[前頁] [ホーム] [一覧] [次頁]

 グリング 第10回公演「ストリップ」

 @新宿 THEATER/TOPS(2004/10/19-24 9ステージ)
 http://theatertops.at.infoseek.co.jp/
 全指定 前売 3000円 当日 3300円

 作・演出:青木豪
 照明:清水利恭 美術:田中敏恵 舞台監督:筒井昭善 効果:島貫聡
 宣伝美術:高橋歩 宣伝写真:中西隆良 制作:菊池八恵
 企画制作:グリング
 出演:
 杉山文雄 :藪木公一(小屋スタッフ 足が不自由)

 鈴木歩己 :平山 修(小屋古参スタッフ 髪が薄いのを気にしている)
 萩原利映 :平山佳奈(修の妹 保母)

 峯岸信太郎[劇団おばけおばけ]]:吉村諒(小屋スタッフ 趣味が変わっている)
 水戸ひねき :手島亨(小屋常連の警察官)

 桜子 :立花亜矢(代役の踊り子)
 野中孝光[THE SHAMPOO HAT]:幸田宏(その婚約者)

 矢代朝子:三代目 葵(ベテランの踊り子)
 
 坪内有子[動物電気](映像出演):沙也香(急病で入院してしまった踊り子)

 2004/10/24(日)晴 7:07-6:54PM(1'42) 中段上手より 客席ほぼ満員(140人)
 客層:中年層1/3以上の大人客席。男女半々。
 客入れ:全指定、いつもの雛壇にパイプいす(座布団追加)。特記事項なし。
 折り込みパンフ。B5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定掲載。次回公演。
 来年7月新作@TOPS。5月に演劇集団円に書き下ろし(演出とも)。物販なし。
 カーテンコール5分。青木豪さんから役者紹介ほか。
 
 初演時、観劇したえんぺ選者全員が一押しするも、半数が未見だったため、
 「野鳩」と同着受賞(新人公演)となった作品。TV化もされ、すでに代表作?。

 舞台。ストリップ劇場の色気のない事務所。斜めった壁や天井の突起で、隅の空き
 部屋雰囲気。中央左手に入口ドア、下駄箱と足ふき。右隣にガラス窓の受付。外に
 踊り子のポスターやら見え。事務机、上に舞台を撮すモニタ。上の壁に沢山の
 大入り袋。棚に福助、離れて神棚。手前床にソファとテーブル。下手壁際の小さな
 窓下に事務机、壁にメモ用紙。上手壁際にロッカーと内部屋のカーテン。奥側に
 2階への階段。

 お話。場末のストリップ劇場。スタッフの1人・藪木はしょぼしょぼと仕事。
 小劇場劇団で作・演出の経歴をもつが、諦めたと古傷に触られたかのように多くを
 語らない。雇われ支配人、藪木に好意を抱いているその妹。秘密の趣味をもって
 いる、若い従業員。人生いろいろのベテラン・ストリッパー。そのファンのスト
 リップ好きの警察官。などと、淡々と過ごしたある日、病欠の代役で若いストリッ
 パーがやってくる。それを期に、藪木の封じていた古傷開いて…。ワンアイディア
 、一幕のシチュエーションもの。

 こんな巧くてこの後どうする?、と余計な心配したくなるウェルメイドプレイ。
 「ストリップ」とは、心の壁を剥いでいくこと。登場人物がちらりズムに、秘密や
 本音をみせ、悲喜こもごもに思いが交差していく。設定、伏線の張り方、拾い方が
 とっても巧み。興味津々と引き込まれ、しんみりしみじみと浸ってしまうねこ。
 一義に留まれない、人のグレーで曖昧な部分を丁寧に描いて◎。鋭い人間観察眼
 からの現実的な醒めた描き方にも、突き放さない愛ある視点を感じさせて好感。
 なんかもう、大人ですね、なバランスの良さ。初演を観てたら、えんぺ大賞に一票
 投じていたと思うねこ。

月間一覧