THE・ガジラ「仮釈放」
＠新宿・THEATER TOPS (1997/10/15-28 16ステージ） 全指定前売り当日4000
原作：吉村昭 脚本・演出：鐘下辰男 美術：島次郎
出演：千葉哲也、西山水木、小林隆、有園芳記、小田豊
1997/10/25(土)晴れ 2:00-4:00PM 後方から 客席９割（140人）
客層：老若男女。20才後半〜30才台が中心かな。男性過半数。
客入れ：当日券、開演１時間前から。余裕はありそう。
舞台。古びた文化アパート、4｡5畳＋台所、玄関。冷蔵庫、ＴＶ、金魚鉢２つ。
台所には小さな流し台となべ、新聞紙？などごみの束。斜に配置した舞台は、
俯瞰してみた構図。窓からの風の流れまでわかるよな、立体的空間をつくり◎。
お話。殺人を犯し、今は仮出所・保護観察中の男。品行方正な彼に一人立ちのき
っかけと保護司から縁談話。先駆けて暮らす２人の内と外から黒い影が。自らの
幸せのため、それも思い寄せる人と共にと願いながらすれ違っていく人々を描く
古風といえるほど端正な完成度の高さはさすが。台詞より物語るよな演出（照明
、ＳＥ、音楽、美術の色など）がきまりまくり。なんか吟醸酒な冴え具合。加え
なにより、手応え十二分の役者芝居。主人公役・千葉さん。抑制した中激しい
衝動、狂気。淡々とした演技で表現する凄み◎。結婚相手役・西山さん。したたか
さと脆弱さを合わせ持った、まったくの女の姿◎。保護司役・小田さん。救えな
かった息子への悔恨を負った苦しみ。その滲んでくるよな味わい○。主人公同僚
役・有園さん。認知されたいと願うこと全て、他者には悪意となる不器用さ。その
哀しさと嫌悪感を掻き立てる、いやらしさ◎。
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