演劇企画集団THE･ガジラ「無駄骨」
＠下北沢『劇』小劇場（2003/12/26-30 5ステージ）29作家を迎えてのトークあり
http://www.honda-geki.com/gekisyogekijo.html
全指定 前売3500円 当日3800円
作：張鎭（チャン・ヂン） 翻訳：青木謙介 演出：大鷹明良 監修：鐘下辰男
美術：島次郎 照明：斎藤茂男 音響：藤田赤目 舞台監督：村田明 衣装：大野典子
宣伝美術：西山昭彦 プロデューサー：綿貫凜 主催：有限会社ガジラ
出演：
花王おさむ ：チャン・トップ（先輩 囚人番号928）
李鐘浩（リ ヂョンホ）：ユ・ダルス（新入り 囚人番号2928）
小山萌子 ：ソ・ファイ（割り込み 妊婦 囚人番号2929）
2003/12/30（火）晴 3:05-4:31PM(1'26) 前方より 客席超満員(90?人)
客層：男性過半数、ほとんどおじさん。女性は20才代中心。
客入れ：全指定席。緩い雛壇に横幅がある椅子5列。舞台が低いこともあって、至近
距離なのにちと観難し。２Ｆ席は2列？（未確認）。折り込みパンフ。Ａ４ 3ページ
紹介、作家、演出、鐘下氏の挨拶、役者紹介、スタッフ掲載。物販なし。
韓国の劇作家1995年作品。
舞台。明るくポップな配色、寝室然とした監獄。中央壁下手と上手壁に、ホワイトオ
ークのシングルベット。上手の棚にはミニコンポや電話、赤いバラの一輪挿し。
その後ろ、オレンジの壁に手洗い（と背後にトイレ設定）。中央手前に緑チェックの
テーブルクロスがかけられた、ピクニック用折り畳み小テーブルと椅子。正面中央に
真っ黒な鉄板壁、下部に出入口。下手壁は銀色の鉄格子、上手壁とも上部に監視カメラ
あり。
お話。といわれても、監獄とは思えない。そこからでられない以外は、不自由なく
優雅に生活している中年男。に新入りの囚人は混乱して逆切れ。自分がなんでここに
いるのかわからないからだ。詐欺で収監されたという中年男も、もうひとつ納得でき
ないまま、なにもすることがない日常を過ごしている。中年男がいう「仕事」とは
決して切ることができない鉄格子にヤスリをいれること。徒労にすぎないの仕事の
ための仕事。そんな退屈な日常に突然若い女が入り込んでくる。女は妊娠しており、
自分のことがまるでわかっていない。三人の生活を強いられる内、やがてそれぞれの
陰惨な記憶が蘇って…。
いつかみたようなシニカルな仕掛け、にふーん。演出、快調。監獄みたいな日常、
まやかしの平安を映す、ラストに衝撃の現実、と80年代な懐かしげ。現実が危ういと
知るまでもない今にしてみるとあ、なところあり。90年代半ばの韓国（演劇）にふむ
ふむねこ。演出はテンポよく運び、時折扇情的な照明をいれてアクセント。日本語訳
がとてもこなれていて○。役者芝居。中年？！な役の花王さんは、枯れた魅力の持ち味
でさらり好演。青年役の李さんは、勤労好青年を絵に描いたよう。小山さんは、べた
べたなキャラ。永井愛芝居などで見せる魅力はあんま感じさせず、熱演もうーん。
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