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 劇団KAKUTA「空のうえ」

 @駒場東大前・こまばアゴラ劇場 (1999/1/7-10 6ステージ)
 全自由前売1600当日1800 学生割引1400(劇団のみ)
 作:金井博文 演出:桑原裕子 美術:川島亜紀子 音響:太田直樹
 制作:斉藤恵実ほか
 出演:
 若狭勝也(亡くした母親に会いにきた、棚瀬拓磨)
 野俣幸恵(亡くしたプロレス好きの恋人に会いにきた、加瀬三咲)[青島レコード]
 奥田洋平(擬似家族、お父さん 佐古田)
 原富貴子(擬似家族、お母さん 安西)
 成清正紀(擬似家族 長男 木戸)
 青山麻紀子(擬似家族 長女 中尾)
 小林健太(木戸の部下 蜂谷)[青島レコード]
 鈴木晴子(編物をして週末を待つ女 要)
 桑原裕子(矢が刺さったまま、週末を待つ女 真生)

 1999/1/9(土)晴れ 7:00-8:30PM(1'30) 前方より 客席9割(80人)
 客層:20才代中心。女性過半数。
 客入れ:適時誘導。荷物預かりは積極的で○。

 桑原さんの日テレ深夜番組出演が決まったり、少しずつ動き出してるKAKUTA。
 舞台。ピクニックコースのちょっとした丘陵風。枯葉ぽちぽちの床、三方から中央
 に昇る坂道がでんと中央。周囲は白布に立木のシルエットを写した林。

 お話。オムニバス3話。1亡くした人に出会えるという噂がある場所。そこで出会
 った会った若い男女は互いを気遣って再会芝居。信じちゃいないけど、なにもしな
 いほどには醒めても疲れてもいない2人の交感。2マンガないかにもな幸せ家族を
 演じる一行。浮き世離れな彼らも、鳴る携帯ベルに否が応でも現実に引き戻され。
 判っていながら、スイッチを切っておけない悔しさと一方の安心感。耐えられず帰
 った仲間は死んだことにして、芝居は続くのだが。3編み物したり、なんとわなし
 にして世界の終末をまつ2人。なんとわなし女の胸には矢が刺さったまま。不安と
 痛みを抱え、トホホと愚痴ったりして私ってなさけない。

 シニカルな部分が面白い2、心の痛みが役者芝居ですっと伝わる1がいい感じ。3
 は狙い過ぎかな、うーん(2もいにしえの家族ゲームな設定まんまだけど。)。漠
 とした不安以上のなんかがありそうで??なとこが△。なんで大阪弁なのかしらな
 ?もあり。冒頭の落ちてる矢の意味など伏線、逃げている人と逃げられない人の内
 実とかが、もっと描かれれば味わいまして○と思うねこ。全体、飛躍はないけど、
 ちょっとずつ世界を広げているよう。物足りないところも期待の裏返しというとこ

 役者。桑原さん。彼女をして、この演技は物足りない。できる役者さんなのに。演
 出と兼任はやはり負荷大なのかな。このままでは共倒れしかねないと、よけいな心
 配ねこ。若狭さん。ナチュラルな役者の中でも、とりわけ細かな心情をきちんと伝
 えて○。