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 ベターポーヅ「ちぎれるほど愛して」

 @新宿 TEATER/TOPS(2004/6/15-20 8ステージ)
 http://theatertops.at.infoseek.co.jp/
 全指定 前売3000円 当日3300円

 作・演出:西島明
 美術監督・宣伝美術:東大路道恵 舞台監督:上林英昭
 照明:大塚之英[ストーリー・レーン] 音響:齋藤貴博[ステージオフィス]
 衣装:キタサコ製作所 衣装デザイン:北迫秀明
 映像:ムーチョ村松[トーキョースタイル]、吉田りえ[トーキョースタイル]
 美術・小道具助手:市川菜穂、井上真理、辻本直樹、藤原孝子
 演出助手:花房ちはる 制作:亀川朝子
 出演:
 猿飛佐助 :自分を「オイラ」と呼ぶナイスガイ、実は宇宙からの物体S
 吉原朱美 :教会下着パブ@歌舞伎町で、客の佐助と出会いに岡惚れ

 山崎和如 :朱美の兄。かなりシスコン、佐助をわかりやすく憎悪。
 渡辺道子 :朱美の元パブ同僚、現ホームレス。山崎に岡惚れ。
 阿部光代 :同上。時々高笑。
 加藤直美 :同上。もう一つの顔は事件記者チャボ。
 松浦和香子:同上。なんかわかっていない。
 大日向美名子:同上。

 西島明 :宇宙からの物体K、通称かちゃこちゃん。佐助を連れ戻しにきた。

 2004/6/19(土)晴・夏日 7:08-8:28PM(1'20) 前方より 客席ほぼ満員(120人)
 客層:20-30才代中心、男女半々。同性3人連れが比較的多い?。
 客入れ:通常の雛壇+パイプ椅子席。常ならないドキドキイベントの全プレあり。
 寝て待つねこも常ならず、寝てらんない状態に。今回は後方座席の参加趣向あり。
 通路際になっちゃうのは致し方なし。全プレ用具@アクティブはきれいにしてもって
 るといいことあるかも(今回は希望者なし。って、なんのこっちゃですね)
 折り込みパンフ。ベタポカード B5 4ページ。出演者の「気になるアイツ」掲載。
 顔写真が荒い画素に関わらず明確、素がシャープなためか。次回公演。来年2/2-7。
 物販不明。
 
 舞台。床と正面壁は段ボール。客席側が堰のように詰まれ、壁は滑り台のようにスロ
 ープ。ハの字に開いた両壁はブルー、上下に開口あり。ほか、天井にでかい拡声器とか。
 
 お話。歌舞伎町の女ホームレス達、回想。下着教会パブで、シスターなコンパニオン
 として働いていた彼女達。人気の客は男の色気を匂わす左助。とんちんかんな物言い
 もまた素敵。3日も食べておらず、店裏で残飯焼きそばを食べても、傷にならず。
 新人な妹・朱美が心配で、客としてやってきたサラリーマン山崎。どうも左助が気に
 入らず、店の連中も理解できず、いらいら。そんな折り、朱美は左助に一目惚れ。
 「運がよければ胸きゅんさ」と言い捨てて帰ってしまう、よくわからない左助にめろ
 めろ。

 パブはつぶれ、朱美は昼はホームレス、夜は水饅頭工場の女工に。妹を左助と会わせ
 まいと、知力のかぎりを尽くす兄山崎。やはり今はホームレスの女達はあきれ顔。
 朱美が左助とつきあいだしてから、激やせしたのも気にはなるが。
 
 左助は相変わらずに人気者、いまや神ととも呼ばれるほど。渡辺は彼の指示で、鼻用
 ドモホル○リンクルをホームレス達に無料流布。魚型の醤油入れ@弁当にいれたので
 、多少醤油臭いが。鼻に塗り一夜あけると脱皮して大騒ぎ。ところがこれは鼻穴チュ
 ーニングでFMも聞ける鼻ラジオの大発明。持たざるものホームレスへ福音をもたら
 す左助。糸電話でお客の声を聞きながら、彼の催春館製薬はぶっちぎりで業績を上げ
 ていく。山崎はたとえ歌舞伎町を焦土と化しても左助を潰すと、目の下にくまをつく
 って偏執。彼に岡惚れした渡辺も荷担、大地震を引き起こしたりする。
 
 ホームレス達は垢を落とした銭湯のお湯で煎れたコーヒーの旨さにびっくり。喫茶
 ホームレスを開業。左助はそのコーヒーの味になにか引っかかるものを感じる。そん
 な折り、歌舞伎町に偽造コーヒー券が出回る。それは左助と同じ宇宙人・宇宙からの
 物体Kが、コーヒー調査にきたまま行方不明となった左助を誘い出すためのもの。
 すべてを思い出した左助。自分が恋人朱美のエネルギーを知らずに吸収、それがため
 彼女がやせ衰えているということも。嘘別れを朱美につげる左助。地球人になれば
 万事解決と、物体Kは自分の恋人の再生がため、左助の不老不死の肉体を体よく
 ゲット。超能力はなくなったけど、朱美を衰えさせることもなくなり、喜ぶ左助。
 朱美は無事リバウンドし、別れ話もちゃら、よかったね。ただ、兄山崎は面白くない
 のだけれども。
 
 直球恋愛ものを、これでもかとへんてこに彩り。照れ隠し程度に収まらず、我慢たま
 んねえな変態ラブリーちっく全面。すっとこどっこいなキャラと設定は相変わらず。
 その思いこみと勘違いの飛躍ぶりが素敵。ダンスの妙な統一感は破天荒な中、いい
 口直し時間となり。客刺激度は大人しめとはいえ、青いバナナ、落下する水饅頭、
 恥ずかしい日記朗読ら、生理的エロっぽさ忘れず。席の風船を自らスティックで割ら
 ないと座れない趣向に始まり、劇中のチョコプレ、糸電話ら、客参加サービス欠か
 さず。いい感じのどきどき感もまた素敵なり。
 
 役者。新人(でもないか)吉原さん、恥ずかしくも嬉しい様を堂々と演技。逝ききれ
 ない初々しさも残して、愛らしい。かわり、ベテランがすっかりコロス。うーん、
 ものたんないねこ。左助さん。唯我独尊にセクシー。山崎さん。つっこみ役の一徹さ
 ○。西島さん。夢に見そうなひきょうキャラ。本人が一番楽しそうでなにより。
 

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