加藤健一事務所「ザ・フォーリナー」
＠下北沢・本多劇場 (1997/3/5-30 30ステージ） 全指定前売り\4000当日\4300
作：ラリー・シュー 訳：小田島恒志 演出：久世龍之介
出演：加藤健一、土居裕子、井上純一、山崎清介、平田敦子、大島宇三郎、
花王おさむ
1997/3/14(金)晴れ 8:00ｰ10:20PM（休憩15) 前方補助席より 客席満員(380人)
客層：女性、お姉さま方が多い。スーツ野郎少、普段着野郎そこそこ
客入れ：平日8時開演、ありがたい。残業しても、まだ観られる可能性あり。
舞台。スクリーンに米国東部の地図。舞台はジョージア。どうも場所が肝要らし
い。外国人が滅多にこない「田舎」の意？。よくわかんないねこ。スクリーン上
昇。ウッディなロッジ。右手にストーブ、ロビー、窓から湖な設定。窓枠のペパ
ーミント、女性らしい配色。中央、玄関が一段高く、ロビーへの幅広段差。下手
、テーブル、壁の棚にはバーボン。その上は二階への階段と青空が透けて見える。
かわらず、しっかりリッチなセット（石井強司）◎。こんなとこで休みたいッス。
お話。超口べたな男（加藤）。愛する妻の病気と浮気性に心神喪失。見かねた親
友（山崎）は旧知の山荘に連れてくる。口べた男は未知の出会いに戦々恐々。一
計を案じた親友。彼は外国人、とある任務途上、話しかけ厳禁 とオーナー
ばあさん（花王）に頼み込み。それがもと、退っ引き成らず、聞かなくていいこと
まできくはめ。ホントのこと言いかねるうち、宿を守るため大活躍しちゃうことに。
いろいろ背負い傷ついて、でもねと健気にポジティブ。いとおしい彼らに花束あげ
たいねこ。あっと、お○ねのがいいんでしたっけ（ねたばれ未遂）
コミュニケーションの始まりって何。伝えたいがあって、伝わる喜びがあること
かしら。言葉を奪われちゃった男と周囲の「言」始めはそんなこと思わせる楽しさ。
わくわく。時折、正しく話すという「ずれ」の遊びを交える、茶目っ気がおかしくて◎。
ありがちないい人達世界だけじゃない。捻りあり。黒い影：ＫＫＫとの戦いの
サスペンスが舞台締める。それと、彼らをおちょくるユーモア：痛快なおかしさが
◎。懐の広さというか、笑いの余裕度が○。
人をちゃんと描いてて、味わい。暴力性と知性の二面性をもつ牧師（井上）と、
だまされちゃうお嬢様（土居）の関係。明らかとなり、もう昔に戻れないと知った
後も、愛し合ってることを自覚する二人。悲しみの余韻○。再起しようとする
お嬢様の健気さ○。傷ついたもの通し、口べた男の嘘知りながらも、彼を励ます
お嬢様。大人ですね。
役者。こなれたアンサンブルで安心。土居裕子さん。音楽座以来、久方観るねこ。
鈴が鳴るような美しい声。はつらつとした立ち振る舞い。大好き。肩こりも楽に
なる、癒され具合ねこ。悩んじゃう複雑な役所も好演。ちと堅い演技も役柄には
あって○。加藤健一さん。暗い役から悪のりなほどに転生した演技が巧み。花王
おさむさん。逞しい、おしゃまなばあさんでキュート。平田敦子さん。可愛い仕草。
山崎清介さん。立て板に水なせりふまわりが快感。大島宇三郎さん。悪役だあ、
憎たらしく好演。井上純一さん。静かな佇まい○。
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