＠下北沢ザ・スズナリ（2004/8/26-9/12 17ステージ）
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全指定 一般前売4200円 当日4500円
シードチケット（限定10枚 学生割引）2800円
作：井上光晴「八月の狩」「他国の死」 構成・演出・脚本：鐘下辰男
美術：島次郎 照明：中川隆一 音響：井上正弘 衣装：小峰リリー
舞台監督：八須賀俊恵 宣伝美術：西山昭彦 プロデューサー：綿貫凜
主催：（有）ガジラ
トークゲスト 8/30篠井英介 9/7きだつよし
出演：
吉田 朝 ：道家常良
若杉宏二［流山児★事務所］：石上伸一
加地竜也 ：稲沢明雄
白井圭太 ：山屋国明
福士惠二 ：永岡理事、在日１
KONTA ：沖浦医師、在日２
小林愛[TEAM発砲・Ｂ・ZIＮ］ ：真野看護婦、尋問者１、稲沢明雄の姉
征矢かおる［文学座］ ：寺山婦長、尋問者２、アメリカ人に使われる女
円城寺あや ：内村看護婦、尋問者３、山屋国明の妻
塩野谷正幸［流山児★事務所］、宮島健、下総源太朗？（声の出演）
：米軍の日本人人夫
？（声の出演）：朝鮮人の人夫
2004/9/5（日）曇 2:03-4:07PM(2'04) 中段より 客席ほぼ満員（150人）
客層：20才代後半と中年層の大人客席。男女半々、3人連れが多い印象。
客入れ：当日券詳細不明。ベンチ１、後方雛壇に椅子席13列。通路は両壁沿いのみ、
中央にないので、若い番号の人は注意。いつものように前後が狭く、ため荷物預かり
も積極的にあり。冷房はやや強め、外気温に比例する格好。本日は下北沢が祭り中に
つき、太鼓の低い音が漏れ聞こえたりと、この劇場らしい独特のライブ感あり。
折り込みパンフ。A4 4ページ。挨拶、写真付き配役。背景となる朝鮮戦争と細菌兵器
など別紙解説つき。次回公演。12/9-19新作＠東京芸術劇場
物販。今公演用はなし。
革命家として社会を告発しつづけた・井上光晴が遺した戯曲「八月の狩り」、
小説「他国の死」を原作とした尋問劇。
舞台。装飾が一切ない板張り床の白い部屋。中央に机、椅子３、電球スタンド、
時計、灰皿。下手前面に汚れた洋式便座、上の盆にウィスキーとグラス。出入口は
上手奥。両袖の壁に開口跡のような凹み。
お話。米軍女性ＧＩは、日本人の男達への容赦のない尋問を繰り返す。男達は朝鮮
戦争で米軍の人夫として、非戦闘地域で３倍の給金で雇われていた。仕事は兵士の
死体洗い、時につなぎ合わせ作業。しかし、仕事はそれだけではなく、撤退時に
細菌兵器をばらまく手伝いをさせられてもいた、口外無用で。作戦のことはなにも
知らされておらず、戦争とは無関係、そう訴えるほどに、彼らは戦争を直視せざる
をえなっていく。退役後、精神病院へ入った彼らの一部や、従軍医師への尋問らを
交えて、描く戦争と人間。
一糸乱れぬ緊密、緊迫のドラマ。交錯する時空をシームレスにつなげ、巧みに
構成。一多役も、主役級のできる役者達は見事にこなす。逃げ場のない密室で、
抜き身の真剣で斬り合うよな、すさまじい演技バトルをもって。見直した演技派な
プリチー・小林愛、まだ余裕すら見せて恐ろしい・円城寺あや。もうぞくぞくする
ねこ。
今、戦時下にある日本でこの過去の物語は、イラク戦争と非武装自衛隊ー無辜なる
日本人に否応なく重なりみえる。時を超える無知の罪を思い、うーむと唸るねこ。
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