＠新宿 THEATER /TOPS（2005/4/20-27 11ステージ)
http://theatertops.at.infoseek.co.jp/
全指定 前売3000円 当日3200円
脚本・演出：三浦大輔
照明：伊藤孝[ART CORE design] 音響：中村嘉宏[atSound] 舞台監督：矢島健
舞台美術：田中敏恵 映像・宣伝美術：冨田中理[Selfimage Produkts]
小道具：大橋路代 衣装：金子千尋 衣装：金子千春
演出助手：富田恭史 写真撮影：曳野若菜 ビデオ撮影：溝口真希子
制作：木下京子 広報：石井裕太 企画・製作 ポツドール
出演：
米村亮太朗 ：男１(スエットスーツの自称学生）
富田恭史[iorro]：男２（スーツの自称サラリーマン）
仁志園泰博 ：男３（カジュアルスタイル 職業不明）
古澤裕介[ゴキブリコンビナート]：男４（作業服の自称金型工員）
小林康浩 ：男５（マッチョ 金髪 カップル男）
安藤玉恵 ：女１（常連らしい 職業不明）
岩本えり ：女２（自称保母）
小倉ちひろ：女３（自称大学生）
遠藤留奈 ：女４（自称ＯＬ）
佐山和泉[東京デスロック] ：女５（スレンダー 小さな入れ墨 カップル女）
青木宏幸 ：店員１
鷲尾英彰 ：店員２（店長？）
2005/4/24(日)晴 7:39-9:54PM(2'15) 前方より 客席超満員(160人)
客層：野郎ばっかり。20-30才代中心。女性は10数名？、お友達とカップル連れ。
客入れ：通常のひな壇にパイプ椅子客席。前後が狭く、若い番号は入りにくくなる
ので早め入場が良。場内誘導随時、当日通路席客５，６人あり。
折り込みパンフ。A4 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。次回公演。来年春
タイトル未定。 カーテンコールいつもどおりなし、拍手はまばら。
青年団な現代口語会話劇をアナーキーに仕掛ける、ポツドール最新作。テーマ「リ
アルな性欲」が謳い文句のせいか、客席は男子ばかりでむさい雰囲気。でも女子の
美人率が高いのには、ふーんねこ。いずれも実はのぞき見(趣向）好き？。
舞台。リアルに作り込まれた、ロフトがあるマンション・ダイニング。正面上、横
に大き開いた中二階、下手壁際に階段。階下、奥にキッチンスペース、上手にトイレ
、奥に出入り口ドア。しきりのカウンターにラジカセやコミックス。
上手、豹柄カーテンの窓際、Ｌ型に黒いソファとガラステーブル。脇にマガジン
ラック。転じて下手。大型ＴＶ、ラッセンのイルカ画、ドアから浴室につながる
設定。観葉植物、ロフトやら壁に流行画家のアクリル画、豹柄あちこちが都会派を
安く装った風俗店らしい。
システム設定。フリースタイルの乱交パーティ。料金 たぶん金か土の週末11PM-
5AMのオールナイト 初回料金なし 男性2万円 女性千円 カップル3万？(聞き
間違い？、高くない？） 資格 男性にも20代の制限あり（身分証確認は劇中
なし） 人数 今回は男女4人 2時間後にカップル1組が参加
店長からの注意事項 合コンでしたいと思ってもできない、この店は途中のプロ
セスを省いて楽しんでもらう。階段を上った２階でＨ。Ｈ前と終わった後、トイレ
にいった後は都度シャワー（イソジンや石鹸の要求なし。なお、タオルはピンクの
手提げにいれ店から各自へ配布） コンドームは普通と大型を用意、抜けないよう
普通サイズから付けること。射精の後は女性の中に残さないよう、手を添えて抜く
こと。清潔にして女性をやさしく尊重すること。 など。お酒を出さないことも
あってか（持ち込みもみられず）禁止事項ゆるめ、おおらかな店印象。
お話、展開。10:50PM ユーロビート曲大音量。後に常連と知られる女性が店員と
ため口中、ソファにおかっぱ女性がじっとおとなしく座り。三々五々と男女が
入室。男性は床、女性はソファに座り、言葉を交わすでなく、時折目線を向けて
品定めの体でしばし。もそもそ、もじもじした様に客席からくすくす笑い。
ここでカットバック、10:10PM おかっぱの子が店長と面接中。乱交パーティを
理解しているか、不安を覚えさせる女性の態度や質問。自分はすけべという彼女に
、証明してみせてと店長。無線式ピンクロータのリモコンをみせ、今入れていると
おかっぱ女性。店長、スイッチＯＮ。いやがる彼女の局部を確認、電話対応の間み
もだえる女性を放置後、ＯＫ。もう声だしはいいから。
AM0:00男女はシャワーを終え、バスタオルを巻いて、店長の電話が終わるまで待ち
気まずい時間。店長からの諸注意、では朝まで楽しんでください。ぼそぼそと同姓
通しで話はじめ。お笑いで誰が好き。音楽はなにを聞く。しなくてもいい世間話。
常連はチョコを店員に買いにいかせ。お仕事なんですかとかで口火を開き、気恥ず
かしく、時々気まずくなったりで会話。ほとんどの人が初めてなんでどうしたもの
やら。2回目の子から、前きたときは男性通しで話し合いをしてましたよ、それも
どうもなあ。何となく、気に入った子に打診、カップルができて、2階でＨ開始。
おかっぱの女性の嬌声の大きさには、呆れ笑い。残った、常連のすれ枯らした女性
と、ぼっさりした自称工員男性もやっとこ。
AM1:30一戦終わって、休憩？。けだるそうに座る一同。次いいですか、あそこ大き
いですよね とかそろそろと次のアプローチ開始。AM2:30 なんかなじみ過ぎ？な
ほど仲良しに盛り上がり。ソファでいちゃいちゃ。自称保母という気安い女性を、
男性二人に店員も加わり、遊びの体で攻めたり。モデル顔の子が中座すると、局部
が臭いたまらないと男性達揶揄。嫉妬かやっかみか、女性も悪口荷担。気安い会話
のうちにも、赤裸々な感情あれこれ。
と、突然自称大学生が店員につかみかかり、喧嘩トラブル発生。女性のレベルに
不満爆発、金を返せと迫り。本音トーク。人気がない常連の女性、ぼっさりした
自称行員はずっと二人でやっててくれ。女性はみなかわいいのに男性も面接すべき
とお前は何様な発言、おかっぱの子の嫌悪感言、局部が臭いモデル顔女性はごめん
だな問題あったりで、場はすっかり白けてしまう。
AM3:30白けたまま、すっかり倦怠。カップルがやってくる。スワッピングは全然
平気と二人。最初に女性、いきなり嬌声。女性曰く、村上龍の小説のようなきれい
なスワッピングにあこがれてとか。はあ！？な一同。次にモデル顔女性を誘って
男性、はことに及ばずすぐかえってくる。平気顔は隠れ蓑、女性が自分を止めず、
また他の男性に抱かれたことに怒り心頭。言い争い、でも仲直りの痴話喧嘩。
さっさと引き上げるカップルに、呆れる一同。
AM4:45人気がない二人は最後の決戦中。童貞を今回捨てたもっさりした自称行員の
ハッスルプレイに一同拍手。奇妙な仲間意識、またあわないかとか。みんなしたい
と思っているのにわからない。マークが顔についていればいいのにね、と馬鹿話。
おかっぱ女性はし残した相手・大学生に未練（相手はつれなし）。モデル顔女性は
楽しかったと泣きはじめ。店長から終了。カーテンを開けると朝日さんさん。
真白になるのは部屋だけでなく、それぞれの胸の内も。ストーカー対策のため、
女性が帰った後、またされる男性達。おかっぱの子の携帯電話探しに鳴らした履歴
消してと店員願い。職業不明男性は逆らい顔、それをストーカー同然呼ばわりされて
、キレながら帰り。だれも携帯の番号を教えあったりしてませんよね、と他の男性
に念押し。最後にもっさり自称行員。店長は常連女性と一緒に帰り支度、ずっと
Hしてたもっさり客になんかすいませんと感謝。借金のため働いていると内情を
うそぶきに教えられたり。店員、ゴミ箱の置き忘れのせいで、床に散乱したコン
ドームを片づけ。ずっと我慢汁を貯めてたせいか、ニュースの女子アナの顔に発情
、オナニーをはじめ（暗転）
身も蓋もない状況に滲む真情、性愛の甘さ、孤独の痛み。笑い楽しみつつ、なんか
しみじみねこ。演劇のモチーフにはしても、まんまに取り上げたことはない風俗
設定。フリースタイルのセックス場で、ケダモノに快楽を求めるか、なけなしの
友愛の夢まで望むか。と意気込んでも、不器用な人達ばかりでぱっとせず。しなく
てもいい世間話で紛らわし、オットリ刀のアプローチは空回りとすれ違い、恥ずか
し顔も大胆Ｈと呆れる落差。等身大の艶笑シチュエーションドラマとして楽しめた
ねこ。やがて、噴出する不満、やっかみ、いじめら暗所も明け透けすぎて、むしろ
爽やか。無様さ、いじましさに微笑みつ、他人事ともいえんと共感あれこれねこ。
そんな気持ちにさせるのも、子細に登場人物と寄り添った作劇、役者芝居ゆえ。
写実としてどうこうはさておき、そんな人がそんな風にしているなと思いこま
され。場と人のプレゼンスのよさはいつもながら見事と思うねこ。台詞が聞き取れ
ないよと文句の向きもあろうけど、それも納得づくと得心させられ。
あれやこれやの中、性愛の甘さと潜む孤独の苦みが浮かび。しみじみ地味に感じ
入るねこ。ヒドイことしたり、されたり、まるで罰ゲームな仕打ちもあり。それでも
、Ｈら男女共同作業には孤独を埋め、未来を望ませるものがあり。臭いとバッシン
グされた女性が楽しかったと泣くラストシーン。描かれない彼女の孤独とその夜の
救いがいかばかりかと思うにつけ、堪らない気持ちになるねこ。同ラストシーンの
朝日、祭りの後の虚脱感がまたたまらず。やがて哀しき、切なさと暖かみの演出？
三浦氏の作術にはまって、ちと悔しかったりもして。
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