へんな顔祭り。
[月間一覧］
＠渋谷 青山劇場(2007/10/6-21 22ステージ)
http://www.aoyama.org/
全指定 S席12000円 A席10000円 B席7500円
＠名古屋 愛知厚生年金会館 10/26-28 4ステージ
＠大阪 大阪厚生年金会館 11/2-4 5ステージ
台本：ジョー・マステロフ 作曲：ジョン・カンダー 作詞：フレッド・エブ
翻訳：目黒条 日本語台本・演出：松尾スズキ [大人計画]
美術：高野華生瑠 照明：大島祐夫 音楽監督：門司肇 音響：山本浩一
振付：康本雅子 衣装：戸田京子 ヘアメイク：大和田一美
演出助手・歌唱指導：伊藤和美 演出助手：大堀光威 舞台監督：二瓶剛雄
宣伝美術：河野真一 宣伝画：寺門孝之 宣伝写真：秦淳司
宣伝ヘアメイク：富沢ノボル 宣伝衣装：飯嶋久美子
プロデューサー：田中希世子、尾形真由美 製作：山崎浩一 企画・製作：パルコ
出演：
松雪泰子 ：サリー・ボウルズ (キット・カット・クラブの歌姫)
阿部サダヲ：MC （キット・カット・クラブの司会者) [大人計画]
森山未來 ：クリフォード・ブラッドショー (アメリカ人作家)
秋山菜津子：シュナイダー (下宿屋の女主人)
小松和重 ：シュルツ (ユダヤ人果実商) [サモ・ アリナンズ]
村杉蝉之介：エルンスト (ナチスの政党員) [大人計画]
平岩 紙 ：コスト (シュナイダーの下宿に住む若い娘) [大人計画]
星野 源 ：男、車掌、水兵１、タクシー運転手、ガス屋
康本雅子 ：キット・カット・ガール、ロシア娘、招待客、ダンサー
花井京乃助：ボビー、キット・カット・ボーイ、レディ３
羽田謙治 ：ヴィクター、キット・カット・ボーイ、レディ４
安藤由紀 ：キット・カット・ガール、招待客
宇野まり絵：キット・カット・ガール、フランス娘、招待客
坂上真倫 ：キット・カット・ガール、クラブガール1、招待客
西林素子 ：キット・カット・ガール、アメリカ娘
久積絵夢 ：キット・カット・ガール、レディ１
宮本えりか：キット・カット・ガール、レディ2、日本娘
大川聖一郎：ウェイター、関税検査官、支配人、銀行家
長田典之 ：キット・カット・ボーイ、ウェイター、水兵２、銀行家
川島啓介 ：ウェイター、キット・カット・ボーイ、銀行家、水兵３
小林遼介 ：ウェイター１、キット・カット・ボーイ、銀行家、ナチス親衛隊
町田正明 ：キット・カット・ボーイ、マックス、ウェイター、銀行家
安田栄徳 ：ウェイター、キット・カット・ボーイ、銀行家、招待客、ナチス親衛隊
Bianca：滝沢ミナコ(Flute) 織原洋子(Piano) 守谷美由貴(Alto Sax)
中津裕子(Bass) 三科律子(Drums)
宮脇裕子(Trumpet) 大門陽子(Trombone) 長井ちえ(Guitar)
清水直人(Sax, Clarinet) 西川八重(Violin) 門司肇(Conductor)
2007/10/6(日)晴 5:35-8:18PM(1'39/休16/44)2F最前列 客席満員(1200人)
客層：20-30歳代中心に幅広く、女性7，8割。反応やよし。
客入れ：当日立ち見あり、2F最後尾に20人。地下以外はすべて女子トイレ、劇場外
への誘導あり。折り込みチラシ結構。折り込みパンフなし。
物販。パンフ A4 40ページ 2000円。対談いろいろ。Ｔシャツ2500円 ポスター
大1000円小500円。 カーテンコール合間をおいて2回2分。ありがとうございました
！、早く帰れ(小声）と主演女優からちくり。
66年ブロードウェー初演、90年代にリメイク。ボブ・フォッシーの映画版で知るねこ。
契約で原作は変えられないそうだけど、松尾らしい潤色ぶりで魅せる今回。
舞台。円筒を連ねて二階建て。門構えな周囲に電飾、正面に劇タイトル。上段後方に
バンド、両袖のサブステージから円弧を描く両階段で床。この階段上下と正面奥から
主に出捌け。せりも活用して、ちゃきちゃきと小気味よく転換。客席も舞台に取り
込み、盛り上がり空間をつくり。
お話。第二次大戦も間近に迫るベルリン。ショービジネスの華・キャバレー キット
・カット・クラブの歌姫は、優しいアメリカ人作家と恋に落ちる。時同じく、その
作家が住むアパートの家主はユダヤ人の果物屋にプロポーズされる。2組のカップル
の出会いと別れが主軸。団らん家族を夢見る作家を歌姫は理解できない。「あなたの
現実とわたしの現実は違うの」、浮き草なショービスこそ彼女の現実なのだ。
また、ナチスが台頭し、ユダヤ人迫害が強まる中、家主は恋を諦めざると得なく
なる。一つの「絶対正義」が人種や政治の価値観の違いを受け入れなくしてしまう
世相、なんてこったい。
という重々しさは終盤のみ、ほぼすべては単純に面白楽しい、松尾ミュージカル。
唄って踊って、ギャグめき遊びまくるコロコロコミック。毒気とエロそこそこに
お茶目炸裂して、楽しさ千万。メロウな歌声で聴かせる松雪泰子と、軟体にエロかっ
こいい群舞ダンサーズのミュージカルナンバーに拍手。美女なのにどうしてもコメ
ディアンヌな秋山菜津子に沸く笑い。テンションとつっこみ欠かさず、客席を盛り
上がるＭＣ阿部サダヲ。捲き込まれてポロリ王子・森山未來、我かんせずと
マイペース、でも笑いに敏感な小松和重、意外と姉御肌・平岩紙。メインキャストは
分裂症勝ちキャラも負けん気に個性粒立ち。もう一回見たいです、ねこ。
の後、重い終盤を追想に描いて、悲惨な現実を夢と溶かす。現実のはかなさ、切なさ
を描いたとも、現実を隠蔽する今時の風刺ともとれて、うーみねこ。かぎ十字を身に
まとい、ナチスを称え踊った後、退場行進するダンサーズへ万雷の拍手する客席。
すっかりベルリン市民気分。無邪気すぎないか、歴史の現実はなかったことになって
いるのかと違和感悪寒。これこそ毒々、うーみねこ。
へんな顔祭り。
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