＠新宿 THEATER/TOPS(2006/3/2-12 16ステージ）
http://theatertops.at.infoseek.co.jp/
全指定 3300円 当日3500円
脚本・演出:三浦大輔
照明:伊藤孝[ART CORE design] 音響:中村嘉宏[atSound] 舞台監督:清沢伸也
舞台美術:田中敏恵 映像・宣伝美術:冨田中理[Selfimege Produkts]
小道具:大橋路代[パワープラトン] 衣装:金子千尋
演出助手:富田恭史[jorro]、尾倉ケント 制作:木下京子 運営:山田恵理子[Y.e.P]
広報:石井裕太 協力:[有]マッシュ 企画・製作:ポツドール
出演:
米村亮太朗：オウジ
名執健太郎[smartball]：ナンミン
仁志園泰博：エラオ
古澤裕介 ：ゲーリー
鷲尾英彰 ：チンゲ
安藤玉恵 ：ウシ
佐山和泉[東京デスロック]：スーパージャイコ
小倉ちひろ：ヒメ
2006/3/11(土)晴 7:43-9:07PM(1'24) 最前方より 客席超満員(160人)
客層：20-30歳代中心、男性過半数。以前より幅が広くなった印象。
客入れ：当日券は開場時には売切。座布団席10人弱。全椅子席、雛壇に14列。
折り込みチラシ、それなり。折り込みパンフ A5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ
次回講演。7/5-10特別企画「女のみち」脚本演出：溝口真希子 主演：安藤玉恵
12月上旬 本公演。 カーテンコールなし。
刺激的な舞台を仕掛ける三浦大輔・最新作。
舞台。１Ｋアパートの一室。冒頭は外からアルミサッシ窓越しに覗く格好、どういう
カラクリか、暗転後、壁毎窓が撤去され。上手に小窓とシンク、冷蔵庫、奥に入口。
正面、ユニットバス。下手奥に押し入れ、壁際に鏡台、小さなエレピ、大きめＴＶ、
姿見。床一面、万年床、雑誌やら散乱。壁は男性アイドル、バンド、映画の切り抜き
やフェミニンな飾りで覆われ。天井にはジャマイカや日本の国旗、天窓の縁に花。
窓外の明かりは時間帯にあわせて変化。全体、元女の子部屋をゴミダメのように
使ってるな印象。
お話。共同生活をし、性行為を交わしながらも、他人に無関心な男女達。夢も希望も
なさげな、人は所詮こんなものな、光景が展開。
AM2:00 渋谷のセンター街で近寄りがたいよな、キャバイ女子とそのお友達男子が
数人。ビデオゲームする人、漫画読む人、ぼっさりする人。時々身近とセックスや
暴力を交わすけど、決して言葉は交わさない。概ね他人のやることに無関心。
AM9:30ぽちぽちと起きだし、長々と髪にドライヤーする女子。ぼっさりと出かける
男子。概ねニュース番組は欠かさず観ているようだ。
PM3:00ウシと呼ばれる女とゲーマーの男子が残っている。ぽちぽちと帰ってくる。
ゲームかＴＶ番組かでチャンネル争い、ほどなく喧嘩。隣のセックスをみて
興奮したか、男子通しでキスや愛撫を始める。
PM6:00薄暗いのに電灯つけず。TVで24Hをみてる。なぜかグローブをつけている男。
女子1名がネギを切り出し、土鍋で味噌汁をつくる。グローブを鍋掴みにして床に置き、
後にうどんが追加され。椀に取り、各人勝手に食べる。女子がエレピでクラシカルな曲
を弾き、椀から啜る音と協奏となる。
AM3:00ブラウン管の明かりのみ。ぽちぽちと外出から帰ってくる。セックスを
始める、男通しでキス。チラシのヘアスタイルをやってみる。ウシと呼ばれる女が
寝床で泣き出す。男子の1人が電灯をつけ。スピードスケートのまね。同調して狭い
部屋を回るものあり。
超リアルなのに不可解という、刺激的な面白さ。最低なありさまにユーモアと
ペーソスが滲む、ブラックコメディともとれ。箸にも棒にもかからない男女の自堕落
な一日を造り込む。ゴミだめ舞台美術、時間経過がわかる僅かな明かり、個性を映す
衣裳や小道具、そして黙々と愚行に励む・滅私奉公な役者達。まったく労作至極。
リアルな造り込みと裏腹の説明なしの行動に、想像をたくましくするねこ。誰かの
部屋を占拠した？かにみえ、ニュースに関心をよせる彼らは何者か、外出先でなにを
しているのか。泣く女、エレピでクラシックを弾く女 らの事情と過去はなにか。とか。
演技の様式もまた。徹底した言葉の排除（あえぎ声と泣き声はあり）と無関心ぶり。
演技の緻密な造り込みとは逆の除外するというやり方の2本立て。うーん、わからない
けど、大きな可能性、というと安いか、を感じるねこ。
どうしようもないことは、可笑しくも哀しい。ダメ人間のありさまに、素直にそこら
感じるねこ。遊び？変調ノイズ？か、スケート行為ら小ねたを仕込む茶目っ気さには
微笑みねこ。
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