＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2006/3/16-19 6ステージ)
http://www.komaba-agora.com/
全指定 前売2800円 当日3000円 中高生1500円
＠大阪 精華小劇場 2/17-19 4ステージ
作・演出：鈴江俊郎
舞台監督：小出薫 舞台美術：柴田隆弘 音響：狩場直史[KTカムパニー]
照明：堂前有希子 写真提供：長沼久美子、鈴江俊郎 宣伝美術：水上宏樹
制作：劇団八時半 協力：クセノス 京都芸術センター制作支援事業
18ｍアフタートーク ゲスト：岡安伸治[世仁下乃一座]
出演：
鈴江俊郎 ：坂ノ下譲
葛西健一[クセノス]：遠井典計
長沼久美子：兼杉のりこ
2006/3/19(日)晴 1:07-2:37PM(1'28) 中段中央より 客席ほぼ満員(65人)
客層：20-30歳代最多に幅広く、コアな演劇ファンとお友達？。男女半々。
客入れ：珍しく全指定席。最前列と最後尾に椅子1列づつ、間3列は雛壇にベンチ。
荷物預かり積極的にあり(ベンチシートだし） 舞台が高めなので後ろ側でみた方
がいいかも。 折り込みチラシそれなり。折り込みパンフ B5 1枚。次回公演。
来年2-3月 「ひとめぼれ伯爵、北上川で泣く(仮）」＠倉敷、大阪、東京。
物販。機関誌ほか。カーテンコール1回2分。
「私たちは圧倒的に間違っている」をテーマとした、大阪・精華演劇祭参加作品。
舞台。斜におかれた板張りの部屋。簡素なテーブルと椅子、隅に電話を置いた本箱。
玄関が上手、母屋が下手と後方階段を上がった上階にある設定。階段手前の壁は
半円に穿たれ、上端に鳥かごあり。真正面にタイル状の半透明窓が大きく。ここの
外と客席側まで建設途中の空港道路が迫っている設定。
お話。空港行きの道路を阻むように立っている家。主と仲間の3人は空港建設活動に
反対する最後の者。仕事を辞め、水商売をしながらの背水の陣。不合理な空港建設
への反対、先住の権利の主張と正しく、志は大きい。しかし、個々人は保証のない
生活、将来の不安、そもそも勝ち目のない闘いに小心。苛立ちをぶつけ合い、時に
慰め合うが、ついには活動は破綻してしまう。
集団の崩壊に世の危機感。果断な顛末が絶望からの決意を感じさせ。下流という言葉
が実感を伴う昨今。敵わぬ荒々しい時流の中、木っ端のように翻弄される私たち。
のような登場人物達。大義を抱いても、思うに任せぬ動揺を、研ぎ澄まされた台詞と
繊細な役者芝居で描き。複雑な心理をガチンコにぶつけ合い、時に滑稽さを醸すアン
サンブルは真剣勝負。それが緊密であるほどに、崩壊と消滅に至る過程は胸に迫る
ものあり。どうしようもなく強大なものへの恐れと諦め、それを知ることから始まる
希望。哀しいラストを、そこら思いつつ観るねこ。
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