子供のためのシェイクスピア グローブ座カンパニー「オセロー」
＠新大久保 東京グローブ座 (1999/7/18-8/1 14ステージ）
指定席(1･2階) 前売4,000 当日4,500 中学生以下3,000(グローブ座のみ）
自由席(3階) 前売2,000 当日2,500
＊平日マチネ料金(27.28日)(前売･当日共)指定席(1･2階)3,500
中学生以下3,000(グローブ座のみ) 自由席(3階)2,500
作：ウィリアム・シェイクスピア 翻訳：小田島雄志 構成：田中浩司
演出：山崎清介 照明：山口暁 衣裳：池谷泉 音響：豊口謙次
演出助手：小笠原響 衣装製作：友好まり子 舞台監督：工藤静雄
出演：
佐藤誓・・・・：オセロー （ムーア人の将軍）
竹下明子・・：デズデモーナ （ブラバンショーの娘）
吉田綱太郎：イアーゴー （オセローの旗持ち）
伊沢磨紀・・：エミリア （イアーゴーの妻）
公爵（ヴェニスの貴族）
間宮啓行・・：キャシオー（オセローの副官）
彩乃木崇之：ブラバンショー（ヴェニスの貴族）
クレーシアーノー（ブラバンショーの弟）
ビアンカ（キャシオーの友人）
戸谷昌弘・・：ロダリーゴー（イアーゴーの友人）
明楽哲典・・：モンターノー（キプロス島の総督）
山崎清介・・：ジプシーの占い師
人 形・・・・・：その相棒
1999/7/27(火)晴れ 2:05-4:10PM(60/休15/50) 2Fより 客席1Fほぼ満員(500?）
客層：家族連れ多い、平日昼間。それでも２割位かな、お子様は。一部お姉さん達
から誓さん関係で間髪入れず笑い声があがったり。お花ファン一行？。
客入れ：当日券は開演１時間前から。1F後方の端、2Fの端を中心に40席ほど。
物販パンフ(700)。台本(1000)。人形(3500)。配役、スタッフデータは無料配布パンフ
で十分（親切）。小さい子供用に床上げ座布団を配布（これまた親切）。
開演１５分前に前座「イエローヘルメッツ」登場。黒コートに黄色ヘルメットの一団。
伊沢さんの「リードヴォーカル」で、椎名林檎「茜さす 帰路照らされど･･･」
居並ぶコーラス隊はさびで天井を仰ぎみたり、全身でリズムとったり。一曲だけ
「歌って」すらっと退場。うーん、もっとやってほしい。休憩時間のパフォーマンスは
なし（ロビーであったか不明）。
子供向きをうたったシリーズ５回目。今年はメジャーとはいえ、意外と上演されな
いんじゃない？な「オセロー」。カンパニーとしても、初とのこと。シンプルな舞台、
見ごたえの役者芝居、ポイントを抑えたすっきり展開、人形と黒マントのモブな
様式を今回も踏襲。
お話。ムーア人の将軍オセロ。おのれの不遇に憤る部下イアーゴーの計略にかかり
妻デズデモーナの貞節に疑いを持ち、これを殺害。その後、真相を聞かされ、自ら
死んでしまう。
舞台。今年もまたシンプル、ほとんど素舞台。装置は机と椅子だけ。主役以外は
黒いマント。音楽はクラップ（手拍子）と声の擬音（びんたとか）だけ。主役の衣装
はなんだろ、アジアしてる長ローブ。ムーア人（イスラム圏の人）なオセロ役、
誓さんは日焼けサロン常連な顔。髪にはブリーチいれちゃって、＠あそこらのお兄
さんみたいな様。
削ぎ落としたような構成と鮮やかな役者芝居○。オセロとイアーゴーの２人、嫉妬
テーマに絞った構成。人種差別やら国家間の覇権やら、あれこれカット。時折、
憎々しげに放たれる「ムーアめがぁ！（怒）」の台詞に背景が伺えるのみ。
親しめる私たちの言葉になってる台詞はいつもながら◎。海外古典を今に活かす
にはこうするしかないかも、と思うほど見事。オセローとデズデモーナの婚礼場面
を最初と最後。舞台の悲劇をより日常な幸不幸として連想、実感させてくれて○。
なんかラストはしみじみしちゃったねこ。
全体印象。いままでをカクテルとすると辛口・吟醸冷酒な味わいかしら。小ねたな
遊びはつくけど、彩りは少な目の軽いおつまみな感じ。子供にはどうかなあ？な
ビターさ。でも、違いがわかる大人になる（子供の）ためにはいいかも。
で、佐藤誓、吉田鋼太郎２人の芝居が○。佐藤さん。直球純情の不幸・オセロ。
研ぎすまされた演技。お茶目も微糖な味わいに抑え、不器用さを醸して○。今回、
演出が端正なのもこのキャラに合わせてなのかしら。吉田さん。複雑な二枚舌野郎
のイアーゴー。復讐の企てを自発したとはいえ、結局運命に弄ばれてく小悪党。
キャラが人間臭く、凄みと情けなさが同居してて○。表情豊かに演じ分る、吉田さん
巧い役者さんなり。
他役者。カンパニー初参加（そう？）の竹下さん。膝枕してもらったら、気持ち
いいだろうな、な和らぎと愛らしさ○。
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