前頁 ] ホーム ] 一覧 ] 次頁 ] 

 
 加藤健一事務所「私はラッパポートじゃない」

 @下北沢・本多劇場 (1996/10/24-11/17 30ステージ) 前売り4000当日4300
 作:ハーブ・ガードナー 訳:小田島雄志 演出:星 充
 出演:加藤健一、綾田俊樹、久野綾希子、田代隆秀、加藤忍、加藤義宗、
 手塚秀彰

 1996/11/15(金)晴れ 8:05-10:35pm(休憩15) 後方から 客席9割(350人)
 客層:20才代おねえさん+おばさん+とりどり幅広く男女。
 客入:駅前でビラ(ポストカード)配りあり。今日は開演遅く、客入りいまいち
    のせいか。何人、それみてきたのかしら。パンフはいつもお手頃(800円)
    で、きちんとしてて○。

 お話。NY。譲れない信条をもつ、過激な81才・ナット(加藤)。愛する人と自分
 が生きのこるための、嘘を武器にした戦い。

 遙かな社会改革。今は言葉だけ、「ダイガクフンソウ」「ぜねすと」とか残存。
 それは、ひとからげで語られる「歴史」なんかじゃなく、人の営みをよりよくと
 願う、普遍な思いの現れだったはず。理想も夢も、シニカルに笑われちゃう今。
 ナットは、その思いのスピリッツのよう。熱くて、辛口の。ただやれば、過去の
 繰り言になりそうなのに、老人福祉に直結させた設定で、リアルさもプラス。
 それと。敵役はまったく悪だったりなんだけど、否定してない。あるがまま、認
 めてる高い視点があって、へぇーすごいなと思ったねこ。

 テーマ深く、描かれてること、けっこシビアなのに、楽しめるとこも◎。ナット
 とミッジ(綾田)の毒舌まじりのやりとりがいい。押しが強すぎる加藤さんと、
 へろりと交わす綾田さんが絶妙。加藤さんは、ジジイにゃみえないけど、役には
 あってて○。ナットの娘役:久野さんがすてき。舞台が澄んでくるよう。声が
 いい、加藤忍さんは、女ぽくてだれかと思ったねこ。

 こんな気をもませる暗転も久々。ナット達の戦いの顛末が気になったねこ。特に
 麻薬売人、カウボーイ(手塚)の場面。