＠下北沢・駅前劇場(2012/1/19-23 8ステージ)
http://www.honda-geki.com/ekimae.html
全自由(整理番号付き) 前売（予約）3000円 当日3500円
初日割引（19日のみ）前売 2800円 学生割引 前売2500円
脚本・演出：佐々木充郭 舞台監督：伊藤智史・西廣奏 舞台美術：稲田美智子
照明：今西理恵（LEPUS） 音響：筧良太 人形製作・宣伝美術：KINO4TA
特殊小道具：丹羽敬之 WEB制作：武田諭 稽古場助手：小林竜樹
当日運営：たけいけいこ 制作協力：イマジネイション
企画制作： バジリコFバジオ http://www.bajirico.com/
出演：
三枝貴志: 葉隠弓月 主人公。中学生。
浅野千鶴[味わい堂々]:葉隠さく 弓月の姉。虹川春子 「虹川旅館」の女将。秋助、冬次郎の義姉。
横島裕 [もざいく人間]：金吾郎 弓月の幼馴染。
佐々木千恵 ：土下ニコ 不幸を撒き散らすと思い込んでる女。
新井田沙亜梨：リン ニコと一緒にAV撮影現場から逃げ出す女。
植田祥平 ：偽善太郎 自称過激な動物保護団体の方。
後藤いくみ[熱帯]：水島(エレファントヤンキー)スーパーヒーロー。
澤井裕太 ：火野(エレファントホームレス)スーパ一ヒーロー。
嶋村太一[親族代表]：津々岡 元広島東洋カープの投手。現ヤクザ。
片山敦郎 ：南別府 津々岡の舎弟。
阿久澤菜々 ：サチ 津々岡の養女。
木下実香 ：日暮あかリ AVメーカーの社長。
田代尚子 ：朝日奈 あかりの秘書。
今福季寛 ：AV監督
島口綾[モロモロ] ：みるくちゃん AV女優にきれかけている女。
久保弘美 ：宝塚すみれ 元人気AV女優。
中野あき ：チヨ「虹川旅館」の仲居。
石原美幸 ：キクチモモコ 弓月の恋する少女。イネ「虹川旅館」の仲居。
武田諭 ：虹川冬次郎 あかりの従兄弟。秋助の弟。
川久保宏之[怪物がめざめる夜]：虹川秋助 あかりの従兄弟。冬次郎の兄。
2012/1/22(日)曇 7:04-9:09PM(2'05)ロビー側中段 客席満員(110人)
客層：20歳代後半？中心に中年層まで。男性過半数。
客入れ：開場時20人ほど。センターステージ。パイプ椅子に座蒲団追加。
ロビー側6列、対面4列、ひな壇で見易く。少し引いた中段が見易し。
折り込みチラシそれなり。パンフ A5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。
物販。Tシャツ2000円 DVD2000円 過去公演で使用した人形200円。
開演前に恒例の人形前説。カーテンコール1回。
久々2回目のバジリコFバジオ。劇作家協会新人戯曲賞・優秀戯曲賞 受賞後の新作。
というより、浅野千鶴さん出演に観に行くねこ。
舞台。黒と白(グレー)の幾何学抽象。劇場幅一杯のセンターステージ。中央に円形の
お立ち台は回転可能。Ｔの字の左右に通路、白線が数本あり、両壁で垂直立ち上げ。
そこに大小の円環が貼り付き。Ｔの縦で奥への通路、ここにも白線と円環。
終盤の極まる場面でラインと円環の電飾が光る仕掛けあり。
お話。愛する姉を守ろうとヒーローを目指す（ように訓練させられた）弟。ピンチに
現れるヒーローの元締めな上野動物園象は彼に素養を見いだし、人間の弟子な2人・
ヤンキーとホームレスに見守りを命じる。一方、AV現場に捕らわれていた女達は
件のヒーロー達に救われ、ヒーロー実家な斜陽の温泉宿に匿われる。温泉宿の女将が
姉にそっくり(二役）で行き会わせたヒーロー志願の弟君はドキドキ。弟君を慕う、
ゲイの友達は不満足。折しも、温泉宿は借金の方にと元野球選手のヤクザと、
相棒が悪魔な悪意溢れる女性に乗っ取られようかというピンチ。でも女将を救えない
中学生な弟。意外や、実は実家な温泉宿を出奔したAVメーカーの女社長が、条件付き
で借金を肩代わりする。
面白くないのは悪意溢れる女性で、ええ感じの人々をぶっ壊そうと策を巡らす。
一番大事なものを奪おうと女将の赤ん坊を連れ去ってしまう。彼女の義兄、根は
優しいヤクザは止めようとするが叶わず、攻防の中、弟君は記憶から消し去っていた
姉の間に起きた陰惨な事件を思い出す。暴力で支配していた姉の恋人へ怒り、
それでも恋人を愛することをやめなかった姉へのやるせなさ、誤って姉を殺して
しまったこと。ヒーローとして立ち直ろうとする弟君は悪意の女を刺して解決。
と思いきやその前に立ちふさがったのは、意外にも彼を慕うゲイの友達。
彼の姉、今の女将のいずれにも叶わない、届かない思い転じての憎しみ。虫の息
だった彼の姉へとどめを刺したことも告白し、絶望的に対峙。を倒したのは赤ん坊を
彼が連れ去ったと誤解した女将。弟君と女将（と赤ん坊）はもう2人きり、逃避行へ
とでるのだった。
ハイスピードで奥深い大河ドラマ。疾風怒濤の勢い、バカ爆発しながらの破天荒な
展開にワクワクねこ。数奇な運命と因縁を抱えた人々が続々登場。それぞれのドラマ
が勃発しながら併走、もうどうなってしまうのやらの前中盤。絡み合い、隠された
ことがみえ、物語が気宇壮大に起立する後終盤。愛しすれ違い、憎みながら慕うこと
をやめない、愛と孤独の人間ドラマ。姉/女将と弟君、弟君とゲイ君、悪意ある妹と
ヤクザの兄らの場面はぐっと来て、泣きそうになるねこ。
ちりばめた映画や野球のエピソード、憎いほど巧い選曲ら、端々に作家にこだわりと
愛着が感じられてまた好感。劇団独特の人形やかぶり物がマイルドに、また辛みを
一味添えて○。
役者。浅野千鶴。小気味よく、また柔らかく姉を演じて魅力的。嶋村太一。荒くれ
口調の折折に心根の優しさがにじみ出て○。阿久澤菜々。キテル美女をシャープに
演じて、印象。
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