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 かもねぎショット 夢十夜シリーズ 第四夜「窓」

 @新宿・シアタートップス (1998/1/20-25 8ステージ) 全指定前売り3000当日3300 
 作・演出:高見亮子 出演:多田慶子、高見亮子、山上 優、羽田野健太
 (かもねぎショット)、大草理乙子(ラッパ屋)、坂本容志枝(第三エロチカ)
 一谷真由美(演劇集団円)、鈴木秀城(フリー)

 1998/1/21(水)晴れ 7:40-9:20PM 後方から 客席ほぼ満員(140人)
 客層:老若男女で年齢層高め。おじさま、おばさま多し。前者率高が珍しくも○。
 客入れ:場内誘導は特になし。大人な客にはいらず。

 舞台。幅一杯な廻る床。これ設定の視点切替をまんま見事に演出して◎。山吹色
 テーブルクロスの丸いダイニングテーブル。にはワインとグラス、白いお皿。向か
 合う丸い背もたれな椅子。床縁には入口ドア枠。正面には窓な空間。

 お話。一人暮らしな男のもと、謎の女性から電話が。窓外の家族を「観察」、毎週
 報告してほしいという。種々な人が出入りするその部屋。外から覗き、内から眺め
 る、自分と他人がもつ秘密の小窓が見えてくる。孤独とそこから開け出る意志な
 意味な窓を描いてく、かな。

 興味深い。生活ダンスの姦しい外観とは違い、淡々とした会話劇。に秘密めきと
 トリッキーな仕掛。覗き魔気分。なにやらありげな登場人物達へ好奇心、なんにも
 なさそな人になんか安心ねこ。家族と自分を外から観察させる女性・老昆虫学者(山
 下)。実験のように仕掛ける事柄が面白い。1.他者を通すことで視点を変えて、
 家族と自分を見る(知る)、2.自分も外(秘密部屋)から家族を覗きつつ、それを
 知られるように仕掛けた相手の行動を見る、3.狸寝入りをし、自己存在を消し
 たときの家族を内(自宅)で見聞きする、4.観察を依頼した孤独男が家族にどう
 妄想を巡らし、変化して行くか見る(聞く)。こんな多角な視点から疎外、孤独を
 なす関係性や、人の見えない部分などが浮かんでくる。なんか意地悪いけど、
 面白さ一層な捻りあって○。

 結局、その目的は相手に窓の存在を気づかせ、心の内からい出て歩み寄るきっかけ
 つくりかしらん。ラスト、過去の確執があるらしい、仕事上のパートナー女性との
 和らいだ会話、観察者男性の孤独を諭したような会話にそれを感じたねこ。もっとも、
 ただの学究に繋がる好奇心もあるんだろうけど。

 役者。山上優さん。飄々としてくえないおばあさんキャラ◎。多田慶子さん。くだけた
 達者さ。大草さんとのおまぬけな会話もおかしい。大草理乙子さん。自然体の
 演技○。鈴木秀城さん。軽い口調に孤独を滲ませる演技が巧み。

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