＠新宿 シアターモリエール(2007/9/6-10 7ステージ)
http://www.shinjuku-chuo.com/shop/morieru/morieru.htm
前売 指定3300円 自由3000円 当日（指定自由）3500円 学割2500円
複数回割引2000円
＠富良野 富良野演劇工場 9/21-22 2ステージ
＠旭川 シアターコア 9/24 2ステージ
＠札幌 シアターZOO 9/27-30 5ステージ
作・演出：山下澄人
照明：高橋秀彰 音響：別所ちふゆ 舞台監督：バタヤン 宣伝美術：西山昭彦
その他全部：FICTION 企画・制作：OFFICE FICTION
プロデューサー：白迫久美子 制作協力：井上淳司
出演：だれが誰やら
山下澄人：「楽観的で不謹慎」と見られがち、憎まれ口をきくおじさん
山田一雄：社長、まっちゃん（工場従業員）
井上唯我
荻田忠利
大西康雄
竹内裕介
シゲ子（おじさんの連れ合い）、ミルトン（シゲ子の連れ子）、
竹柴（工場従業員 ペドフィリア）、キンジとギンジ（工場従業員）
妻を亡くした若い男
2007/9/9（日）晴 2:04-4:02PM(1'58)前方中央より 客席9割(80人)
客層：20-30歳代最多に小学生からじじばばまで幅広く。女性過半数。
客入れ：平床に自由席2、以降指定席6列。千鳥配置にしても見難い劇場舞台は相変わ
らず。開演前に楽屋風景を生中継、携帯断など注意なし。折り込みチラシそれなり。
折り込みチラシ B5 3ページ。全ページ大の写真背景つき。長めの挨拶、スタッフ
出演、予定。配役表なし、つけてくれよん。 物販。Ｔシャツ2200円など。カーテン
コール1回1分。北海道公演はみてよくなくてもＰＲして、とか。
忘れるくらい久々、大らかな持ち味はそのままに深化した舞台に驚いたねこ。
舞台。バラックにトタン壁、とこどこ開口。正面上のバルコニーも一部使用。
お話。大震災にみまわれ、ばあさんを失っても憎まれ口ばかりのぐうたら爺さん。
彼を中心とした、辛い日常と不幸に侵されない反骨の笑いと涙の物語。もうちょっと
詳細下記。
日陰に生き、被災した人々の喜怒哀楽。押しつけがましい感動を装わず、その肉声を
描いて、じんわり沁みるねこ。浅はかな良識を笑い悪態をつく。そんな「不謹慎な
じいさん」の言葉、本音が、辛い現実とどっこい生きている人を飾らず描き出す。
被災地（戦場もそうだろうけど）にガラス細工のようにこしらえた感動話や、きれい
ごとがあろう訳がなく。性行が悪く、時に保身のため嘘をついてしまうじいさんには
人間味あり。苦笑まじりから暖かい笑いを生み。ダメでも弱くとも共にこまめにして
生きていく世界。小さな幸福から大らかな気構えを感じて、ほっこりするねこ。
お話 もうちょっと詳細。憎まれ口を叩いてばかりのぐうたら爺さん。愛想づかしも
久しい同居ばあさんと共に大地震に被災、家具に潰されたばあさんの頭を誤って蹴っ
てしまう。迫る火事から救い出すが、既に事切れ。蹴ったのが死因と思いこみ、
燃やしてしまうかとつい口を滑らせてしまう。
避難所では「不謹慎」な憎まれ口ばかり。石けんの配給が続くと俺らは汚いのか、
食事は豚汁とカレーばっかり、しかも塩辛い、ボランティアよりヤクザの方がさすが
に必要なもの（避妊具と生理用品）がわかってる。妻を亡くした男性に、周りが死体
ばかりだと自分が悲しんでどうなるものでも（みたいな）。
ばあさんを亡くしても泣かないじいさんを周囲が責めると、ぽつりと蹴って殺して
しまった、自分には泣く資格がないと懺悔。これに妻を亡くした男性、誰のせいでも
ない地球のせいと。泣かなかったじいさん、胸が詰まる思いを涙で流し。多量の涙を
延々。
けろっとじいさん復帰。気に掛けてくれるペドフィリアから性犯罪に走った青年が
前科がばれ、絶望するところへ一言。首になったら素直に、雇ってもらえるなら謙虚
に受け入れろ（みたいな）。貧乏長屋の跡地に高層マンションができたと知ると、
頑張って働いて住む、そしてそこだけ元の長屋のように汚くしてやる。
前科者の青年が頼りにされる工場ではたらく？じいさん。日陰者の必要十分な幸福を
感じる中、ばあさんの幻が。賛美歌「慈しみ深き友なるイエスは」が流れる中、わし
に酷いことをしてきたから今までの窮状は痛み分けと微笑みかけ。じいさん、救われ
る思いを抱きながら、照れ隠しに賛美歌を歌うのでした。よかったね。
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