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  プロジェクトKUTO-10 第七回公演「アイスクリームマン」

 @扇町(大阪) 扇町ミュージアムスクエア(1999/9/3-5 5ステージ)
 9/5Sは追加公演 全自由前売り3000 当日3300 学生2500 

 作:岩松了 演出:岩崎正裕[199Q太陽族] 舞台美術:加藤祐子
 音響プラン:須川由樹[T&Crew] 音響オペし−ター:金子進一[T&Crew]
 照明:林田典三[(有)アート オー] 舞台監督:村上浩、秋津シズ子
 小道具:音山乙吉、竹田智重 衣装:田矢雅美、平野佳寿代 宣美:粟根まこと

 出演:
 吉田(教習生。聡子友人)    :工藤俊作 [199Q太陽族]
 君原(教習生。聡子友人)    :森下じんせい
 聡子(教習生。水野と訳あり?) :久野麻子
 花輪(教習生。山田を気にしてる):橋田雄一郎 [転球劇場]
 山田(教習生。パチンコに狂う) :紀伊保[虚航船団パラメトリックオーケストラ]
 早苗(合宿所 職員)      :中谷さとみ [劇団☆新感線]
 向山(教習生。六ヶ月もいる人) :福田転球 [転球劇場]
 林田(教習生。なんか病気治療中):荒木千童
 城内(教習生。教師。神経質)  :中村なるみ [劇団☆新感線]
 瀬川(教習生。水野に思いこみ愛):金田典子 [199Q太陽族]
 武 (教習生。絵が趣味の人)  :奥野将彰
 佐藤(教習生。ラーメン屋娘に恋):山内圭哉
 阿部(教習生。冬のアイスが好き):尾方宣久 [MONO]
 岡本(教習生。永井とつるんでる):このまんま林 [劇団☆新感線]
 永井(教習生)         :まついきよし [遊気舎]
 三宅(教習所教官)       :篠垣雅男 [遊気舎]
 井上(教習所教官)       :北岡啓孝 [199Q太陽族]
 田辺(役失念?)        :高田達郎 [199Q太陽族]
 水野(教習生。もてもて君)   :久保田浩 [遊気舎]
 早苗の姉            :中道裕子
 家出娘(で、ラーメン屋店員)  :斎藤圭子
 タクシー運転手         :岩崎正裕 [199Q太陽族。今回演出]
 タクシー運転手         :小西秀測 [AI・HALL]

 1999/9/4(土)晴れ 3:05-4:10PM(2'00) 桟敷最前列から 客席満員(110人)
 客層:20才代中心。男女半々。東京の岩松作品客層より若い感じ。
 客入れ:ぴあと劇団で左右に別れ、整列。炎天下で熱し。場内誘導は特になし。
 座蒲団狭い(いまどき)。階段状なるも段差小のせいか、後方はやや見難い感じ。
 物販パンフなし。折込パンフに、他の役者が描くところの似顔絵を全員分掲載。
 あいさつ文などなし。関西で上演の機会が少ない(らしい)、岩松了作品について
 なんか一言あってよさそうなのに。

 工藤俊作P。チラシの上演記録によると清水邦夫、別役実など過去に取り上げた
 よう。関西での上演は珍しい?、岩松了作品は'94「恋愛御法度」以来。

 東京乾電池在籍時('92-5)に岩松了Pとして、若手役者を集めて初演。空虚さを
 感じるほどの過剰な演技と演出。不可解なエピソードを重ねて、観客をはぐらかし
 続ける、なんかわかんない疎外感に溢れた展開。なんにせよ問題作と話題になった
 記憶あり。ご参考まで初演、再演の出演者を添付。瀬川役は、諸刃の剣をもつ女王・
 あの吉添文子でした。

 舞台。運転免許合宿所、ロビー。使いふるした調度にくたびれた白い壁。ピンク
 電話が古めかしを象徴。上手に玄関、下駄箱(50人分?)。上がり際にカウンターな
 受付。手前、将棋おいたテーブル。中央、大型のソファ、テーブル。奥の開口は
 風呂場への入口。下手壁際に2F宿舎への階段。手前に清涼飲料水・自販機。
 周囲壁際に観葉植物、ゴミ箱点在。

 お話。合宿免許教習所の青春群像、もんもん過剰な。もてもて水野を核とした、
  いくつかの△関係。事務員早苗と彼女に横恋慕・宿所名主な男・向山。自閉な
 女教師・城内と、彼女にいい人呼ばわりの門外漢・阿部(アイス好きからアイス
 クリームマンと城内があだ名)。勝手気ままな彼らは、互いにそれとなく作用しながら、
 ばらばらに壊れていって・・・。

 岩松演出のようなエキセントリックさ、ドライさは小。人間味を感じさせる潤いあり。
 拡散しようとするエピソードを、登場人物の中に着地させようとしてるよう。
 その様を役者個性でとりどり、じっくり見せてくな印象。ラスト、肉親の死から、
 世界から滅私・逃亡しようとする早苗。その顔に顔を描く(個を再生しようとする)
 横恋慕・向山。この行為が「暴力」でなく、「慈しみ」と感じられるなんてそう。
 
 その役者芝居。期待通りの舞台嵐・福田転球。暴れぶりで笑させつつ、哀れさ
 醸したり。金田典子。センシティブ、危うく、痛々しくある様に泪ねこ。尾方宣久。
 この軽さはなんでしょうか。普段の劇団で見られないキャラのお楽しみあり。
 中谷さとみ、中村なるみ。新感線じゃ、ちょっとない内省キャラ。久保田浩。
 色悪に自身後ろ髪のシリアスキャラ。など。
 
 ご参考。岩松了P公演 配役表

    1992/5/30-6/7(初演)1994/4/12−24(再演)
 吉田 谷川昭一郎          土屋良太
 君原  矢沢幸治            矢沢幸治
 聡子  加藤尚美            栗原一実
 花輪  田口敬              清水勝利
 山田  板野悦郎            板野悦郎
 早苗  宇都宮理子          前田昌代
 向山  戸田昌宏            戸田昌宏
 林田  中村小百合          豊島静
 城内  鈴木千秋            杉嶋美智子
 瀬川  吉添文子            吉添文子
 武    寺嶋康憲            寺嶋康憲
 佐藤  大沢正幸            松永努
 阿部  松下泰知            松下泰知
 岡本  岡尾靖              じょじ伊東
 永井  荒井優              広瀬貴史
 三宅  酒井健太郎          酒井健太郎
 井上  矢野一哉            増井克佳
 田辺  浜中剛              倉持裕之
 水野  清田正浩            清田正浩
 早苗の姉   宮田早苗      伊藤留奈
 家出娘                    山崎絵里
 タクシーの運転手          市川和彦

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