ク・ナウカ「エレクトラ」
＠天王州・ニッシン物流 品川倉庫(1997/11/8-20 13ステージ）
全指定前売4000当日4300
原作：フーゴー・フォン・ホーフマンスタール、アイスキュロス、ソポクレス
脚本・演出：宮城聰 衣装：高橋佳代
動き（語り）：エレクトラ美加理（阿部一徳）、クリテムネストラ川相真紀子（
中野真希）、クリソテミス荒井万里（貴島豪）、オレスト大高浩一（吉植荘一郎）
扶養者ジェローム・ヴァキエ（清水浩二）、コロス（吉田桂子、原郁子、宮坂庸子
榊原有美、中村優子、寺内亜矢子）
1997/11/16(日)曇り 7:30-8:50pm 中段から 客席満員(270人?)
客層：20才代女性中心に男女幅広く。客入れ：貨物用3tonエレベーターで２Ｆ会場
へ。無事に誘導「運搬」されて安心。
会場。天王州アイルの複合ビルからくねくね高架道。不安になるほど歩きまくり、
１５分。誰もいない運河ある倉庫街、丸ちゃんのネオンが安心の目印。おじさん達
が働いてる集配所の２Ｆが会場。待合いイス用意は親切。あんま寒くなくてラッキ。
舞台。階段状の客席、最前列は座布団桟敷も可。周囲にはぐるりぷちぷち梱包材で
会場毎パッケージ趣向。なにやら横たわってるよな闇に明かりが。一段高い舞台、
前方上手には塚。武器である斧つうか復讐心を隠し、天狗面つうかエレクトラの父
アガメムノンがゾンビしてる墓標のよう。ヒップホップやパーカッシブな曲中心。
ライブな力強さ○
お話。父を殺した母と情人を、弟オレストとともに殺す娘エレクトラ。本編の前に
物語を呼び寄せるかのような、コロスの噂話、ラスト後にエレクトラの復讐心と罪
の渦を断ち切るよに、彼女を殺害するオレストの場面を新規挿入。陰惨な中も、
今の救いと未来への願い：途切れることなく続く、憎しみの悪循環を解消する、を感
じたねこ。ところで、ホーフマンスターンって誰？。
すさまじい力感、感情のせめぎ合い、研ぎ澄ました美しさ。語り手の声の支配力と
美加理の刃物な佇まい◎。集中力には改めてムムムねこ。人が繰り返してきた暴力
、それによる歪みと理屈を越えた衝動の苦しみを体現してあまりあるな感じ。母親は
下世話口調のおばさんぶりで面白い。理想に猪突猛進なエレクトラには、我慢でき
ないしょなキャラ。でも、人間臭いかわいげもあって、妹の相対な存在感のなさとともに
その曖昧さに親近感。２人とエレクトラやオレストとの隔たりが、自分らと今ある酷い
世界を連想させて○。こびと人形コロスの長いものに巻かれるな、しょうもなさにクス
クスねこ。母親のキャラといい、もっと客席から笑いあっても良さそうなのに。
みんな我慢してるのかしら。
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