五反田団「逃げろおんなの人」
＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2003/5/13-18 6/10-15 16ステージ）
http://www.komaba-agora.com
ほぼ自由 当日・予約とも 1500円
作・演出・出演 前田司郎 照明・装置：岩城保
出演：
端田新菜[青年団] ：妹
望月志津子（フリー）：姉
西田麻耶[五反田団] ：女（売り子）
前田司郎 ：１（妹の恋人）
黒田大輔[THE SHAMPOO HAT]：２（１の友人）
岩崎裕司[青年団] ：３（黒崎裕司）
山田（フリー）：人（？）
2003/6/14(土)小雨 3:35-5:06PM(1'30) サイド最前列より 客席8割（60?人）
客層：20-30才代中心。学生っぽい？編集っぽい？役者さん？な印象。
客入れ：三方客席。正面椅子席3列とベンチ1列、サイド椅子1列とベンチ2列。正面が
一番よさそう。いつものように荷物預かりあり、場内誘導はとくになし。大人客席な
んで携帯どうとうか、注意なし。折り込みパンフ。Ａ４ 1枚。今回から配役表が
ついて、親切。「ＳＭ社長」台本全プレ。次回公演予定。11/17,18 12/1-3新作＠
アゴラ劇場。物販。台本(B6版 500円)
？年初演作、再演。
舞台。クッション付き座椅子と足が折り畳み式の小テーブル。少年マガジン、ねこの
ぬいぐるみ。片隅にＴＶと小さいビデオ、台に化粧品とか。脇にブランケットがさっ
きまで誰か寝てた風に乱れて置かれ。
お話。家族のお葬式があるのか、服装のこととか家と電話する「妹」。恋人は他人事に
会社友だちと会話。ちょっとは気遣ってくれてるのが、半端でいや。な「妹」はねこ
になりたいとでもいうのか、テーブルの下をくぐろうとしたり、なんかだめな人化。
レンタルビデオをかえさなきゃ、延滞料金払うのかなあ。ビデオ屋へ姉とドライブ。
なぜか熱海。アメリカのスター！？と出会ったりのロードムービーに。ビデオ屋に
いかなきゃいけない現実と裏腹の逃避行模様。とんちんかんな世界は、しだい死と
葬送を映して、ちょっと不気味に変容。ここから逃げたいと、どんどん夢の空を飛ぶ
「妹」。遠くいくほどに、現実の逝ってしまった「姉」の記憶が淡くなっていく、
泪目のたまらない思いを伴いつつ。
とぼけた不条理に刺す哀傷。切なさにじんわりねこ。他の作品同様、とっても自然体
にだらだらしてる、ゆるい登場人物達。いつもと毛色が違い、ざわついたわけわからん
言動をするキャラ仕立て。そんな中、どこでもぽつんとつんぼさじきの「妹」。逃げた
い気持ちが世界の不明を増し、自らの疎外感も増しちゃう哀しさ。その過程を直裁な
言葉によらず、「妹」と取り巻く周囲の有様から浮かばせてく。ラスト近く、葬式が姉
のものと示され、一人逃げ出す「妹」の心中をすっと理解できたものとした、作劇◎。
椅子にえびぞりに乗り、扇風機の風を当てただけで「妹」を飛ばしたラストもまた◎。
描きたいことがきっちりとあって、その手段を得ていれば、即物的な技術なんか不要
なのだと、あらためて思うねこ。
役者。巧い人ばかり。なんか感心しちゃうねこ。端田さん。不器用な有様に愛情感じ。
岩崎さん。ちょっと嫌みな感じに味わい。
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