こまつ座第53回公演「頭痛肩こり樋口一葉」
＠新宿 紀伊國屋サザンシアター (1999/7/19-31 17ステージ)
全指定前売り当日共5,250
作：井上ひさし 演出：木村光一
音楽：宇野誠一郎 美術：高田一郎
照明：服部基 音響：深川定次 衣装：岸井克己 振付：小森安雄
歌唱指導：宮本貞子 宣伝美術：安野光雅 演出助手：靏田俊哉
舞台監督：増田裕幸 制作：井上 都
出演：下記
1999/7/26(月)晴れ 6:35-9:20pm(80/休15/70) 前方より 客席満員(460人)
客層：老若男女。おじさんおばさん層多し。女性７割。
客入れ：当日券、開演１時間前から。20人ほど列。最後尾２列、あと1,2席づつ
飛び飛びにあり(全部で40席ほど）。パンフ(900)。
そうかお盆だなあ、と改めて思い出させてくれる、こまつ座代表作品。８演。
舞台。小さな庭に面した一戸家。正面にお仏壇、慎ましい調度、ランプの明かり。
舞台そこここ、幕内に沢山の螢火。舞台背景、客席上に盆ちょうちん。一斉に灯る
と、しみじみときれい。沢山なのもいいけど、後半ぽつんと一灯だけ、花螢な螢が
客席を飛ぶの場面に一層じんわり。風情な装置なり。
お話。世が世なら権勢もあろう御家人・樋口家も御維新後は凋落。一戸主である
夏子は二十歳そこそこで背負わされているもの多。妹・邦子は現実的にきりもみ
してくれるが、母親・多喜は愚痴ばかりで・・。毎年のお盆7/16の樋口家を舞台。
親類女性達の有為転変の運命、恨みの相手が判らない幽霊・花螢との交流を
まじえて、２４歳で逝った一葉の生涯を描いて行く。
悲惨な物語に優しい、明るい歌が沢山。今年もしみじみ、じんわり泣けてくるねこ。
でも、ちと渋め（人物の年齢相応って感じ）。おいも屋さんの唄とか、もっと軽やか
でもと思うねこ。演技は楽しく、手応えしっかり。物語に復讐するような朗らかな
表情の演出に応えてて○。武家出身の稲葉役・安奈さん。たおやかでいて、性根
がきっちり座ってる力強さが感じられて○。堂々として、きれいな歌声は当然の
ところかな。夏子役・有森さん。子供っぽさ、それに似合わぬ醒めた表情など
くるくると表情豊か。幽霊での美しさ◎。この人がいないと、この芝居は・・な
花螢役・新橋さん。回を追う毎によくなるノリ（悪ノリ？）が楽しい。
死は決して真っ暗な無ではないのだなと思わせてくれるよな、明るさが◎。
1994-5 ６演 1996-7 ７演 1999-7 ８演
樋口多喜 ：大塚道子 淡路恵子 岩崎加根子
夏子（一葉）：宮崎淑子 未來貴子 有森也実
邦子 ：山本郁子 高橋紀恵 渡辺 梓
稲葉 鑛 ：高汐 巴 順みつき 安奈 淳
中野八重 ：西山水木 大西多摩恵 風間舞子
花 螢 ：新橋耐子 ← ← ［月間一覧］ |