ク・ナウカ「饒舌なるサイレントムービー第一夜 ルル」
＠中野・テルプシコール (1998/9/24､25､26､10/2､3､4 8ステージ)
全自由前売り3000当日3300
原作：Ｆ・ヴェデキント「地霊・パンドラの箱」［岩波文庫・赤］
映画「パンドラの箱」（G･W･パプスト監督） オペラ「ルル」（ベルク作曲）
演出：宮城聰 共同演出：中野真希 台本：久保田梓美 照明：大迫浩二
音響：千田友美恵 衣装：渡辺昌子 美術：木原ひろみ 小道具：会田夏美
宣伝美術：ふみこ特製 制作：久我晴子
出演：荒井万理、大高浩一、吉植荘一郎、中野真希、榊原有美、徳永崇
中村優子、萩原ほのか、清水浩二、菅野由夏、寺内亜矢子、藤井愛、木下貴道、
原田玖美子、稲川光、本多麻紀、福本浩司、伊東哲也（スピーカーとムーバーが
誰が誰やら？ねこ。）
1998/9/25(金)曇り 7:45-9:10PM(1'25) 後方より 客席超満員(80人)
客層：20才代女性を中心に老若男女。
客入れ：外での整理番号付きチケットの引き替えで若干もたつき。早めにいって
すますか、いっそ後のがよいかも。いつもの階段状ベンチ席、隙間無くお客を入れ
るので、荷物は預けたほうが○。当日券客（8？人位か）の席設定でもたつき、開
演15分おし。客入れ要領はこれからよくなるでしょう。終演後にワインサービス付
き、役者さんとのトークショーあり。腰痛で帰ったねこは内容？。
舞台。中央、木造りのドア。下手、暗幕に囲まれたスクリーン（ルルの肖像画）。
衣装。ルルはエンジの上掛け、モスグリーンのスカートの部屋着。ルル以外はみん
な仮面をつけ、男達は煤けた古着な黒正装。
お話。19世紀末。男達を魅惑、惹きつけて破滅させて行くルルの物語。プロローグ
があるオペラと一緒趣向。見せ物興業主に蛇として紹介されるルル、そして飼い慣
らされ、抜け殻となった男。開幕。道ばたでシェーン博士に拾われ、愛人となった
ルル。が彼女の結婚相手は次々と怪死、ルルが愛するのは博士のみなのだ。博士と
息子も彼女の魔力にとらわれ逃れられない。怪しい男女を家に住まわせるルルに
嫌気がさした博士は自殺を促すも、逆にルルに殺されてしまう。投獄されたルルは
崇拝者達に救われ、逃亡。博士の息子と共にパリ、ロンドン。しだい落ちぶれるルル
は今や売春婦。切り裂きジャックを客にとった夜、彼女は。
もちまえの人間浄瑠璃＋サイレントムービーのナビゲーション＋ベルク音楽での
ムードな演出。オペラ版をもとに刈り込んだテンポよい展開。映画の妖しい俳優達、
エキセントリックで不安と共に陶酔感醸すベルクのオーケストレーションが、ク・ナウカ
の人形ぶり演技とあって○。その動きは輪をかけてへんてこ、悪のり続出。
シェーンに浣腸ぶりするルルを初めて（当たり前）みたねこ。誰も笑わないので、
密かにクスクス笑いねこ。ちと不安があった、スピーカーも話が転がるにつれて調子
が良くなって安心。凄み、妖しさがもっともっとと欲がでるけど、みな好演してて○。
ルル役ムーバーの集中力○。シェーン役スピーカーの深い声、鼻高男役スピーカー
の滑稽味も○。
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