ク・ナウカ Ku Na'uka Theatre Company「サロメ」 日比谷公園100年記念事業
＠日比谷公園 草地広場（2003/7/25-31 7ステージ）
http://www.dentan.jp/test/hibiya_park/hibiya.html
全自由（整理番号付） 前売4300円 当日4500円 学割2000円（限定予約）
作：オスカー・ワイルド 構成・演出：宮城聰
照明：大迫浩二 空間：木津潤平 [phiframe]＋渡邊雅子
音響：AZTEC（水村良、坂本有希） 衣裳：高橋佳代（アトリエチワワ）
小道具：深沢襟 ヘアメイク：梶田京子 宣伝美術：梶木一郎
舞台監督：小谷武 会場設営：ユニオンステージカンパニー
演出助手：富川純一、末廣昌三 制作：久我晴子
出演：mover(speaker)
サロメ ：美加理（佐々木リクウ）
ヨカナーン：大高浩一（大内米治）
ヘロデ ：稲川光（吉植荘一郎）
ヘロディアス：大久保倫明［フリー］（高橋昭安）
ナラボー ：藤本康宏（言動一致）
小姓 ：大内米治（言動一致）
コロス ：石川正義
2003/7/26(土)曇 8:27-9:38PM(1'10) 下手より中段より 客席満員（240？人）
客層：20-30才代中心。大人よりに幅広く、中年層ちらほら。女性過半数。
客入れ：当日券あった模様。柵で囲われた草地広場の入口に受付テント。隣接する
野音・杉山清貴の音響が流れてくるため、終了待ち（チケ発売時に時間変更もさらに
）。開場は開演定時過ぎ、開演は定時30分弱過ぎ。待ち時間のお詫びにか、ドリンク
サービスあり。でも、柵内受付の掲示をみないと、遅れの理由、サービス共わからず。
表側の掲示とアナウンスがほしかったねこ。
入場時誘導ももひとつ。受付近くの広場に番号順整列を願い、中まで50人ずつ誘導。
入口が狭いため、入り遅れ、整列に間に合わない客あり。50番台以降の整列はアナウ
ンスあるも確認せず、間をおかず誘導。一回お願いしただけで、あとは客まかせなの
はいくら時間が押しているからといって不親切。唐組のテント芝居にくる客なら、
自発的に整列できるけど、それはまれ。また、薄暗く、整理番号が見えづらいことも
あり。中に入ってから、10番くらいづつ呼び出して入場させ。ここで仕切れるから、
アバウトでもいいの考えかしら。
客席。スタジアム式のベンチシート。8人掛け5段6ブロック(両端は変則）。どこでも
見晴らしよけれど、客席中央通路からの登場があるので、端だと見がたいかも。
お客が入ってしまうと、出口通路が一方の端のみになり、奥側からでるときは△。
客入れのギャルソン(登場役者）から、ワインとお茶のサービスあり。無暗に活舌の
いいスタッフ（たしか役者さん）がいて、おかしいねこ。野外なんで虫刺されに弱い
人は注意、ねこは気にならなかったけど。寒暖は天候次第で各自調整要、今日は暑か
らず、寒からず、ほどよし。
折り込みパンフ。Ａ４縦折り 3ページ。フランス公演中止とストにからめた挨拶。
物販。未確認。
7年ぶりの美加理・サロメとか。ねこは第２回公演(下高井戸）以来。
舞台。草地広場。大きな柳の木がある、緩いこんもり丘。枯葉と緑の草のツートーン。
ピクニック場な木製テーブルと椅子がふもとにいくつか。白いテーブルクロス上には
フルーツやらおかれ。背景に子供遊戯施設点在、合間に灯りが入ったテント。中央に
ライトアップされた公園の噴水が小さくみえ。丘のてっぺんに黒塚、積み上げられた
ブロックが白い糸でがんじがらめにされ。頭上、中空に巨大な蜘蛛の巣が張りめぐさ
れ。黒塚真上、中央の蜘蛛（あれがコロスなの？）は客入れ時微動だにせず、横たわり
下界で「事件」が起これば反応するも、おりることはなし。ギャルソンのなりを
した「スピーカー」は丘後方の椅子に陣取り。
お話。聖書にある「サロメ」をモチーフにした、有名戯曲。予言者ヨカナーン（聖ヨ
ハネ）がヨルダン河で洗礼を受けて間もないころ。ユダヤの国王ヘロデは弟の妻ヘロ
ディアスを横取り、自分の妻に。批判したヨカナーンはヘロディアスに憎まれ、幽閉
されてしまう。ヘロデはヨカナーンに一目置いていたため、処刑をしようとはせず。
しかし、ヘロディアスはヘロデの誕生日の宴席で、娘のサロメにヨカナーンの首が
ほしいと言わせ、ヘロデに首をはねさせる。
興味深いけど、あんま楽しめず。寓意か歴史風刺か、演出意図がよくわかんないねこ。
設定なりとも、解説が正直ほしいところ。単純なキャラに濃厚な味付け。主要人物三人
は悪虫のていでコスプレ。ヘロデはムカデ、黒子二人を加え、長い胴体をくねくね。
ヘロディアスは蛾の成虫、まだらの体毛の胴体と大きな6本の足を広げ。サロメは蛾の
なりから変態。プラチナブロンドの長髪、黒衣の背中に小さな羽。七つのベールの
踊りは繭にはいってのふ化、白ワンピの少女となる一連(羽はなかった？よな）。ほか、
予言者の声は、高く変調されたものとかぶり、「宇宙人」化。近衛隊長はドイツ語
混じりでサロメへの恋を語り、ヘロデもゲルマンおやじなていにみえ。
寓意画？と勘ぐり。図像学で虫はどんな解釈だったかしら。蛾はたしかどん欲な欲望
と破壊を意味していたような。美しい蝶とも見誤られるさまとあわせ、なるほろ
サロメかも。つれない恋の相手を殺しても手に入れる、なエロスと精神の不可思議な
存在？。うーん！？。
さらに、ラスト（ヨカナーンの）首は地球に代わり、キスはヨーロッパ（中東？）
付近へとみえ。ヨカナーン＝聖ヨハネの殉教はイエス布教につながり。ヨカナーン＝
イエス＝キリスト教＝ヨーロッパは、ヘロデ＝ユダヤ教（ていうの）＝イスラエルと
敵対。そのまま歴史に当てはまって、ヘロデのあの女（サロメ）を殺せ、の台詞も
そうかなな。一方、ヘロデらドイツなていはナチス（ユダヤ人虐殺）を連想させて、
別の意味でラスト台詞に重なり。うーん！？。
スピーカーが全員男性。女性キャラには二面性な歪み、男性キャラには直球直情な
印象を強調してて、なるほろ。蜘蛛なコロス？は？。
野外趣向は功罪ともあり。夜の潜みな雰囲気○。生々しい土くれの匂いが生理を刺激
して、獣な欲望が渦巻く内容にあい。スピーカーの声が聞き取りがたいのは、音響の
改善をしてほしいところ。
役者。美加理。ガラス細工のように美しい。毅然と、しかしどこか幼気な危うさを感じ
させて、目が離せないねこ。
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