加藤健一事務所 「銀幕の向うに I OUGHT TO BE IN PICTURES」
＠下北沢・本多劇場 (1999/3/5-28 25ステージ) 指定前売り4000当日4300
※高校生2500円(当日のみ・要学生証)あり。
作：N・サイモン 翻訳：小田島恒志 演出：久世龍之介
美術：石井強司 照明：五十嵐正夫 音響：松本昭 衣装：加納豊美
制作：阿部悦子ほか
出演：加藤健一（ハーブ）、西山水木（ステフィ）、加藤忍（リビィ）
1999/3/27(土)雨 7:05-9:25PM(65＋休15＋60） 中段より 客席7割(250人)
客層：老若男女。小学生を連れた家族同士から壮年カップルまでとりどり。
客入れ：開演前にいつもの諸注意と開演時間アンケートの協力依頼あり。記入式で
なく、希望時刻のマーク部分を手でちぎるやり方。これなら結構回答あるかも。
パンフ(800)。加藤〜西牟田恵の対談、先行公演でのリビィ役者のコメント（松下
由樹、藤谷美紀（ハーブ：細川俊之）、比企理恵（ハーブ：勝野洋））
なんか都内で絶えることがないＮサイモン作品の上演。これは「私は女優志願」
「パパ、映画に出して」「映画に出たい！」「銀幕の向うに」と種々邦題で上演さ
れてきた1980年の作品。
舞台。板張りのアメリカンな住宅、戸外には青空がいつもある西海岸設定。淡いペ
パーミントグリーンの壁、レモンイエローの窓枠とドア。中央、ブラインドカーテ
ン越しに、庭のオレンジとレモンが実った立木。屋内は簡素なテーブルとベンチ、
大型冷蔵庫。下手に玄関と戸外の一部、上手奧に洗面台、隣がバスルーム設定。
その手前に本棚と机・なんか雑然とした。上手端のドアはベットルームのな設定。
お話。かつて売れっ子、絶えて久しくヒット作がない劇作家ハーブ。彼の元に突然
やってきたＮＹっ子・リビィ。彼女は16年間音信がなかった、ハーブの実娘。唐突
な訪問に突拍子ない望み、女優になって映画にでたいという。それを聞いた、ハー
ブの恋人・ステフィは当惑するハーブに告げる。リビイは映画の世界の向こうにあ
る父親の人生に関わりたいのでわ？と。それは作家から、人生から逃げているハ
ーブには心痛いことで・・。人生を始めたばかり少女と、人生を置き去った父親が
互いの空白を埋める過程を情愛もって描く、人間ドラマな一遍。
コメディな笑いは小、人情話なよさが前面。しみじみといい、キャスティング。ダメ
パパをしょぼしょぼと演じる加藤健一。誠意ある人柄もにじませて味わいあり。
朗らかさの裏に不安を隠しながらの健気な演技の加藤忍。それまでこましゃくれた
物言いだったリビイが、堰を切ったように感情をぶつける後半場面は、もらい泣き
ねこ。しゃれっ気に流さず、誠実に親子の姿を描いた演技、演出に手応えあり。ハ
ーブとの絆への自身の不安のみならず、２人のこともまっすぐ見つめ助けてあげる
ステフィ。包容力を感じさせる演技の西山水木。攻撃型の役が多い印象の彼女、こ
れは新境地かしら。
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