こまつ座「人間合格」
＠新宿・紀伊國屋サザンシアター(1998/6/12-28 20ステージ) 全指定5250
作：井上ひさし 演出：鵜山仁 出演：下記
1998/6/21(日)小雨 1:35-4:35PM（休憩15） 中段より 客席超満員(450人）
客層：中年齢層中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：当日券。開演１時間前発売。40,50人分列。通路補助椅子が観にくいとのこ
とで500円割引。パンフ(900)。太宰治への井上ひさしの架空インタビュー、作家自
筆の詳細年表収録。
'92/9初演。キャストを変えての再演。
舞台。幕間、薄幕に時代背景説明やら投影のこまつ座スタイル。回り舞台をしつらえ
てスムーズに場面展開。
お話。私人・太宰治の重要な人生の出来事。大地主の家に生まれるも、味噌っかす
故に愛情に飢え、家への不満を抱えた子供は上京後、共産党活動に心引かれる。が
生来の気の弱さ、お坊ちゃま気質から頓挫頻繁。そんな彼に憤りながらも、その心根
にある理想の高さに感じ入る仲間達。彼らとの永年の友情、堕ちて行く時代への
憤り、理想と現実の自分の落差にとほほな太宰の生涯を切り取って行く。
キャストが変わっても、口当たりは変わらないこまつ座スタンダード。たまに趣変えて
も〜とちと思えど、微笑みと切なさに満ちた世界は○。主人公の内面に直接切り
込まず、取り巻く周囲に流される姿から人間太宰を描いてく。三文記事な、または
小説内容からは!?な太宰を、親しみと共感のうちに浮かばせて○。社会的に×な
太宰に、軍事国家で×の烙印を押された活動家を交差。何者か以前、人としての
在り様が如何にあるかの大切を、国が私たちになしてきた罪を、軽やかな展開の中も
確かに訴えかける。人間らしい主人公達の愛すべき姿に真摯な憤りの言葉。胸に
落ちるものありねこ。
役者。渡辺いっけいさん。軟派でいて、心に信条しっかりな主人公を好演。辻萬長
さん。心強い存在感。お話そのままに舞台に筋を通して○。近石真介さん。達者な
るも、もうすこし柔らかくあればと思うねこ。女優2人の一人何役は、楽しい趣向で○。
初演(1992/9/18-10/7 25ステージ） 再演(1998/6/12-28 20ステージ)
演出：鵜山仁 演出：鵜山仁
紀伊國屋ホール 紀伊國屋サザンシアター
入場料金：4,120円 5,250円
津島修治（太宰治） ：風間杜夫
渡辺いっけい
中北芳吉 ：すまけい
近石真介
佐藤浩蔵 ：辻萬長 ←
山田定一 ：原康義
清水明彦
チェリーほか８役 ：岡本麗
あめくみちこ
青木ふみほか８役 ：中村たつ ←
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