加藤健一事務所「Ｋ２」
＠下北沢・本多劇場 (1997/10/24-11/22 32ステージ） 全指定前売り5000当日5300
作：パトリック・メイヤーズ 演出：綾田俊樹 訳：小田島雄志 美術：石井強司
出演：加藤健一、上杉祥三
1997/11/14(金)雨 8:00-9:50PM 中段下手から 客席８割(320人)
客層：老若男女。スーツのおじさん、おばさんも多く、落ち着いた雰囲気。
客入れ：当日券、開演１時間前から。本席１０強。受付お姉さん達のありがとう
ユニゾン、なんか○。たぶん駅ではチラシ渡し、劇場前には２人の等身大立て看板と
熱心な制作。入口の電飾は、寒い季節には温もり感じさせて○。舞台衣装つうか登
山服と道具のディスプレイあり、ふーん。これ着て熱かろう疑似氷壁、ご苦労様。
本多劇場１５周年記念。屈指の見やすさと程良い空間。お客思いのこの劇場におめ
でとう、これからもよろしく。歴代歴史の公演チラシがロビーに。懐かしいつうか
確認するというか。チラシのレイアウトってあんま変わってないのね。記念パンフ
「街と劇場」無料配布。街をも取り込んだ劇場、関わった演劇人の思い感じる一冊
別冊の公演記録○。これでチラシ写真付きならと高望みねこ。
舞台。ごつごつした岩壁。天井まで間口一杯を占める、威圧するよな迫力。中央に
２人がたどり着いたむろのような場所。舞台床は雪まみれ。遷ろう明かり◎。
お話。難所な高山の帰路の２人。１人は怪我でもう動けない。生還するにもザイル
一本ではままならない。凍える死の夜までもう数時間、なにか考えなくては。
登っている、90度以上の壁を。ロッククライミング、マジの緊張感。上杉さん、
さすが元・遊眠社の身のこなし。とは言え、ホンと辛そうなリアリティ◎。極限状態
下世話なジョーク、益体もない話しに不安を紛らすテーラー（上杉）。物理法則を
神の言葉のように沈着に語る、ハロルド（加藤）。なるほどな対照行動の中、底で
は崩れない２人の結びつきが美しい。不思議と穏やかな絶望感、その裏打ちも
あってより一層しんみり。考えていた通りの悲しいラスト。なんか安心もねこ。
体を張りながら、抑制の利いた２人の演技○。でも、もっとできる？と思っちゃう
期待過ぎ。あと、もっと近くなら、表情見て取れたのにと高み座席で残念ねこ。
|