＠渋谷 PARCO劇場(2007/12/7-30 28ステージ)
http://www.parco-play.com/web/page/
全指定 8400円 学生券4500円
＠大阪 シアター・ドラマシティ 1/4-6 4ステージ
脚本：マーティン・マクドナー 演出：長塚圭史[阿佐ヶ谷スパイダース]
訳：目黒条 美術：二村周作 衣裳：前田文子 照明：佐藤啓 音響：加藤温
演出助手：坂本聖子 ヘアメイク：高橋功亘 舞台監督：菅野将機 製作：山崎浩一
企画：佐藤玄・田中希世子 プロデューサー：毛利美咲 企画製作：株式会社パルコ
出演：
大竹しのぶ：モーリーン・フォラン
白石加代子：マッグ・フォラン（その母親）
田中哲司 ：パートー・ドゥーリー(ハンサムな近所の男)
長塚圭史 ：レイ・ドゥーリー（その弟）
岡田誠（ラジオの声）杉野俊太郎（アンダースタディ）
2007/12/22（土）小雨 7:05-9:23PM（1'00/休15/1'02）最前方下手 客席ほぼ満員（450人）
客層：20-30歳代最多に女性6，7割。お友達連れ多め。
客入れ：当日券不明。ロビーの花はそれなり。折り込みチラシそれなり。物販。
パンフ A4変形 42ページ 1500円。背景の説明がありがたし。
カーテンコール2回1分。
憑依型2大女優の共演＋気鋭の長塚圭史・英国劇作家マーティン・マクドナー作品
演出シリーズ最新＋チラシが怖いよ な話題作。
舞台。中世時代の民家と錯覚する古風、またリアルな生活感溢れる小さな家。板敷き
の床と屋根、戸外には石塀と丘陵の風景まで配し。上手に入口ドア、正面中央に
小さな練炭ストーブ。後方壁に風景画、ケネディ大統領兄弟の写真。食器棚を挟んで
下手よりに寝室入口。下手壁際・窓下に冷蔵庫とシンク、ゴミ箱。手前。正面上手
よりロッキングチェアと延長線の床に小型テレビ。下手よりに小さなテーブルと椅子
食材食器、収納棚、アクセサリら小道具がホントらしく種々置かれ。
お話。北アイルランドの風光明媚な田舎町。すでに中年(独身)の娘を家に縛り続ける
病身の母。娘は母を痛めつけるよな言葉を吐き、家をでることを願う。とある日、
近所に住む子が兄が開くパーティの誘いにやってくる。娘はその兄と意気投合、
しかし母が破壊工作を行ったことから…。
予備知識なく怪獣大決戦かと思いきや、傷ついた魂のせめぎ合いに胸を揺すぶられる
ねこ。重層する閉塞感が痛々しい。小さな国、民族差別、田舎、共同体のしがらみ、
丘の一軒家、血縁、病などから閉じこめた親子。そこら絶望的な境遇をしっかりと
描き、母の執着、娘の離反には頷ける悲しい理由が察せられ。自然体の細やかな演出
と、入魂の女優演技で国境を超え、私たちの物語として胸に痛く響かせる秀逸。
娘役・大竹さん。潜めつつこぼれる女の顔、強さともろさをダイナミックにかつ繊細
に描き。母役・白石さん。一見目がランランと化け物な体も、保身に怯える老人を
人間くさい演じて味わいあり。
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