＠渋谷 PARCO劇場(2006/11/3-15 20ステージ)
http://www.parco-play.com/web/page/
全指定 前売り当日とも7350円
＠大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 11/24-27 6ステージ
＠名古屋 名古屋市民会館・中ホール 11/29-30 2ステージ
作曲・ピアノ：稲本響 美術：松井るみ 照明：中川隆一
音響：高橋巖 衣裳：前田文子 ヘアメイク：西川直子 演出助手：高野玲
舞台監督：瀧原寿子 アートディレクション・デザイン：東學
プロデューサー：佐藤 玄(パルコ)、深沢義啓（朝日放送）
制作：尾形真由美（パルコ） 製作：山崎浩一 企画・製作：(株)パルコ
「スパイス・イン・ザ・バスケット」 28分
作：三島ゆき[カッパドキア夫人] 演出：宮田慶子
出演：
山寺宏一：利賀（教師 料理好き）
水野美紀：（利賀の元妻 ライター）
「結婚相談所」 39分
作：サタケミキオ[東京セレソンデラックス] 演出：宮田慶子
出演：
真中瞳 ：りかこ（結婚相談所 相談員）
片桐仁[ラーメンズ]：健太（結婚できない男）
「兄への伝言」 34分
作：蓬莱竜太[モダンスイマーズ] 演出：宮田慶子
出演：
YOU ：（未亡人 亡夫は男の実弟）
生瀬勝久：（実弟の葬式に帰郷）
2006/11/3(金)晴 7:06-8:53PM(1'45) 前方下手 客席満員(460人)
客層：20-30歳代最多に幅広く、大人より客席。女性過半数。
客入れ：当日券あり、開場時は売り切れ。ロビーは花でいっぱい。エレベータ3機
の内1機工事中、代わり1階下のエレベータを専用運用。作品間の転換は2分以内、
休憩なし。物販。パンフ(A4 38ページ 1500円)役者インタビューと対談収録。
戯曲本1000円 3本収録でお得。ポスター500円。Tシャツ2500円。CD1000円。
カーテンコール2回2分。
30分一本勝負の男女会話劇、関西ローカルの深夜番組の舞台化とか。作家は注目の
若手ぞろい、今後のPARCO進出をにらんでの抜擢かしらん。役者はご存じの個性派
実力派をそろえ、なによりお楽しみ。
舞台。テーブルと壁は流用、持ち込み式でシンプル、スピーディーに転換。
30分に人生ドラマを案配よく盛り込み、三者三様に巧いコメディ。人をみる真摯な
姿勢と暖かな視点、活きのよい等身大の会話で共通。役者は六者六様。見た目とも
味わいある演技、前向きな明るい魅力で共通。素直に生かした演出に好感ねこ。
「スパイス・イン・ザ・バスケット」
舞台。マンションのダイニングキッチン設定。下手に調理台、後方にスパイス瓶
沢山の収納壁。中央に2脚付テーブル、上手に電話とCDプレイヤ。
お話。元夫のもとへ駆け込んできた女。金を貸してくれと藪から棒。男は大事な人
を迎える料理に忙しく、冗談じゃないよ状態。離婚した男女の取り繕いと本音、
揺れる心の機微を描いていく。
煮込み料理に心とろける過程を等身大に描き。聞いているようで聞いてない、我が
強い男女のばたばたが、やがて交感の優しいひとときへと転じ。スパイスな個性の
孤独、相手を引き立て会う手際の失敗と反省、そしてリベンジ。おいしくて心に沁み
最後は心温まるひとときを過ごせる佳作。
役者。攻めと受け身キャラの中、それぞれの強さと弱さが覗き、豊かな人間味を醸し。
「結婚相談所」 39分
舞台。下手中央に机、その脇にテーブルと椅子１。背景は組み合わされた自照パネル
壁。
お話。結婚相談所の相談員のもとへやってきたのは、実らなかった初恋の相手。
冴えないおじさんになった彼なのに、今も心ときめく相談員。なぜ？と恋心に困惑し
ながら親身に仲介、アドバイス。でも、本音は実らなければいいのにと矛盾してる。
すれ違う2人を賑やかに、さわやかな哀感を乗せて描いてく。
大量会話、速射砲バトルまたは掛け合い漫才。賑やかな会話で客席を楽しませ。
劇構造のいじわるな仕掛けと、素直になれない踏み切れない２人の心情。両者が
相まって、ハラハラ、にやにやと展開。青春のよすがな、ほろ苦いラストも素敵に
印象を残して好感。
役者。真中さん。黙っていれば美人なのに(なんにせよ美人だけど）な、感情ジェッ
トコースター。絶叫マシン（絶叫しないけど、号泣あり）の狭間に女性の飾らない
裸の心を覗かせて、しみじみ。ぼっさり素朴に受ける、片桐さんをまた引き立て。
「兄への伝言」 34分
舞台。8畳間。正面に遺影と供物の段々。脇に小ダンス、手前に茶器とポット。
お話。急死した実弟の通夜、弟の妻との再会。久しぶりに訪ねた兄との思い出話は
なぜかぎこちなく、言葉少な。亡夫からの書き置きがあると見せられ、兄は一人
得心。そこには、なぞめいた一文があるだけなのに。その本当の意味とは、と問い
つめる未亡人だったが。
しっとり、シニカルもユーモラスに描く、人生ドラマ。恋情とともに兄弟愛が静か
に暖かく描かれ、この作家らしい。どうなるのかしらん、と興味津々の展開。
役者。小動物な自然体のYOUさんと、穏やか顔も戦々恐々？と受ける生瀬の静かな
会話バトルが楽しいねこ。
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