＠信濃町 文学座アトリエ(2009/6/20-7/5 18ステージ)
http://www.bungakuza.com/sai/photo/map.JPG
全指定 前売・電話予約4000円 当日4300円 ユースチケット2500円(25歳以下)
作：松田正隆 演出：高瀬久男 美術：島次郎 照明：金英秀 音響効果：藤田赤目
衣装：前田文子 舞台監督：加瀬幸恵 制作：伊藤正道 票券：鈴木美幸
宣伝デザイン：森さゆ里
出演：
関輝雄 ：イモリ・シンイチ（保証人で俳優）
寺田路恵 ：イモリ・チカ （その妻で脚本家）
林田一高 ：トミオカ・イチロー（花婿で制作者）
藤崎あかね：ワダ・モモエ （花嫁で批評家）
高橋克明 ：コクボ・ケンジ （花嫁の元彼で演出家）
2009/7/1(水)曇 7:06-8:24PM（1'17)Aブロック後方中央 客席ほぼ満員(150人)
客層：中年層最多の大人客席、学生～じじばばまで幅広く。男女半々。
客入れ：入口1劇場内4人が常駐、席番号を唱えて誘導を連係する親切。ブランケット
の準備も怠りなし。パイプ椅子の背から座席番号を吊し、大きめの文字でじじばばも
安心。折り込みチラシ少々。パンフ B5 ペラ1枚。配役、スタッフとたっぷり作家
挨拶。 物販。通信 100円。今公演絡みの演出家寄稿ほか盛りだくさん。
カーテンコール1回1分。
松田正隆、文学座への書き下ろし4作目。
舞台。センターステージ、縦長の平台。は船のデッキのよう、一端は△型に突出。
その側に白い壁と開口、柱の一部。「デッキ」にテーブルと椅子4、錆びた煙突付き
薪ストーブ。周囲に椅子、レコードプレイヤー、置き台。
お話。青年は旧知の夫妻を湖畔の別荘に招待する。婚約者への結婚申し込みの立会人
になってもらうためだ。そこは、3人の共通の友人が自殺した場所でもある。婚約
女性には別れ難い恋人がいる。彼は抑えられない苛立ちをもって、別荘の4人に暴力
をふるう。
「結婚」＝予定調和な先入観を打ち砕く、刺激的実験作。パンフに作家いわく、結婚
とは離婚である。うーみねこ。新たな契約な局面に至るため、過去を捨て去る。
しかし、過去たる記憶は現在を成したもの、すべてを捨て去ることはできない。つう
ことかしらん。
舞台では、そんなジレンマを抱えた者達が微にいたり細にわたり自問自答、他者との
問答な会話を交わす。あるいは言葉にならない苛立ちと恐れに鬱々としまくる。
状況に呼応したように轟音を上げるストーブ、針飛びを繰り返すレコードの演出が
わかりやすく助勢。時空を超えて同じ板に立つ役者達が、混濁する記憶のありさまを
体現。紋きりの会話劇を装いながら、伝えることの困難さ、不通の光景を描き出して
いて、うーみねこ。
さらに、大きな趣向として、登場人物がみな演劇関係者なことがあり。単純に抱えて
いるのみならず、そうした自分を客観的に見て問い直す性行をもつ者達。修羅場を
みるもう一人の自分が5人分。面白いなあ、意地が悪いなあ、作家はいかに表現する
かで苦しんでいるなあ とかあれこれと思われるねこ。
役者。危うい男子セクシー、高橋克明。若さが危うい、藤﨑あかねさん。
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