ベターポーヅ 10ht Anniversary Performance
「ビール樽が熊の毛皮を着込んで火薬で心臓をふくらませています」
＠新宿 シアタートップス(2003/1/15-23 11ステージ）
http://theatertops.tripod.co.jp/
全指定 前売2800円 当日3000円
作・演出：西島明 振付：山田うん 装置：東大路道恵 舞台監督：冨広陽子
照明：大塚之英［ストーリーレーン］
音響：水元健一［プランニングアートリミテッド］ 衣装：キタサコ製作所
宣伝美術：東大路道恵 舞台写真：佐渡谷威昶 制作：亀川朝子
協賛：高原書店
出演：
・岡山家
松浦和香子：佳南子（長女）
山崎和如 ：松吉（長男）
多賀万希子：虎之助（次男）
阿部光代 ：卯天那（ウテナ 使用人）
西島明 ：中世紀（使用人 面白い話をする 転生を繰り返す）
・松本家
渡辺道子 ：千津子（長女 オールドミス）
猿飛佐助 ：実（長男）
大日向美名子：靖子（実の妻）
吉原朱美 ：艶江（次女 松吉の婚約者）
市川菜穂 ：澄子（三女 虎之助の婚約者）
加藤直美 ：大河内（使用人）
山口卓子 ：天草（使用人）
・バンド「おれたちとシャム猫」 企画担当：山崎和如
出演：猿飛佐助、西島明、山崎和如、山口卓子、吉原朱美、霧隠才蔵(ゲスト)
2003/1/18(土)晴 2:05-4:05PM(1'30/休12/18) 前方より 客席6割(60人)
客層：20-30歳代中心、男女半々。役者母と友人関係ちらほら。
客入れ：公演期間長めのせい？、後方の空席が気になり。いつものように若い番号席
は早め入場が○。折り込みパンフ。B5 4ページ。挨拶、配役、スタッフ、役者抱負、
10周年公演年表、予定。次回公演は秋頃とのこと。物販。既出CD-ROMブックほか。
いつのまにやら10周年。日替わりイベントもある記念公演。
舞台。シュールな抽象画みたい。中央、ペパーミントに白ぐるぐるのへの字壁。
下のくぼみに紫の玉。上手に連なる壁は金色のクッション。アールデコな曲線を描く
丸い椅子が壁際。下手隣りに白いエンボス調肌の柱、上部に金のライン。さらに連な
る壁はシダ植物の葉が一面。あと、樽とか、紫の玉とか。
お話。行ったり来たり、縁組みもありの岡山家と松本家のあれこれ。詳細は下記。
近作一番の手がつけられない、すっとこどっこいぶり。もろ手をあげて、万歳に楽しい
ねこ。熱情をもった勘違い会話、意味のないやりとりが往来。いつもより大河ドラマ
に３０分延長、長台詞もたっぷりとしてナンセンスてんこ盛り。とりわけ、使用人
中世紀の壊れっぷり◎。雅やかさえ感じさせる、やりっぱなしの独りよがりぶりは
おじゃ丸がごとし。楽屋落ちを突然会話にいれ、さっと白くなる間合いもまた面白し。
イベントなシーンは男子萌えもの。パジャクラとか。エロにも、もろ手を以下同文。
役者。阿部さん。所在不明の自信と意味ない絶叫台詞まわしが素敵。西島さん。
美味しいとだけのちょい役でなく、今回位これからも出しゃばってほしいねこ。
若手達がすっかり世界になじみ、堂々と絡んでるのも○。
お話。イベントはこちら。
（曲「異邦人」でダンス。使用人・中世紀は面白い話をする人と話題）岡山家
と松本家は永らく親交深し。気が付けば、松吉を始め岡山一家は引き留められて、
三年も滞在。（変な人に会った、岡山家・佳南子。彼女は松本家の人々からおならの
洗礼を受ける。）一層のおもてなしを！との家長・千津子の命により、フカヒレの次
なる妙味「霞」を饗することに。使用人大河内と天草はチョモランマへ（「雨に濡れ
ても」でダンス。２重アゴの女性三人による浸りきりの、なんでも二重あごになぞら
えた、ポエム朗読。ストッキングを被った女性達のダンス）。
岡山家・松吉、不吉な予感。弟の虎之助が青っ鼻を垂らし始めたのだ。青は吉凶の印
代々伝わる治療法・しらすをジャージパンツの中に詰め込むこと、ぐぐっと（詰めて
いる間のＳＥは歌舞伎の川音太鼓）。とりあえず納まるが、もしや地元で良からぬ
ことが！？、と嫁の艶江とも帰郷することに。
松本家の使用人・大河内と天草は、松吉に樽とつづらを差し出す。使用人中世紀の
シュールな形となった遺骸と無念の思いを宅急便にして、インドから送られてきたと
いう。（抱き合う松吉と艶江に白布をぐるぐる巻いてスクリーン化。中世紀の生き
返る宣言ビデオを投影。）生き返った中世紀は、ニンゲンとしての能力に欠けていた
、たとえば味覚とか（でも赤い壁を背景にスモークサーモンを食べるのは悪くない
らしい、味がわかるわけではないが。）で、妙なへりくつをこねくり回すのだった。
さて、松吉達は再び松本家へ。家長・千津子は「ミステリー」に妹達が巻き込まれ
ないかと心配。松吉は誘われて、ミステリーな人間椅子・靖子に座る。そこを妻の
艶江に見られ、妙な誤解を受けてしまう。その有様をみて、ミステリーが始まる！！
と千津子らは勝手に盛り上がり。
復活した中世紀、表彰され、女達を（流し）目で殺し、冷えものを売り歩き、歌を
詠む。５・７・７もしや３１文字＝サーティワンの世界？。３１アイスクリームに
中世紀は夢中、１００コはいける。胸につけたカップコーンに３１アイスをのせて、
和歌を詠みながら、最前列のお客にプレゼントする中世紀。ではあったが食べ過ぎで
お腹が痛くなる（スティーブライヒの曲（ソングＸ？）でダンス。）結局、凍死して
しまう。
岡山家・松吉は松本家の実に相談があるという。問題とは、妻・艶江の誤解でも、
中世紀の凍死でもなし。踊りながら聞く実に、虎之助が夜遊びを始めた、やめさせ
たいと告げる松吉。どうも、パジャマクラブ（通称パジャクラ）に通っているらし
い。実は松吉の「兄さん」という言葉を聞いて、突然不機嫌となる。どうりでダジャ
レもダンスも拒絶するわけだと、捨てぜりふを残して去ってしまう（ここでダンス）
パジャクラ。ホステス達は、私生活で着ているパジャマで接待。今日のプレイは
「地獄の黙示録」、筆を槍、硯を盾、髪のカーラーは言葉（と脇の下に墨で渦巻きを
書く遊び）。中世紀は、女の脇の下の地獄から生き返り、コックになる。しかし、
元の性行は失われてしまっている。岡山家へ嫁に来た２人に、松吉はいろいろと教え
る。たとえば、食べ物は全て水にひたして食べることとか。
松吉・妹佳南子はどんな年月の曜日でも当ててしまう特技を披露。役にたたず、しか
も英語で答えるのが意味不明。（ここでコックの寝相を想像するシーン）虎之助は
想像ばかりしている。そんな悩み事を抱えながら、松吉は３年ぶりに松本家へ、
実とダンスを踊ろうと公式訪問を行う。
松本家使用人・大河内の誕生日お祝い。千津子の温情にて。霞を取りに行った大河内
は、熊と誤って、天草を携帯のピストルを撃ってしまっていた。傷は浅いって、血を
吐いてますけど。大河内が罪を隠そうとするので、天草は自分は大丈夫と気丈なとこ
ろを見せる。松吉の名前を出されるたびに、天草の顔は歪み、遂には死んでしまう。
松本家・実は、岡山家・松吉になにかと辛く当たる。青魚は青い！となんかわから
ない説教。挙げ句の果てに、３年も居続けて常識がないと怒りまくり。引き留めたの
は社交辞令だという。手のひらを返したような疑心暗鬼ぶり、非難に松吉戸惑い。
結婚話を持ちかけてきた、艶江とのことまで「松吉の社会勉強」と言い出す始末。
虎之助のパジャクラ通いは自分の差し金、社会勉強だよ、と実に告げられて、ます
ます困惑。実は一方的に「おとといの水曜日にきやがれ」と捨てぜりふを残して
去っていく。どういう意味？、おとといの水曜日って一体…。
コックになった中世紀は川に落ちて死んでしまう。天草はカエルになって転生。
落書き好きの佳南子はかわいいコックさんを松本家の壁に落書きしまくり。中世紀が
平面になってまた転生？、と勘違いされ。実も佳南子には元気があってよろしいと、
ご機嫌。世界はかわいいコックさんで一杯（らしい）。松吉は水曜日に取り憑かれて
しまう。佳南子に年月日の曜日を尋ねまくり、全部「水曜日」（今度は日本語で答え
てくる）。
おまけ 終演後イベント
１オープニング。歴代公演のスティール写真コラージュと猿飛氏のイラストアニメ。
２「おれたちとシャム猫 バンドライブ」（約18分）
・「おさびし山」西島リードヴォーカルにて
・「できたて貝」猿飛リードヴォーカルにて
・メンバー紹介 結成するといった翌日に、自分は抜ける発言をしたこと。猿飛さん
の芝居仲間だった・霧隠才蔵。オリジナルの等身大ミュージカルをしていたとか。
・テーマ曲「ムーミン」吉原朱美リードヴォーカルにて。お母さんが来ている話。
・インストナンバー「猿太郎（？）」
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