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 加藤健一事務所 vol.52「バッファローの月 Moon Over Buffalo」

 @下北沢・本多劇場(2002/10/18-11/3 18ステージ)
 http://www.honda-geki.com/honda.html
 全指定 前売4000円 当日¥4,300 高校生割引¥2,500(学生証提示・当日のみ)

  @近鉄小劇場(大阪) 11/8-10 @京都府立府民ホール11/12-13
  @アミューたちかわ11/22    @湘南台文化センター市民シアター11/24
  @かめありリリオホール11/28 @杜のホールはしもと11/29
  @豊田市民文化会館(小)(愛知) 11/30 @新神戸オリエンタル劇場12/2-3
  @名古屋市芸術創造センター12/4 @大分県立総合文化センター12/6

 作:ケン・ラドウィック 訳:青井陽治 演出:久世龍之介
 美術:石井強司 照明:布袋雅樹 音響:松本昭 衣裳:加納豊美
 ヘアメイク:憑啓孝 舞台監督:畑崎広和、高崎芳秀 制作:阿部悦子ほか
 出演:
 加藤健一  :ジョージ・ヘイ(ヘイ一座の座長)
 左 時枝  :シャーロット・ヘイ(ジョージの妻で一座の看板女優)

 加藤 忍  :ロザリンド(ヘイ夫婦の娘)
 井之上隆志 :ポール(ヘイ一座のマネージャー、俳優)

 さとうこうじ:エセル(ジョージの母)
 尾崎右宗  :ハワード(ロザリンドの婚約者)
 戸田由香  :アイリーン(ヘイ一座の女優)
 松本きょうじ:リチャード(弁護士)

 2002/10/25(金)晴れ 7:05-8:44PM(1'38) 中段より 客席ほぼ満員(360人)
 客層:中年齢層が目立つ、大人客席。女性過半数。
 客入れ:当日券。補助席なし。後方を中心に20?席ほど。上演時間と休憩がない旨を
 書いた掲示板をもって歩きまわり、アナウンス。過剰なほど親切。携帯切りなど
 諸注意は回を重ねるごとに芝居がかり。発声もよく、よく伝わり。
 折り込みパンフなし。物販。パンフ(A4 36ページ 800円)カトケン サイン入り。
 役者インタビュー、劇中芝居ネタ解説など、いろいろ。

 「レンド・ミー・テナー('88)」で知られた米国作家、95年作品。
 舞台。劇場舞台の裏と表。カトケンでは珍しく、装置転換がある今回。木造、壁は
 ニス塗り、床は舞台素地。中央部に衝立、衣装、小道具。ドアが沢山あるお約束。
 
 お話。ニューヨーク州の田舎町・バッファロー。元スター俳優の座長夫婦の劇団は
 レパートリー公演の繰り返し。嫌気がさした看板女優である娘は、出て行ってしま
 う。へこたれない座長の元に悪い知らせ。手を出してしまった女優、妊娠。慌てる
 ところを妻に知られて、おまけに劇団の窮状が露呈。愛想をつかせた妻は間男な
 弁護士とでていってしまう。もはやこれまで、と落ち込む処に吉報。有名映画監督
 が降板した役者の代役探しに、芝居を見に来るという。大チャンス、でも役者が
 いないんじゃ、もうだめ。自暴自棄になった座長は大酩酊。帰ってきた娘と妻は、
 顛末を聞かされてびっくり。どうにか、しなくっちゃ。

 ドタバタの単純な面白さ。複雑な役者の心境を陰に折り込みつ、舞台人への愛情
 溢れる佳作。勘違い、すれ違いが入り乱れ、加速して愉快。わかりやすく、お約束
 にポイントをついて○。沢山登場の芝居ねた、シェイクスピアの台詞とか、に鼻白む
 お客あり?。でも、巧く流して雰囲気損ねずしてるとこは、さすがカトケン。
 そりゃないよ〜な非常識な役者のその場しのぎに大笑い。やりすぎとはいえ、
 一途な芝居への愛情がよく伝わって愛着感じさせ。下り坂の演劇でも、役者であり
 続けるな切実感まじりの逞しさが裏打ちされて、ちと味わいねこ。

 役者。加藤さん。真面目な酔っぱらい演技にらしさ。左さん。語らずとも、機微を
 感じさせる眼差し○。井之上さん。飄々と、ちょっと抜けたところが愛らしい。
 時々、カクスコ彷彿の演技が嬉しいねこ。

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