＠名古屋 愛知県芸術劇場小ホール(2007/6/16-17 4ステージ)
http://www.aac.pref.aichi.jp/
前売 一般2800円 学生（小・中・高・大・専門学校生）2000円
当日 一般3000円 学生2000円
作：佃典彦 演出：神谷尚吾
舞台監督：近藤朋文 音響：後藤佳子 照明：坂下孝則 大道具：江副組
小道具：才谷組 衣裳：上海リル’Ｓとクニ工房 宣伝美術：山積課題
制作：Ｙ企画
出演：
徳留久佳 ：男１（首つり男）
神谷尚吾 ：男２（処分する男）
いちぢくジュン ：男３（乳母車の男） [皆様と共に走るてんぷくプロ]
佃典彦 ：男４（処分される男）
江副公二 ：男５（バラバラ男）
向原パール ：女１（首つり女）
斉藤やよい ：女２（発見した女）
山口未知 ：女３（キャリーを引く女）
山積わたしも ：女４（投函する女）
山積かだい ：女５（依頼した女）
2007/6/16(土)快晴 2:05?-3:44PM(1'39？) 奧側中段 客席ほぼ満員(200人)
客層：小学生からじじばばまで、町内会に幅広い客席。女性過半数。
客入れ：全自由席10番ずつ呼び出して入場。センターステージ 四面客席。長辺
対面に5段ずつ80席、短辺2列30弱席。ロビーからみて下手・木の幹付近で床芝居が
あり、見がたいといえばそれくらい。劇団優先は最前列と中段にあり。客席誘導
ちゃんとあり。開演前に新人が諸注意、終演後は佃さんからのお願い。折り込み
チラシそれなり、パンフ A5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。次回公演
は来年6月。物販。上演台本1000円。カーテンコールなし、行わない理由がわかり
やすい、舞台と客席を融合する明かり演出あり。
ジャニーズ主演のＴＶドラマ脚本を担当したり、ますます活躍の佃典彦。今年の
劇団公演はこれきりとか。7年ぶりにみるねこ。
舞台。絵本から抜け出たよな、グラフィックな公園舞台。客席に囲まれて広場然。
対角一端、ウェディングドレスと正装男女の等身大・首吊り人形がぶらり、灰色の
高い木から。反対側に見物場所とばかりに、色とりどりの丸太椅子。緑の地面が
一面、床から幽霊手足な仕掛けあり。客席と一体の開かれた空間、舞台世界と現実を
つなぐよに、客電はゆっくり溶明溶暗。
お話。自殺名所の陰気な公園。今年も首吊り死体、しかもこれ見よがしな、婚礼カッ
プル。慣れっこのように、のんきに見物する主婦。待ち合わせに立ち寄った男は違和
感隠せず。聞けば、去年は主婦の亭主が同じ場所で首吊りと、穏やかじゃない。
やがて、露わになっていく、平穏な日常に隠された、男女の愛憎。いらない亭主や
赤ちゃんの処分依頼、亭主バラバラは当然殺人事件。命の価値がどうにかなっている
今の危うさ、殺伐とした風景を描くブラックコメディ。
黒い笑いたっぷり、ドライな筆致で描く現実。インモラル当然、笑顔の裏に鬼面を
覗かす人々の勝手ぶりあれこれ。直球に殺伐も一工夫。あの世とこの世、生きている
ときより語りたがりな自縛霊？な被害者達をつっこみ役、まるで漫才なやりとりで
シニカルな笑い絶えず。疑問と怒りを向けつつ、自分も用心と自戒をこめたとほほ
笑いを添え。怒り、絶望ら感情に走らず、妙な感動でごまかさず、醜い世界を描いて
笑いの中もクールな視点あり。そこら軽重のさじ加減が巧し。転換音楽がジャズ
中心、冒頭、首つり場面で「奇妙な果実」、逆説に「イージーリビング」と選曲○。
役者。登場人物の心理をくみ取り、陰を負いつつメリハリある演技でして○。
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