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 PARCO製作「ふたたびの恋」

 @渋谷 PARCO劇場(2003/7/1-27 32ステージ)
 http://www.parco-city.co.jp/play/
  @名古屋 名古屋市民会館・中ホール8/1-3 4ステージ
  @大阪 シアタードラマシティ 8/6-10 7ステージ
  全指定 前売当日とも 8000円
 
 原作(文藝春秋刊)・脚本:野沢 尚 演出:宮田慶子[青年座]
 音楽:岩代太郎 美術:松井るみ 照明:中川隆一 音響:高橋 巌
 衣裳:前田文子 ヘアメイク:河村陽子 演出助手:豊田めぐみ
 舞台監督:三上 司
 出演:
 役所広司 :室生晃一(むろおこういち 43歳 脚本家)
 永作博美 :大木(逢木)新子(おおきしんこ 30歳 昇り調子のライター)
 國村 隼 :澤田雪夫(さわだゆきお 45歳 沖縄に流れ着いたバーテンダー)
 
 川平慈英(声):ラジオDJ
 
 2003/7/12(土)曇 1:04-4:10PM(89/休16/78) 後方より 客席満員(460人)
 客層:女性7,8割。カップル、友達、親子など二人連れ中心。
 客入れ:当日券あり、サイドや最後尾の補助椅子はいつもどおり。折り込みパンフ
 なし。物販。パンフ(B5版 71ページ 1500円) 分厚くて、ムック本みたい。
 出演者へのロングインタビュー、作×演出対談ほか収録。ポストカード(4枚 コース
 ターのおまけ2枚 700円) ポスター(大小 500円) Tシャツ(S/M 2000円)
 本日は4PMより地階書店にて野沢 尚サイン会あり。整理券付き原作本買う人、結構。
 開演前注意とカーテンコールに、お茶目な演出入り。
 
 野沢尚・脚本作品。
 舞台。海辺に面した半透過ドーム、その中に設えた小洒落れたバー。どんとコの字の
 バーカウンター。渋い色合い、ラッカーの光沢。沖縄が舞台らしく、小シーサー像が
 左右。黒いスツールが三方。背景に沢山の酒瓶がある棚。上方に両桟橋。主人公の
 男女それぞれのホテル部屋のベランダ設定。壁はチャコールグレー、後方は半円形の
 モザイクガラスが一面壁。上手にフロントへのドア、隣の鑑付きドアからは浜辺へ
 出られる設定。舞台前面の左右に、ほとんど黒色、たっぷりとした背もたれのソファ
 と丸テーブルセット。

 お話。2月の沖縄、スペイン?風のリゾートホテル。閑古鳥のそこで訳ありの男女が
 再会。男は純文学指向の中堅脚本家。女は男のかつての教え子、いまやTVで売れっ
 子シナリオライター。そして2人はかつて不倫な恋人通し。ばつが悪い2人だけど
 意を決した女は男に助力を請う。芸術祭参加ドラマの構想が浮かばない、注文は
 「恋におちて」な大人のラブストーリー、期限は滞在中の3日。始まる共同作業は
 プライドやらなんやら、未練の恋心を引きずったりなんやら。おまけに、共同作業の
 裏になにやらありそうで…。

 ムーディな役者○、もどかしい物語△、ツボな演出○。できる役者が持ち味を活かし
 ての三つどもえ。聡明だけどドジで意固地、二枚目半の男の愛嬌を滲ませて、いい
 感じの役所広司。自然体の内に切ない真情、健気な演技にもらい泣きの永作博美。
 ムーディないい声と、当意即妙さで名脇役な國村 隼。役者が巧いと、長時間もそれ
 だけで平気ねこ。

 物語と不発の仕掛けには困っち。創りだすドラマの恋と現実の恋がオーバーラップ。
 蘇る恋のあーだこーだ、な仕掛けなんだろうけど。ドラマが受け狙いのメチャもの。
 現実はぐだぐだと引っ張ってゆるゆる。ラストは唐突に、人情芝居で締めちゃうし。
 おかげで登場人物の動機とか、心の動きとか、なんかよくわかんないねこ。その辺を
 心得てか、演出はテキパキ、緩急を心得たメリハリをつけたもの。宮田慶子、プロの
 仕事でなんとかしたな印象。うーん。せめて2時間なら、また感じ違ったかもねこ。

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