＠新宿 THEATER/TOPS(2005/7/12-18 10ステージ）アフタートーク13s,17m
http://theatertops.at.infoseek.co.jp/
全指定 前売3200円 当日3500円
作・演出：青木豪
照明：清水利恭 美術：田中敏江 舞台監督：筒井昭喜 効果：島貫聡
音響オペレータ：都築茂一 宣伝美術：高橋歩 宣伝写真：中西隆良
着メロ作曲：DubRIN‘ 制作：菊池八恵 企画制作：グリング
アフタートークMC：なすび
出演：
中野英樹 ：星川茂（整骨院経営）
藤本喜久子[無名塾] ：星川柊子（とうこ。茂の妻。コミケ漫画原作家）
桑原裕子[KAKUTA]：松本亜希（あき。柊子の学校先輩。翻訳家。コミケ作家）
杉山文雄 ：松本洋介（ようすけ。亜希の兄）
辰巳智秋[ブラジル]：伊能義和（整骨院助手）
萩原利映 ：織部美菜（6Fでアロママッサージ店経営）
鬼頭典子[文学座]：三井寺久美（マンション住人）
鈴木歩己 ：根津基（マンション自治会長）
2005/7/18(月祝）晴 1:03-2:53PM(1'50) 前方より 客席ほぼ満員（140人）
客層：町内会よりあいな、20代から60,70歳代な老若男女。女性7割。
客入れ：当日券あり、詳細不明。最前列にベンチ1列、以降いつもの雛壇にパイプ
椅子。折り込みチラシそれなり厚さ。折り込みパンフ。B5 3ページ。挨拶、配役
、スタッフ、予定掲載。次回公演。12/9-18新作「海賊（仮）」＠スズナリ。
12/21-24＠大阪芸術創造館。物販。脚本1000円、Tシャツ1500?円。
舞台が深夜ＴＶドラマ化、ジャニーズ役者の舞台脚本を書いたりと、知名度を
上げている、若き(か?)台本後者・青木豪最新作。リアルタイムな一幕群像劇が
特徴。今回、女性二人メイン、時間が飛ぶ、登場人物が死んじゃうとか「冒険」
(パンフ)あり。
舞台。整理整頓され、白木の内容もこぎれいな診療所。丁寧でリアルな造り込み。
下手奥半分に張り出し壁、その正面に大きな窓。その下に診療ベット、壁に医療器具
、隅に花。そのまま壁沿いに倉庫への開口と収納棚。収納庫、茶器、冷蔵庫、ゴミ箱
、ワゴンとか。上手よりにもうひとつの診療ベット。上手壁にトイレドア、奥に
カウンター〜玄関につながる設定。
お話。整骨院の院長と妻は昼食を外でとる。昼食中、目を離した隙に子供を転落
事故で亡くした妻は、昼間家にいることができないのだ。時折、落下する様々な
幻覚をみるというが、夫にはどうすることもできない。妻は趣味でやおい系同人誌
の作家をしている。作画をしてる学校後輩が、捻挫をした兄を治療につれてくる。
本音は先輩と会いたいようだが留守。妹がでていくと兄は院長に感謝する。
院長の妻と漫画を書き始めるまで、妹はとても不安定、リストカット常習だったと
いう。そんなことは初耳の院長。
やがて、院長は妻が見知らぬ男と会っているらしいと噂を聞く。くだんの後輩の兄
との不倫。でも、真相は別。妻と後輩の子はレズビアン、結婚を機に関係をやめた
が、後輩の子がどうしても思い切れない。妻もまた子供を失った欠落感を埋め合わ
すように、再会した後輩の子と再び体をあわせるのだった。
嫌いではない、でも夫とはもういられない。困惑する夫と謝るだけの妻を前に、
後輩の子はレズビアンの関係、捨てられた悲しみ、奪われた怒りを激白する。
それを聞いても夫にはどうすることもできない、彼には理解できないことなのだ。
1年後、妻を喪った夫は変わらず、整骨院を営んでいる。妻の後輩の兄がよばれ、
院長は妻の形見にとノートを渡す。死んだ子供を魔法で再生し、再び喪うという
漫画原作が書かれているという。妻の苦しみをわかった気がするとも。しかし、
兄はまだ妹に顛末をはなしていない、「伝染」するのが怖いからという。
上階マッサージ店・マルチ商法の疑いのある女店主と脳天気な整骨院助手は結婚して
、それなり幸せそうだ。ゴミを分別せず、違法ＣＳチューナーに罪悪感を感じない
、近所の主婦もまだ通院している。日々は穏やかに、人生は流れていく。
日常の見えない影、埋もれる不幸を細やかにすくい上げる。レズビアン、心傷を
抱えた人、悪意を抱き、悪事を働く者。そうでなければ生きられない人達を冷静に
、悪戯な救済も癒しも施さず、まっすぐ見つめる眼差しあり。寄り添って細やかに
描く、その優しさと、どうしようもできない哀しさが底に感じられて、しみじみと
感じいるねこ。伏線張りやら構成や進行は憎いほど巧く、さらっと笑い添えで
嫌みや痛みを和らげて上手。ひどい人生をそっくり受け止め、生きていく力を
自然体で描いてて、好感ねこ。
役者。妻の妹役・桑原さん。永遠の20歳な危うさあり。告白と恋人対峙場面、
見開いた不安な瞳、涙する姿にもらい泣きねこ。しっとりと妻役・藤本さん。
きれいな、でも水気が足りない花の寂しさ。桑原さんとのベットシーン、香り立つ
艶っぽさが一転魅力。
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