＠森下 ベニサンピット(2004/5/5-19 14ステージ）
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全指定 一般 S席4500円 A席3000円 プレビュー 全席3000円
シードチケット（学生割引）Ａ席のみ2500円
作・演出：鐘下辰男 美術：島次郎 照明：中川隆一 音響：井上正弘
舞台監督：村田明 衣裳：伊藤早苗 宣伝美術：マッチアンドカンパニー
プロデューサー：綿貫凜
出演：
若松武史 ：楠木大尉、龍巳武雄
横田栄司[文学座] ：龍巳少尉
久保酎吉 ：芹澤曹長
河野洋一郎[南河内万歳一座] ：赤井軍曹
近江谷太朗 ：佐野伍長
寺十 吾[tsumazuki no ishi] ：樋口伍長
栗原 茂[[流山児★事務所] ：私服の男
加地竜也[燐光群] ：男
神野美紀 ：女
占部房子 ：娘
2004/5/8(土)晴 2:05-4:14PM(2'09) 中段上手より 客席ほぼ満員(140人)
客層：大人よりに老若男女。20才代と中年層中心、男女半々。
客入れ：トイレはいったん外にでてから。tptのよな軽食提供なし。チラシのロビー
置きあり。荷物預かりはたぶん頼めばあり。最前1列自由席、後方雛壇8列×20指定席
後方部屋中央の柱がじゃまなシーンがあるけど、ほとんどは前方側で行われるので
問題なし。会場幅に散会するので後方でみた方がいいかも。折り込みパンフなし。
物販。パンフ(B5 18頁 500円)宮沢章夫、流山児詳の寄稿、役者インタビュー、
歴史資料ほか、開演前に全部読める分量。脚本1500円。
青年座初演作品「成層圏の鵺」を改訂、再演。
舞台。ガランとしたコンクリート部屋が前後。前側に机を4×3個等間隔に並べ、
裸電球を6灯吊しただけの極シンプル。
お話。戦争末期1945年8月。広島、長崎に原爆投下。次は東京の情報を入手した軍部
は極秘開発のロケット型戦闘機の特攻攻撃を作戦。人も通わぬ基地に新米将校とベテ
ラン兵士の部隊を派遣する。しかし、先遣隊の姿はなく、助力に動員した村人たちは
奇妙なたたりの話をし、抗う。任務急務の焦りから、テンションがいやがおうにも高
まる中、兵士の一人が変死体で発見される。何者が殺したのか。敗戦間近に狂奔ある
いは醒めて七転八倒の兵士達。「日本人」に同化しようとする特別な力をもつ「部落
」出身の将校と、先遣隊にいた行方不明のその兄。そして日本民族を超越していると
いう謎の先住民。新世界を望む、狂気の男にとっての黙示録な物語。
くー、たまんないハードボイルド。モノクロームの冷徹、よれば切れるような日本刀
の切れ味。ぎりぎりに張りつめた緊迫感がむしろ快感、骨太で硬質の感触を2時間
ぞくぞく楽しむねこ。場と装置、演出が三位一体、素のベニサンを一番活かした舞台
◎。物語はよくわからない日本人を明確に示し、わからないままの精神論の空虚さを
打ち出す。今の愚かさと混沌を思わせて、うーむねこ。
役者。実力派ががちんこ勝負するすごさ。若松武史。相変わらず、妖しい存在感が
素敵。占部房子。憎悪の念波を終始発散させて、黙しても強弁。
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