＠赤羽橋 麻布die pratze(2004/6/4-6 4ステージ)
http://www.geocities.jp/azabubu/
全自由 一般前売3500円 学生前売1000円 当日券3800円
＠弘前 スタジオ・デネガ 5/28-30 4ステージ
作・演出：畑澤聖悟 舞台監督：野村眞仁 照明：中村昭一郎、濱名理良
音響：藤平美保子 舞台美術：三浦孝治、石橋彩子 装置：鈴木徳人
制作：（有）弘前劇場
協賛：アサヒビール株式会社 後援：浪岡町 協力：エステティックサロン RNルナ
助成：文化庁 平成16年度芸術団体重点支援事業
出演：
福士賢治 ：相本信義(48才 ホテルの客）
森内美由紀 ：木村せつ子（33才 ホテルのマッサージ師）
斉藤 蘭 ：野島敦子（26才 ホテルのフロント係）
工藤由佳子 ：稲葉緑（34才 ホテルの若女将）
2004/6/5(土)晴 7:05-8:35PM(1'30) 中段より 客席8割（70人)
客層：20-30才代中心に幅広く。男女半々。
客入れ：開場時不明。全椅子席、雛壇に8列。奥詰めで誘導され、最後尾3列に空席
あり。折り込みパンフ。B5 3ページ。あらすじ、配役、つぼ図解。
役者、もう一人の座付き作家、畑澤聖悟最新作。
舞台。本物の調度類を使い、リアルに作りこまれた、小規模ホテルのツインルーム。
正面中央に濃紺ドア、左手にバスルーム。部屋は明るいチーク地を基調色、間接照明
で柔らかく明かり。下手に今時ないよな小さなシングルベット２、壁にちいさなリト
グラフ。窓はまるで非常窓のように小。手前に机、チェスト、電話など。転じて、
上手。背もたれの高い椅子２と丸テーブルが壁際、脇に背が高い間接照明灯。入口
よりにクローゼット、上に換気ダクト。総じて、小奇麗に改装した場末ホテルの体。
照明がシンプルも、生理に訴えかける深みがあって◎。
お話。日も変わろうかという深夜、チェックした中年男。連れ待ちか携帯で相手の
場所を確認。多額のチップを渡した、フロント係に時間外のサービス、それも豪華な
酒とオードブルを強要。どうも尋常ではない。さらにマッサージを頼むが、営業時間
外はさておき、訳ありだからと断固断られ。ホテル側もどうも尋常ではない。
押し問答のところに当の女性マッサージ師。本人が大丈夫ということでサービス
開始。背中に手を当てただけで、男の危うさを感じ取った風のマッサージ師。なんか
あったの？と訳ありのほどを訪ねる男。いろいろともらっちゃいますからと謎めきに
女性マッサージ師。ほぐれるコリ、つかれる心のつぼ。語るうちに切羽詰った男と、
手がかりを失った女の危機、それぞれの人生が浮かび上がってきて。
魂、ちと震えたねこ。孤独と絶望で結ばれていく男女の救済劇。真摯にぶつかり合う
言葉と、言葉を超えた細やかな演技の交換◎。巷にはびこる、薄っぺらい癒しや救済
とは一線を画する、実のある表現に心打たれるねこ。仏師伝来のマッサージ〜から
まさかオカルト設定？と思いきや、奇策に走らず。じっくりと真正面から描いたのも
成功。これが映画なら万人に見てもらえるのに、舞台は数百人だけ…、と秀逸な芝居
なのになあと、唯一残念におもうねこ。
役者。中年男役・福士。名優名演技。荒くれに哀しみを、嘆きに優しさを秘めて
素敵。マッサージ師役・森内さん。傷ついた心でなお人を救いたいと願う尊さを感じ
させ、泣きが入るねこ。
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