコン
とか、ごく普通にあるものあり。
お話。地方都市（室蘭なの？）、遊び場なし、カラオカボックスあり。むくつき野郎
どもが、夜な夜な集って、だらだらもんもんと妙に気を使って「サークル活動」。
俺の夢はといつものように、宮本語り。自主映画、ラストシーンだけ決めている。
全身金粉の主人公が肛門にダイナマイト、で高層ビルから等身、自爆。それのどこが
おもしろい？、血がげろげろじゃ？。金粉が舞ってきれいでしょ、あー！？。
山崎、さっきから一人カラオケ。６７点、なんで低得点？。エロ話。簡単にやれる女
いますから、と後輩石井。半信半疑だったみなの目の色が変わり。携帯つながらず。
日を改めても女子は来ず。みな服装とか気合いはいりまくりなのに。もさっとした
西村先輩、最年長のうざいギャグ連発の和田先輩でさえ、彼らなりにおしゃれして
きたのに。みんな、冗談いってても、目がマジで怖いです。山崎の歌。鬱陶しがって
いた宮本（だっけ）の鬱積爆発。山崎に意見、山崎マジ切れ。女子はこないし、
喧嘩が静まってからのが気まずいし。請われてももう歌えない山崎。石井は友達から
携帯、いかなきゃってとても帰れない雰囲気なのに。流れる持ち歌「じれったい愛」
ほんとにじれったい。山崎、鬱だったこととか告白、収まりがつかないほど、
シリアスに気まずい雰囲気。でも、歌うんだな、山崎。
次の日も女子来ず。浅野が意味なく、ちんぽを出す。石井、宮本の映画好きはかっこ
つけのまがいものと噂。本人に探りをいれると、ポーズなことをあっさり告白されて
脱力。和田先輩ってどーよ、うざくないか、俺は結構おもしろいとか噂。山崎
「じれったい愛」そればっかり。石井、女の子を呼ぶのを忘れて、再度電話。
カラオケボックスのヤンキー風店員に石井が文句たれて、やばい雰囲気。今日もだめ
そうとだらだら。と、向かい側のカラオケボックスに女子たち。モー娘とか歌い。
合コンしよう。西村さんよぶの忘れた。山崎が童貞であることあることがわかって、
SEXを男通しでレクチャー。山崎、女の子が一発でめろめろになる歌をしっている、
と「バンザイ」。逝ってよし、な雰囲気漂い。石井、出撃。いいけど、精算がどうー
こーと、女の子二人がまくし立て。なにいってるんだか（あと、いやらしいこと禁止
とか）。いざ女子達がくると決まると、途端にひるむやつあり。宮本とか。
女子4人。田村さんがお約束にちょっと眼鏡ブ…。自分たちでこそこそお話。西村、
遅れてやってくる。服か風貌のせいか、女子達に笑われ。気付いた俺が立っている
と、カラオケ曲は「ウィークエンド」。
1時間後、すっかり和む一同。気が合う男女がペア。西村にしっかりもの野口。
宮本に元コギャル？横山。あとは女の子に野郎2,3人で。宮本、カラオケ「明日が
あるさ」を入れ、いきなり西村にふり。西村、どうあっても歌わないと大人げなく
拒否して、気まずい雰囲気。こんどは山崎「じれったい愛」。いつものお遊びで
イントロで止めると、野口意見。ギャグ！？、私ならそんなことされたら、切れる
と詰問。気まずい。宮本の映画構想。女子達・野口、武田はくだらないと一刀両断。
映画は女にはわからないと殻に閉じこもる宮本。私たちは聞く耳をもたない、
自己中はだめと女子達切り返し、私たちは試練を乗り越えた。どんな試練かと
聞けば、高校の文化祭で革新的なパラパラを踊りきったとか。横山は女子校で
あこがれの先輩たちでした〜と、よいしょ。宮本の怒気収まらず。大人げなく、
踊ってみせてくれ、つまらなかったら、土下座で謝ってもらうからな。
野口、武田踊ろうとするけど、振付を忘れて、田村をいれて相談はじめ。みてる方は
どっちらけ。まあよかったよーとか、気まずい雰囲気を和らげようと、和田先輩
甘言。ちと寒い。ここで曲は「TRY ME」私を信じて〜（だっけ）。 店員の態度が
気に入らないと、石井は低脳呼ばわり。黙っていた店員、切れて喧嘩寸前。持ち込み
がばれて、後でこいと言い捨てて店員は帰り。すぐ謝るべきと女子達に、石井とか
へっぴり腰、精算の時にいいとか。和田先輩が代表していこうとすると、山崎が
がまんできず、先にいき。意外とお願い程度で済み、一安心。隅には、和田先輩は
立場なく佇み。
帰ろうとする横山を宮本送りにとか。野口にだめを出されて、宮本の連れ出し作戦
失敗。横山も帰るに帰れず、なさけない。場がもりさがったので、石井、王様ゲーム
提案。なんでだ、テンション低いのに。Ｈはダメだよという女子の言葉なぞ、聞く耳
を持たない男子。西村と田村に、王様・石井はキス指示。西村、他の子はいいけど、
田村さんだけは絶対いやだと、洒落にならん本心。田村、泣く。健気にキスを迫る
が、西村、携帯着信に乗じて逃げる。最低。田村、山崎にかわいいと虚しく慰めら
れる。
なんだか、どうしようもない状況。それまでうつむいていた浅野。これでいいのかよ
俺たち、と熱く語る。言い終われば恥ずかしかったりする。もう終わり。女子達は、
貴重な体験でしたとかいいながら、さよなら。宮本に仲間は、横山の電話を聞き出
しては？と、本人の前でプッシュするが×。横山、携帯に乗じてさよなら。
田村、山崎を呼び出して、どうもお礼、つき合ってくれ告白。まんざらでもない、
山崎。店員、実は店長がやってきて、ため口の一方的会話始まり。田村のことをやば
くない？とか、誰それはヤリマンだったとか。聞きたくもないＳＥＸ自慢、街を変え
たいという夢を饒舌に語り。曲「はなしたくない（だっけ）」。もう、勘弁してくれ
、帰りたい状態の男子達。
すごいリアルな造り込みで描く、負のシチュエーション・コメディ。痛々しくとほほ
な若者達がとぼとぼ大行進。鋭い観察眼からの細かな人物描写、は時に台詞が聞き取
れないほどリアル。反新劇としての小劇場演劇の極北。五反田団とならび、青年団の
先をいく、つぎはこれ存在な印象ねこ。ここら、新劇側からみると、箸にも棒にも…
な評価をされかねないところではあり。
自然体顔をしながら、どうにもバツが悪い雰囲気、タイミングの悪いな演出は、
漫画的なコマの面白さでみせ、ふーんねこ。あざといくらい嵌る、カラオケの選曲とか
、小憎らしくなるほど巧し。ていうか、作家の底意地の悪さ発揮？。最近の嘘？ホント？
なセミドキョメントの不明な面白さじゃない、作為そのもののを今回は楽しむねこ。
次回はどうするのかしらね。
役者。愛情を感じさせるけど、隣りにいてほしくないダメキャラぶりを好演。おな
じみのキャラ芝居くっきりと安心してみるねこ。
［月間一覧］
|