加藤健一事務所「プレリュード・トゥ・ア・キス」
＠下北沢・本多劇場 (1998/3/5-29 27ステージ） 全指定前売り4000当日4300
作：グレイグ・ルーカス 訳：松岡和子 演出：久世龍之介 美術：石井強司
出演：加藤健一（老人ジュリアス・ベッカー)、京晋佑（ピーター）
西牟田恵（リタ）、中島晴美、有馬自由、平田敦子、横山利彦、小田雅之、
加勢和也、立石凉子、蔵一彦
1998/3/20（金)曇り 8:05-20:10PM（休憩10） 後方から 客席7割（300人）
客層：老若男女。まんべんなく幅広く。客入れ：当日券。後方席を中心に20席ほど
舞台。いつものつくり混み装置じゃなし。白い床、背景に大きめ格子、のほとんど
素舞台。板にのせたソファーやら、カウンターやらがスライドしてセット。家、家
庭というより、人がまずある舞台って印象うけたねこ。
お話。生い立ちがちと複雑、社会問題を真摯に憂いたりなピーター。いろいろ考え
ちゃって、不眠症なリタ。複雑な２人は、単純な恋をして結婚。披露のガーデンパ
ーティ。見知らぬ老人の祝福のキスをうけるリタ。となんか変、老人とリタの心は
入れ替わっちゃったのでした。
シリアスな苦み付き、いろいろある寓話なコメディ。愛してるの言葉はあっても、
どこがどうとは語らないピーターとリタ。ピーターのモノローグの中で存在するリ
タ。外見○、通わそうとしても壁があり△な現代人って感じ。ラスト、元の鞘に収
まり、初めて自分の言葉で語りだすリタ。自分を見つけ、ピーターはリタとホント
の意味で出会う（再会か）場面は感動的。老人は始まってもいない人生を望み、
リタは満たされている人生を願い、とりかヘばや。でも、そうしても悩みは増える
ばかり。そんな皮肉さが、悲しみととほほ笑いの内にあって○。
いたずらに沈ませず、足りないくらいの割り切りでテンポよく進む、久世さんらし
い演出○。同名曲を歌うのは、エラフィッツジェラルドかしらん。ちとビターな声が
お芝居にあって○。
役者。こんなに少ない！？加藤さんの出番。女仕草のキュート、しっかり相手を受
けとめ、老いの悲哀を負う演技は○。後半の味わいがぐっと深くして○。西牟田さ
ん。不安、不安定な感じが役にあって○。京さん。さわやかで真面目、そのまんま
なり。母親役、立石さん。大人な一言がお話を締めて○。
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