＠仙川 調布市せんがわ劇場(2012/9/6-10 8ステージ)
http://www.sengawa-gekijo.jp/
全自由 一般 前売3500円 当日3800円 学生 前売2500円 当日2800円
作：林周一 演出：笠原真志 美術：本濃研太 音楽・演奏：辰巳光英
音楽・演奏：関根真理 振付：スズキ拓朗 舞台監督：有馬則純 照明：辻井太郎
照明操作：前田さやか 音響：吉田光利 衣裳：井上のぞみ、陽茂弥
舞台協力：後藤恭徳。横沢紅太郎 美術協力：深川信也、後藤淳一、澤田春江、
岡野乃里子、遠藤悠加、青山健一、伴幹雄 衣裳協力：菅原未央、岩上史、尾原智子、
吉田隆一、とっくん、林小和子、上木文代 HP制作・宣伝写真：上山陽介
出演：
河内哲二郎：私立探偵ドリトル三世
吉田佳世 ：少年トビ+オ：
田中晶 ：猫肉屋マシュー孫三郎
リアルマッスル泉：ゴキねず(トサカくん)
吉成淳一 ：会社員ツリカワさん
荒井クルミ：ミランダ
松尾容子 ：女海賊キャプテンマダム
溝口明日美：嘘つきマリコ
南波トモコ：イズミ
本山三火 ：モリト
荒牧大道 ：悪徳学者ギデス
林周一 ：アマカワ・アントーニオ
有馬則純 ：亀男
笠原真志 ：ウワバミ鳥
関根真理 ：ケータイの声(ツリカワの妻)
2012/09/10(月)晴 7:39-9:44PM(2'04)前方中央 客席ほぼ満員(100人)
客層：10-20才代と中年層中心、子供連れも数組。女性6，7割。
客入れ：段ボール片の整理券発行、番号順に呼び出し。真っ赤なクッションベンチ
4列、ひな壇椅子席6列。椅子から埋まる大人客層。未就学児童連れの家族は最前列
へ移動。折り込みチラシそれなり。パンフB6 4ページ。全曲の歌詞掲載。
カーテンコール1回1分。
段ボール造形作家・本濃研太を美術に、馴染みの渋さ知らずの2人を音楽に迎えての
新作本公演。
会場舞台。劇場壁に段ボール製の雲沢山。やはり段ボール製装置は持ちこみ式。
探偵事務所。荒海に海賊船。島のこんもり丘陵。生バンドは客席下手前方。テルミン
、キーボード、ドラム、ギターと多種多様の楽器。
お話。あのドリトル先生の孫が営む探偵事務所。真夜中のノックに応対すれば、
いずれも奇妙な人から不思議な依頼。馴染みの電車つり革を失って寄る辺ないという
サラリーマン。喪服フェチという女性・ミランダは寿命が尽きながら生きている夫の
助けを願い。折しも町は大洪水、主婦出身の海賊に救われて、依頼主が告げた幻の
ゲシュタル島へ向かい。そこにはマッドサイエンティストなギデス。遺伝子操作で
珍なるハイブリッド生物つくり出し。最高作品は、悪徳政治家アントーニオとして
資金供給、世界制覇を狙い。彼に両親を殺された娘マリコは復讐を遂げる好機到来
と逸り。そこに大地震大津波、一同を救ってくれたのは、島と思っていたが実は
巨大亀。巨大亀が語る数奇な転変。南の島で閃光・雪（水爆？）、妻は変死、
自分は巨大化。原住民な2人イズミとモリトへ託した願い。もはや寿命と力尽き、
大亀島は沈没。もはやこれまでというところへ、つり革を獲得したサラリーマンが
一同を救援。その後、一同納まるところで生活を続けるのだった。よかったね。
と奇想天外な物語りは、個性豊かで珍なるキャラで賑わい、大人な児童劇の体で
大いに楽しませてくれ。造形作家参入ででっかい島(亀）や、ハイブリッド生物の
かぶり物はきっちりポップで楽しく。でっかくまた細かく面白い劇団美術を
いい感じにブラッシュアップ。音楽は全編生演奏でわくわくと迫り、テルミンら
小技も聞かせて面白く。ヘタウマなサラリーマンから、ジャージーなクラブ歌手な
歌唱まだ多彩にいい味を出し。どんな状況でもバカを忘れずな台詞には呆れつつ、
感心してしまうねこ。
いい味と言えば、なんといっても個性の役者陣。当て書きだろうキャラを存分に
輝かせて素敵。悲哀ともおかしみ醸すサラリーマン吉成さん、気が強くキューティな
溝口さん、美人なのにとんま台詞で三枚目な荒井さん。おじさん役者達は言わず
もがな、とほほな愛嬌たっぷり。溝口さんのバックダンサーをまじ踊る姿に、
愛情を感じたりするねこ。
踊る芝居の美味しさも、現実裏打ちな隠し味が秘かに効き。ミランダ、アントーニオ
と役名役柄を残す、シェイクスピア・テンペストの骨格活かし。善悪の対立、復讐の
背景に政治やら震災やら世相映し。文字通り首のすげ替え簡単、国民なんか知らぬと
公言のハイブリッド生物政治家の風刺ぶりに苦笑。テンペストのラスト、魔力を
失ったペロスペローは観客の拍手に開放を託す。こちらは大亀は天寿を全うし
開放され、ミランダは鳥人間になって自由。島が鳥に読めると強引台詞の後、一同
歌い踊って仕舞い。心高鳴り、浮き立たせてくれるライブの力を拍手で参加しながら
感じさせてくれて素敵。
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