＠新宿文化センター 大ホール(2004/7/15-19 5ステージ)
http://www.shinjukubunka.or.jp/
全指定 Ｓ席13000円 Ａ席11000円 Ｂ席9000円 Ｃ席7000円 Ｄ席5000円
Ｅ席3000円 新作「天地」とのセット券Ｓ席26000円
芸術監督・振付：ピナ・バウシュ 美術：ペーター・パプスト
衣装：マリオン・スィートー
制作：財団法人日本文化財団
出演：ヴッパタール舞踊団
2004/7/18(日)猛暑 2:07-5:03PM(64/休22/82) 1F最前列より 客席満員（1600人)
客層：20ー30才代男女最多に幅広く。アート系やお金持ち？が結構。
客入れ：当日券不明。1-4列撤去、5列目が最前。冷房はやや強め。物販はさいたま
公演に同じ。4:55PM終演、カーテンコール5回8分(最初の2回は演出入り)。
バウシュがバリバリ、ノリノリだった80年、タンゴをテーマとした作品。
舞台。大きく造られたカフェ。コの字にくぼんだ木製の壁には、ボクサーの思い出
な、でかいボクサーの写真たくさん。床には○テーブルと椅子が点在。
構成。踊らない、男女が絡み合う「タンゴ」。不条理劇またはコントみたいなやり
とり。バレエら既存ダンスへの揶揄。それらに通底する愛と痛み。
タンゴじゃないけどタンゴ。奇抜な発想、理屈を超えた根源的訴えかけ。８０年代
らしい？、濃厚な表現にうむむねこ。ダンス抜きの「タンゴ」は３パターン。
男性が女性を逆向きに肩車する。床に着いて向かい合い揺れる。女性の股に男性が
手をいれて、真上に持ち上げる。あえてダンスな灰汁を抜いて、タンゴの心（エロ
ティックな衝動、愛と痛み）を濾過してみせる試みかしらん。おまけとして、無様
な踊れない男性バレリーナや、ひどいレッスン体験ら、既存ダンスをこれと対照、
揶揄。そこまでやるか、なこれも８０年代な、エネルギッシュな表現意欲の表れ？。
不条理な場面がいくつか、変奏しながら繰り返し。喝さいされる対照が、ダンサー
の女性からいつのまにか、男性のサッカーねたにすり替わり、唐突に戻るとか。
よくわからないけど、ナンセンスの純粋な面白さあり。うふふねこ。また、肩ぬぎ
をした男女が触れ合うシーン（これもタンゴか）も不可解なれど、魂の交感な震え
を感じさせて、理屈を軽く超えた感動あり。これら、バウシュの非凡さにあらため
て、うむむねこ。
ダンサー達の動きはさりげでいながら、美しくかっこいい。それぞれ、てんでに
しながら、絶妙に同調してる群像シーンも素敵。こんな長編でなくても、いいん
じゃない？なてんこ盛りはちと△だけど、概ね美味しく頂いたねこ。
構成 覚え書き（もう記憶おぼろの夏バテねこ）
・マリアと聞いて何を連想しますか？、と男達に聞いてまわるお兄さん。ダンディな
彼らはさりげにかっちょい。女達登場。また、男：Ｄ・メルシーがチュチュを着て
、ぶざまな格好で唄い。タンゴ♪。それぞれの痛みの記憶。顔を平手打ちしあう
男女。隅で泣き叫ぶ女。
・生まれてきてどうだったかと、外から入ってきて一言。椅子に座っての仕草、
一騒ぎ。女：マリア、男が好きとかモノローグ。皿にのった果物をおく、女：Ｈ・
ピコン。
・嘆く女を取り囲んで見下ろす人々。腕の甲をとって。女を抱き、なでる男。女達、
顔をたたく。
・男女、肩をはだけて触れ合う。抱擁。女性を後ろ向きに肩車する男。女性の股間に
手をいれ、そのまま真上にあげる〜床にくずれて向き合う。タンゴ、にあわせて体
を揺らす。立ち上がる、男女揺れる。一人の女性は床に横になっている。
・薄暗がり。抱擁は続く。並んで列、チークダンス。その傍らでスタッフが前面の
バック類、テーブルと椅子、壁の写真ら装置を撤去していく。中央の床シートを
がーと全面はがし。女は離れていく、男も去っていく。男、寝ている女性の様子を
見に来る。男達がやってきて、うなだれる。小柄の女性が椅子、床にくずれて男と
抱き合う。客席から現れた女と舞台の別の女性が、言い争いをする。
・小柄な女性は子ネズミを手にやってくる。お客に背中をなでさせる。男女、はがき
を読んで爆笑する。唐突に怒り出す女、ヒステリー状態。バレエの先生に怒られ
ながらレッスンした回想。女性、詠唱。泣く女の髪を解く。スマイルと命じながら
、顔を水を入れたバケツにつっこんだ。笑いながら踊ることを教えられた回想。
靴を投げる。女のモノローグ、男に髪をかかせながらも、それを拒絶。あぐらで
座る相手の両足に靴履きで立つ。隅で泣き続ける女。
・はしゃいだ女：Ｈ・ピコン。ブラボーと喝采をあびる。今度は男達がひとりづつ
喝さいを浴び、続いて女達がひとりづつと、男女入れ替わりながら、喝さいゲーム
を繰り返す。そのスピードは加速していく。ピコン、前の皿にあった果物を食らう
、これまた無意味に喝さいを浴びる。
・モノローグする女：マリア。伏し目がちにもじもじ。麗しき五月（ゲーテだっけ
？）の詩を朗読する。
・女性の股間に手を入れてもちあげる男〜床抱擁。壁際に立つ男女。キスをして
チークダンスを踊る一組。心臓はポンプ、なくてはならないものと男のモノローグ。
・はしゃいだ女：Ｈ・ピコン。ブラボーと喝采をあびる。サッカーの試合で小競り
合いになった時の技（スライディング？）を解説しながら、それをやらせる。
都度喝さい。いつのまにか、なにもしていないピコンがまた喝さいを浴びる。
また、種々の転ぶ仕草。隅では女が泣き続けている。男女笑う。
・白衣の教護員登場。女、片足を椅子にあげたりしながら、男にパウダーを塗ら
せる。女前に出て、男：Ｄ・メルシーとチークダンス。アルゼンチンタンゴ♪。
腰を落として、全員でチークダンス。
・女、テーブル、バラの花をナイフとフォークで食べる。男女、女の原に手を当てる
男。小さい女、ガラスケースに小さなねずみをいれてもってくる。ねずみに彼処が
海など、話かける。オペラアリア曲♪。
・女を抱え上げては落とす男。女：マリア、プラハのコックの話。足からタイツを
脱ぐ女。男：コックから逃げているダンサーの話、彼がソース造りの名人であった
ことに気づいて汗をかく。湖、月光の下でワラと感嘆符。女：マリア、詩の朗読。
・女性の股間に手を入れてもちあげる男。壁際へみな移動。薄暗がりにたたずむ。
男一人が中央に出て、仰向けでブリッジ。音楽、アルゼンチンタンゴ。しだいに
揺れ始め、やがて崩れる。小さな女を残し、退場。イタリアの子ども時代、飼って
いた雄鳥が隣の庭に入るという理由で殺され、夕食にただせたときの回想。私は
全部食べたかった。男捕まえて、同じ話を繰り返し聞かせる。
・女イライラ、アイス食べたい。ピアノ曲。男女テーブルにつき、女は何がしたい
のか、疲れたなどどモノローグ。女、辛くて寒い、寒いと誰かが捕まえてくれる。
もうだめとモノローグ。
・アルゼンチンタンゴ♪。スキップ男、みなスキップする。男、手をヒモで結び
合う。そのままセーターを着る。煙草を服の下から出すマジック。
・民族舞踊団でダンサーを笑うものだと教えられ、稽古した回想。顔が笑顔のまま
つってしまう。全員笑って、一列に並ぶ。一組が踊り出して、総員。背景では、
男：Ｄ・メルシーがチュチュを着て、バレエを探るように踊る。一人づつ、笑い顔
を客席に向けて去る。男：Ｄ・メルシーが一人残る。転がりながら踊る。
カーテンコール、晴れやかに並ぶ一団の後ろで、よろよろ（３回目から合流）
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