ク・ナウカ「トリスタンとイゾルデ」
＠渋谷 青山円形劇場(2001/10/12-18 8ステージ)
http://www.aoyama.org/
全指定前売り当日共 S席5000円 A席4000円 Z席2000円(事務所のみ)
原作：リヒャルト・ワーグナー 台本・演出：宮城聰 作曲：原田敬子
照明：大迫浩二 空間：木津潤平 衣裳：高橋佳代 衣裳製作：岩崎晶子
音響：ＡＺＴＥＣ 舞台監修：海老沢栄 舞台監督：斉藤葉子
宣伝美術：梅原デザイン事務所 小道具製作：後藤敦子 演出助手：深沢絵理
制作助手：笠井映花 制作：久我晴子 資料提供：古謝弘子舞踊研究所
出演
ムーバー スピーカー
イゾルデ ：美加理 本多麻紀
トリスタン ：大高浩一 阿部一徳
ブランゲーネ：中村優子 野原有未
クルヴェナル：牧野隆二 稲川光
マルケ ：萩原ほたか 吉植荘一郎
メロート ：大内米治 加藤幸夫
牧童 ：諏訪智美 吉川和海
コロス：荒井万理、片岡佐知子、桜内結う、鈴木陽代、佐々木リクウ、
高橋昭安、藤本康宏
2001/10/14（日）晴 7:03-8:55pm(60/休15/35) 正面下手より 客席満員(250人)
客層：20-30才代中心、紳士なおじさん結構。おしゃれか構わないかどっちか服装。
客入れ：当日券20枚ほど。席配分。正面２ブロックがＳ、上手１ブロックがＡ、
下手の1/4ブロックがＺ。折り込みパンフ。Ａ５ ４Ｐ 原作の簡単な背景、配役、
キャスト、予定掲載。次回公演。2月に若手公演、本公演は春に「マクベス」、夏に
野外公演。物販。台本(A4版 1000円）、ポスター400円、Ｔシャツ2000円、ビデオ
4000円。
人間浄瑠璃ク・ナウカ。満を持してのワーグナーオペラ原作上演。
舞台。クリームのドーナッツ型回廊を中央。芯をずらした十字通路のその内側。
外から繋がる傾斜通路は120度２方向。ドーナッツ舞台と接する個所上方にガラス
戸板。ドーナッツ後方は暗闇の内に雛壇、手前はオーケストラボックス。黒衣コロス
の太夫「スピーカ」と楽器群。波音、船頭歌、群衆やささやき声をして、エモーショ
ナルに効果音。ピアノやパーカッションを中心とした音楽。シェーンベルクみたいな
のとか、闇な舞台に似合い。
お話。イギリス王に忠実に使えながら、出会った運命の女・イゾルデとの恋愛から、
王を裏切る騎士トリスタン。生きて結ばれぬ二人の悲恋を描いた、ワーグナーのオペラ
を日本・沖縄に転生処置。トリスタンは「楯の会」戦士＝三島イメージ、イゾルデは
沖縄の女、そして、トリスタンの王は天皇とする設定。
狙いあんま、伝わらず。ビジュアルに心酔。舞台は闇を演出。振り子ライトの光条で
切り裂く暗がり、支配しているのが夜であることを逆さまに描き。細やかな溶明溶暗
を含め、暗闇演出が美しい。ムーバーの動き、とりわけ戦士な男子は人形ぶり強調。
生臭さをとる滑稽さ、これも逆さまに被支配の悲しさを滲ませる。演劇的なことは
さておいても、制服、日本刀で立身の男子には独特の美しさあり。ほへーねこ。
異文化の出会いから普遍の男女の姿、浮かばせ。夜を主、判然としない闇に描いて
姿形によらない、ＳＥＸの無為悦楽をおく試み？。しがらみな昼に、王との男子の絆
、縛られて愛・親父とアニキ社会。イゾルデ外人女子に揺すぶられるも壊れず。壊れ
たトリスタンの置いてきぼりの哀れさ、いやまし。純粋アニキ・三島の原理主義を
重ねて、ふーん。物語近接の狙い？、歴史な風景にみえて、かえって遠かったねこ。
ＳＥＸを主としたことで、原理主義の殺伐感さえ感じたりして、うーん。
役者。美香理。今回、地声でトリスタンとも語らせ、心象表現あり。人形でない面は
久々ねこ。意外とかわいいね、な客席の声あり。トウロウや流山児公演時代の彼女を
知るはずもないか、と遠い目おやじねこ。それと。全体、スピーカの充実、層が厚くなれば、
いいのになあと思うねこ。
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