加藤健一事務所「トーチソング トリロジー」
＠下北沢・本多劇場 (1998/6/17-7/12 25ステージ) 全指定4000当日4300
高校生2500（当日のみ）
作：H･ファイアスティーン 訳：小田島恒志 演出：久世龍之介
出演：加藤健一（アーノルド）松本きょうじ（エド･ライス）竹下明子（ローレル）
八月薫子（レイディ・ブルース）尾崎右宗（アラン）児玉信夫（デイビッド）
中原三千代（ベッコフ夫人）
1998/6/20(土)晴れ 2:05-5:05PM(休憩15) 前方より 客席満員(400人)
客層：老若男女。20歳代女性中心に中年層多々。二人、グループ連れが目に付く。
客入れ：当日券。前方通路前など補助椅子30、本席若干数。３時間上演に小さめの
補助椅子は隙間なしで窮屈、座布団一枚添える心遣いもほしかったねこ。当日開演
２時間前まで劇団予約可（すりゃよかった）。パンフ(800)。長野里美の稽古場レ
ポート、加藤、高畑淳子の対談収録。
ブロードウェイ作品。映画も未見。もともと一部ずつ独立した３作品を３部構成（
トリロジー）にしたものとのこと。だから舞台も演出も全然違うのね。舞台とお話
１部（インターナショナル・スタッド）ナイトクラブな黒、下手に木目？なグラン
ドピアノ。上手、楽屋机。中央、銀幕なカーテンを挟み、主人公たちの部屋な高台
女装が売りのゲイ芸人アーノルドと教師エド。恋人だった二人はすれ違ってばかり
バイセクシャルのエドに（女性の）婚約者ローレルができたから。別れ〜再会を。
２部（ベット）中央真四角の巨大ベット。上手下手カーテンで舞台ごとベットルー
ム。１年後。ローレルにエドの農場に誘われたアーノルドは、恋人のアランと伴っ
て訪問。フリーな関係なんだけど、でも・・な男と男と女の三角関係がクロス。
３部（ファミリー）アパートの居間。白の壁、ペパーミント色のアクセントがさわ
やかなお部屋。中央、三連のガラス窓。下手にオープンな台所。５年後。亡きアラ
ンの面影を慕ってか、少年デイビットを養子に迎えようとしてるアーノルド。結婚
も別居中のエドは居候。楽しげな三人のもと、ゲイであるアーノルドを受け入れら
れない母親ベッコフが訪ねてくる。理解が得んがための対決だったが。
濃く、聞かせるドラマな今回。長丁場の会話劇を飽きさせない、三様の演出。１部
のモノローグな芝居間にかぶさる八月さんのジャージーな歌声、２部の他カップル
の会話を拾って繋げたりなクロス会話とか○。深刻な内容も、全体のテンポよさと
ユーモアと皮肉混じりの会話で沈ませず。泣き笑いなしんみりさ加減が程良く○。
変わっていく状況に抗するように、変わらない信条をもち、変わらない愛情を求め
る主人公達。自身が強くあるほどに増す、分かろうとしないエゴの醜さと分かり合
える喜びのせめぎあい。そのどうしようもなさに向けられた、互いの悲しさといた
わりの気持ちが常に底にあり。なんか、じんわりと来ちゃったねこ。
役者。加藤さん。最初、う゛ーんな濃い外観。馴れると、その真摯な演技に微笑と
感動ねこ。熱唱２曲は嬉しいサービス。竹下さん。なんか以前よりふっくらした外観。
彼女が意外と絡む舞台進行が嬉しい。児島さん。若い、かわいいとこありな美
少年。野に埋もれさせるには惜しいねこ。
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