＠下北沢 本多劇場(2008/4/4-13 11ステージ)2/23休演
http://www.honda-geki.com/aaa/honda2.html
全指定 前売4200円 当日4500円
脚本・演出：三浦大輔
照明：伊藤孝(ART CORE design) 音響：中村嘉宏 舞台監督：矢島健
舞台美術：田中敏恵 映像・宣伝美術：冨田中理(selfimege produkuts)
小道具：大橋路代(パワープラトン） 衣装：金子千尋
演出助手：富田恭史(jorro)、尾倉ケント（アイサツ）
チラシイラスト：桔川伸 宣伝美術：two minute warning 写真撮影：曳野若菜
広報：石井裕太 企画・製作：ポツドール
出演：顔と名前がもひとつ一致せず
米村亮太朗：今井裕一(アパート住人)
内田慈 ：橋本智子(一軒家住人)
古澤裕介 ：田村(アパート住人 フリーター)
白神美央 ：裕子(田村彼女)
岩瀬亮 ：上村(田村遊び仲間)
脇坂圭一郎：隆司(裕一の弟)
安藤聖 ：里美(隆司恋人)
井上幸太郎：浩二(一軒家住人 智子夫？）
松村翔子 ：久美(一軒家住人 浩二妹) [チェルフィッチュ]
横山宗和 ：小野(久美遊び仲間 加害者)
後藤剛範 ：山本(久美遊び仲間 王様) [害獣芝居]
片倉わき ：絵里(派手な女？)
新田めぐみ：香織(かわいい女？)
梶野晴香[国分寺大人倶楽部]：女
2008/4/5(土)晴 7:35-10:05PM(2'30)前方中央 客席ほぼ満員(340人)
客層：20-30才代中心、男性過半数。単独客多め。
客入れ：上演時間2時間30分、トイレ留意をアナウンス。ロビーで舞台写真展開催。
一軒家とアパートの1，2階＝4つのシチュエーションが同時進行、かつシンクロニシティ
する舞台。Ａ列不使用も中段以降じゃないと観づらいとこあるかも。
折り込みチラシ極厚2.5cm 輪ゴム止め。パンフ A5 3ページ。挨拶、配役、
スタッフ、予定。次回公演。来年2月下旬＠THEATER/TOPS「愛の渦」再演。
物販なし。カーテンコールなし。
中規模劇場にて新作公演。
舞台。住宅街の一角をリアルに切り取り。上手半分に古いアパートの1，2階と
外階段。下手側に築20年な一軒家の1，2階。往来の上手はじに電信柱とごみ置き場。
それぞれ細部まで、臭ってきそうな程リアルに造作。今回も外壁を鮮やかにしまう
転換がお見事。
お話。酒席で顔にやけどを負わせた男と被害者女性。欲求不満を募らせる美人妻と
支配する電話男。イケメンな兄にコンプレックスのあばた顔の弟、それ故安心の
かわいい顔の恋人。恋人の容姿を恥と思ってしまう醜男。顔の美醜をキーに様々な
思いが同時並行、対比して描かれていく。
なんか賞をあげたい緻密な造り込みに拍手。醜い人の本質を愛し、だからこそ手厳
しく描く覚悟が胸を打つ。突き抜けた美しさをも感じさせる今回は、より広い観客層
に観てもらいたい傑作となり。
4部屋を同時にみせる装置と物語展開、お家芸は磨きがかけられて巧みに仕上がり。
同時進行、同時会話なのに「わかる」という魔術的演出。今回、シンクロニシティを
もった会話で叙情的風景を重ね合わせる工夫で、より面白くみることができ。
これもお家芸のセミドキュメントは進化形となり。役柄の美醜は役者本人の容姿の
あて書きし、説得力をもたせ。しゃれにならない切実さ、どうしようもなさがリアル
に伝わり。
暴力は愛でできている、人を真摯にみつめ、愛する視点は変わらず。利己的で自己
本位、あさはかさ、変わりようもなさ そんな人の本質をそれ故に共感し、愛する。
登場人物はみな間違っているけど、欲望、怒り、悲しみのエネルギーはすばらしい。
そして、底には美しいものが沈んでいる。それを荒くれと詩情をもって浮上させた
ラスト近くの米村、内田の場面は白眉。できればもう一回みたいねこ。
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