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 文学座アトリエの会「エスペラント〜教師たちの修学旅行の夜〜」

 @信濃町 文学座アトリエ(2006/3/25-4/9 18ステージ)
 全指定 前売4000円 当日4300円 ユース(25歳以下)2500円

 作:青木豪[グリング] 演出:坂口芳貞
 美術:神田 真 照明:古川幸夫 音響効果:望月 勲 衣裳:中村洋一
 舞台監督:寺田 修 票券:最首志麻子 方言指導:藤本喜久子
 協力:浅虫温泉 椿館 協力:(財)日本エスペラント学会 制作:伊藤正道
 出演:
 田村勝彦 :笹木 健(高校教師。世話好き。来年定年。)
 高橋克明 :星 一雄(高校教師。笹木の教え子でもある)
 佐古真弓 :寺村貴子(高校教師 狩場の担当)
 椎原克知 :松下英春(高校教師。寺村に気がある)
 吉野正弘 :光武政昭(高校教師 井村の担当)

 上田桃子 :狩場七重(高校生 他の生徒となじめない)
 松尾勝久 :井村則茂(高校生)
 頼経明子 :郡司彩花(高校生)
 
 飯沼 慧 :野口善吉(温泉宿に泊まっている老人)
 寺田路恵 :宗方リサ(宿の女将)
 太田志津香:宗方明世(宿の若女将)
 横山祥二 :黒川陽二(搭乗員)

 2006/4/1(土)晴 7:05-8:41PM(1'35) 後方中央から 客席満員(170人)
 客層:中高年中心に幅広く、女性7割。青木氏の顔もみえ。
 客入れ:当日券不明、補助番号席あり。幅の広い雛壇にパイプ椅子7段。千鳥配置
 全席に膝掛け用意。場内誘導3人常駐、積極的でごく丁寧。大人の劇団らしい対応。
 折り込みチラシそれなり。折り込みパンフなし。物販。パンフ代わりの文学座通信
 50円。ほか作家関連戯曲など。 カーテンコール1回1分。
 
 台本巧者・グリング青木豪の書き下ろし新作。
 舞台。ひなびた温泉旅館の地味ロビー。壁に観光ポスター点々。上手に受付みたいな
 カウンター、温泉でいれたコーヒーとかあり。正面に緋毛氈をかけた縁台と野点傘。
 中央にねぶた張りぼて。並びで男女トイレ。下手の角にソファ、脇に人形、上階への
 階段。上手袖から大浴場と宴会場や非常口。下手から客室へ繋がる設定。
 
 お話。東北周遊の修学旅行最終夜。脱走を企てる生徒捜し騒動。秘めた恋愛関係の
 先生のすったもんだら小さな事件勃発。定年を控えたベテラン先生は世話好きの
 性から、たびたび口をはさみ、ちょっと鬱陶しがられている。彼の教え子でもある
 先生は、恋人との煮え切らない関係の端緒・女性不信の元に思い巡らすことと
 なって…。

 なんでもなさげも、なんだかありげな群像劇。ありふれた話も、登場人物それぞれの
 人生がほの見えて味わい深し。思わず知らず、あれこれと心が動かされるねこ。
 勘違いとすれ違いの可笑しさをほどよく散りばめ、しっかりとフォロー。塩梅の良い
 台本と演出印象ねこ。国際語エスペラントの底にある平等協調の理念から、世界
 標準の既得ゆえ傲慢となっている英語圏(米国)への警句を潜ませ。温泉宿のロビー
 での市井の人の会話から、世界に繋げて○。個々人の悲しみと痛み、不安をしっかり
 みつめ、ささやかな希望を注ぐラスト。らしくも、らしくないその穏やかなタッチに
 ふーんねこ。大人客席向きということかしらん。

 役者。実年齢の役者を揃えられる、新劇の強みいかんなく。飯沼さん。飄々と謎めき
 老人を演じて○。

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