五反田団 第十九回公演「ながく吐息」
＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場（2003/2/19-24 9ステージ）
http://www.agora-summit.com/
全自由 前売・当日とも 1500円
作・演出：前田司郎 照明・装置：岩城保、松本明奈
主催：(有)アゴラ企画・五反田団 企画・制作：こまばアゴラ劇場
制作：西田麻耶、端田新菜
出演：登場順 役柄別途掲載
前田司郎 ：１（倉田）
黒田大輔［THE SHAMPOO HAT］：２（倉田の会社同僚）
兵藤公美［青年団］：妻
秋山建一［青年団］：３
井上三奈子［青年団］：玉山
西田麻耶：カナブン（カナコ）
2003/2/21（金）晴 3:36-4:55PM(1'19) 中段より 客席7割（55人）
客層：20歳代女性7割、後お友達男子とおじさんが結構。
客入れ：開演20分前開場。荷物預かりあり、場内誘導、必要十分にあり。通常舞台
配置から90度回転、長手方向に設置。ベンチ3列(クッション2枚) 背もたれ椅子３列。
通路は下手よりにもうけて通行配慮あり。舞台至近なのでやや後ろの中段、中央より
で見た方が見やすし。折り込みパンフ。配役などクレジットものはなし（有無を確認
してる男性客あり）。4月から青年団との合併のことや、思うことなどあいさつあり。
次回公演。春の団祭（青年団、五反田団連続公演）五反田団は、5/2-5,5/27-6/1
「家が遠い」 5/12-18,6/9-15「逃げろおんなの人」 の再演。
物販。台本（B6 500円）、過去分もいつも通り販売。
舞台。コンクリートの道、コンパネの塀、上手にゴミ置き場。週刊マンガ、潰した
ビール缶。やっつけ仕事風だけど、前回（段ボール）より普通に舞台装置。
お話。きっちり三つボタンスーツできめたサラリーマン２人。だらだらと世間話。
どうも会社の飲み会の帰りらしい、どうも一人は、女から切り出された結婚話に
躊躇する内にダメになった模様。未練たらたら？。女性はもうひとりの旧友？（元
彼女？）。ふられた方が塀に立ち小便を始めるが、これがなぜか止まらなくなる。
同じように止まらなくなった近所の男が登場。並んで止まらない立ち小便をする
内に、友情みたいなものを押しつけられたりする。近所の男もちょっと訳あり。
妻が捨てた、亡くした？赤ん坊の遺品を拾いに来たりしてる。たまたま通った会社の
同僚から好奇の目どころか、ビデオ撮りされたり。元彼女がやってきて心配したり、
憤慨されたり。でも、よりは戻せなかったり。ぽつぽついろいろあるけど、小便は
止まる気配さえない。という小便男の後ろ姿を見つめ、放出音を聞き続けるハメに
なる不条理劇。
しょぼい奇抜さに妙味。情けなくやるせなく、たまんないねこ。常軌を逸した立ち
小便。その間は、元彼女との未練を引きづり、同僚と元彼女から人として気遣われ、
さらに萌す２人の仲も引き留められる。そう思ったかもな小便男はやめたいけど、
やめられない（できない）。 女「どうしようもないね（と小便男の背中から抱きつく）」
小便男 「（顔だけむけて）もどれないの俺ら？」 女「（離れながら）もどれないよ」
シリアスな静寂の中も、音をあげて放たれ続ける小便。床一面は水（本水です）
浸し。靴を動かすと水音がぴちゃり。もうやるせなくて、情けなさすぎて素敵。
色恋沙汰どころでない状況あり。小便が止まらないと死ぬかもしれない。けど、
止まらない限りは死んじゃいない、やめるわけにいかない。ままならない危うい
人生にさも似たり。そんな機微を微細に醸す五反田団の独特。とほほ会話に
笑いつ、さすがあと感心しきりねこ。
役者。前田さん。さりげに面白会話。ちょっと嫌みな感じも素敵。
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